まずはディア様、ディアナ様へと改めて変身するとリリアリスはなんだか考えているようだった。
「ん? どうかしました?」
それとは別に、ヒュウガはその見た目に対してなんだか眉をひそめていた。
「というかさ、なんか反則臭くないか?
やっぱりどこからどう見ても女だ、前のディア様とやらのイメージが全然湧かなくなってきた。
それも変装術の謎の力のせいなんだろ?」
ヒュウガはそう言うとリリアリスが頷いた。
「反則ってことはなくってむしろ想定通りの完成形なんだけどさ――」
これで想定通りなのかよ――ヒュウガは呆れていたが、リリアリスはさらに続けて話をした。
「やっぱりさっきの妖魔値を考えるともうちょっと色気たっぷりでもいいわよねぇ……」
えっ……ディアナ様はちょっと引きつっていた。
というか、それならリリアさんだって……少し言いかけたディアナ様だったが慌てて口をつぐみ、言い換えた。
「いえ、あの、別に色気全開みたいな感じでなくていいと思うのですが……
だって、その妖魔が多いリリアさんでもそのような抑えめのお召し物を――」
するとリリアリスはニヤっとしていた。
「いいえ、イイコト思いつーいた♪
やっぱりもっとセクシーで色っぽいほうがいいわよ♪ こうしましょう……」
本当にやるのか……ディアナ様は覚悟した、こうなったらどうにでもなれ。
そして、ディアナは目を開けると服装がかなりヤバかった……
「こっ、これは――」
なんと、服装どころか上半身はさらにバストサイズが大きくなっており、
トップスはビスチェの上にどこぞのセクシーな女神様よろしく、
ただ布を巻いて豊満なバストをしまい込んでいるだけのなかなかセクシーな姿、
下半身のスカートは前よりも短く、太腿まで大胆に露出したような姿だった……。
そして全体的に白い色、まさに女神さまという感じだった。
「女戦士の攻めのスタイルということで服装も攻めたコンセプトね。
イメージはファンタジー系のアマゾネス、可愛さのほうに重きを置いたイメージだけど、
そんな女戦士のイメージに仕立て上げたってわけよ。
女戦士ならビキニとかも考えたんだけど、スカート姿のほうがカワイイかなと思ってこっちにしたわ。
カワイイは無敵だし、それに多分、男の夢も膨らむだろうしね♪」
膨らまさんでも……夢も胸も……ディアナ様はそう思った。だが、
「でも可愛いですねこれ! 私、気に入っちゃいました!」
ディアナ様は気に入っていた。それに対してヒュウガ――
「おいおいおい、気に入るまでが妙に早いな、少しは抵抗感がないのか!?」
ディアナはにっこりしていた。
「いいえ! まったく抵抗はありません! なんていうか、すごいワクワクしてきましたね!」
嘘だろ――ヒュウガは呆気に取られていた。
「ディアナ様は女歴も長いからね、女やるのも慣れているって感じだし、今じゃあいろんなオシャレもしたいぐらいだからね。」
ディアナ様はそう言われ、なんだか嬉しそうだった。
いや、慣れてるってどういうことだ……。
「でも、こんなセクシーなのは初めてです!
そっか、私、こんなのが似合うんだー、なんかいろいろと挑戦してみたいなー♪」
マジかよ、ヒュウガは頭を抱えていた。
「ま、そゆワケ。ヒー様もやってみれば世界観が変わるかもしんないよ♪」
こうなったらヤケだ、煮るなり焼くなり好きにしてくれ――ヒュウガはそう思いながらリリアリスに身をゆだねた。
「うふふっ、女性高適性のヒー様がどうなるのか楽しみねぇ♪」
俺、どうなるんだろう――不安でしかなかった。