エンドレス・ロード ~セラフ・リスタート~

エンドレス・ロード 第3部 果てしなき旅の節目にて 第8章 幻想を抱いたまま死ね

第150節 堅牢なる先兵、特攻と統率

 いくつか階段を昇って行くと、そこには何かが道をふさいでいた。
「おっと、番兵がいたようだな」
 ガルヴィスはそう言うとその番兵は反応した。
「侵入者を発見! ただちに排除します!」
 それは機械の兵隊のようだが――
「あれは――あれの左手に持っている盾は例のやつだな――」
 リファリウスは気が付いた、それに対してガルヴィスが言った。
「ああ、ユーラルで見たやつだ、イングスティアにもあったそれだな。 お前の得物ですら通さねえっていうやつだ。だが、幸いにもほとんどがその材質じゃねえって感じだ。 だったら話は簡単、本体を狙って攻撃するだけだ!」
 ガルヴィスは敵に襲い掛かった! だが――
「何っ!?」
 ガルヴィスは踏みとどまると、その場で敵の攻撃をかわした!
「あれは! まさか、得物までそれなのか!?」
 リファリウスは驚いていた。
「へっ、なんだか知らねえが、あいつをぶっ壊せばそれでいいんだろ?  だったら話は簡単、俺に任せやがれ!」
 と、今度はイールアーズが特攻! だが――
「ぐはっ!? 硬ってぇ――」
 イールアーズは盾に思いっきり弾かれていた――。
「またずいぶんと堅牢ですね、どうなっているんですか?」
 ディスティアはその盾を見ながら言うとリファリウスは答えた。
「もしかしたらユーラルでは得物と盾の状態のそれが見つかったということじゃないかな、 ただの鉄鉱石から作られたようだけど、それともなんだか違う気がする。 そして、そもそも加工が難しくてどういうふうにしてあれが作られたのかもさっぱりわからない、 久しぶりに私の血が騒ぐような不明な物体だよ。」
 クラフォードは頭を抱えていた。
「騒がんでいい。 とにかく、得物と盾にはダメージが入らないことだけは確かのようだ。 それに結構スキがない、つまりは正面や側面を狙っていくだけだと攻撃は弾かれやすいようだから狙うのなら後ろだってことだな」
 後ろか、後ろと言えば――リファリウスは彼女のほうを向いた。
「ええ、それなら私に任せて!」
 と、フロレンティーナが言うとリファリウスが言った。
「うん、私はガル君と得物を何とかしよう。 ティレックス君らも盾のほうを相手にしてくれると助かる。 だから女性陣はあいつの裏から攻撃を頼むよ。」
 そう言われ、女性陣は力強く返事していた、なんだこの統率力……。

 リファリウスは接近すると、ガルヴィスは敵の得物をしっかりと力で抑えながら言った。
「魔法バリアだ、魔法は使っても効果が薄いぞ……」
「うん、らしいね。だから私もガル君に加勢しに来た。」
「はん、オメーの力なんざお呼びじゃねえんだよ、このひ弱め――」
「いや、それでもやれることはあるからね!」
 リファリウスはその場で風の刃を発射!
「おっ、軽くなったぜ! うおらっ!」
 機械兵の右腕を貫いた! するとガルヴィスにかかる力が弱まり、彼は思いっきり押し返していた。
「ふん、ひ弱のクセによくやるじゃないか」
「何言ってんだよ、当たり前じゃないか、私を誰だと思っているんだ?」
 そしてその勢いで敵の体勢が崩れると、ほかの面々も続々と攻撃を仕掛け始めた!
「行くぞ! 今だ!」
「るせー! 指図すんじゃねえ! んなことぐれーわかってら!」
 ディスティアが言うとイールアーズは反発しながらもそう言い、それに続いてほかの男性陣もがっつりとそいつに一斉に攻撃を仕掛けた!
「イール! 足だ……いや、やっぱりイールには無理か――」
 と、クラフォードは機械兵と盾を結んでいるあたりに剣を差し込みながら言うと、イールアーズはむっとしながら言った。
「あん!? 俺にできねぇことがあるわけねえだろっ!」
 と、クラフォードの狙い通り、イールアーズは剣で機械兵の足を突き刺すと、見事に貫通した!
「ほう、みんなやるねぇ! そう来れば今度は私がアシストする番だ!」
 リファリウスは雷魔法を発動! それをアリエーラが受け取ると、女性陣全員に分け与えた!
「みなさん! 今です! さあ、とどめを!」
 するとフロレンティーナが剣――いや、彼女も”兵器”を構え、機械兵の後ろから突進!
「私に続いて!」
 そして、彼女を基点にほかの女性陣が特攻! だが――
「あれは!」
 アリエーラはとっさに気が付いた、敵の背面に電磁バリアが発生! しかし――
「うるさぁい! 黙れぇ!」
 と、今度はユーシェリアがすぐさま反応し、即座に接近! 電磁バリアめがけて剣をかざすと、そのパワーを吸い取っている!
「エクスチェンジング・バリア!」
 そして吸収した力が彼女の身体を包み込む!
「みんな、今だよ! 私が抑えているうちに早く!」
 なんと! 彼女は電磁バリアをその身を以て抑えているではないか!  それを見ながらほかの女性陣は改めて特攻!
「ユーシィ……いつの間にかあんなことができるようになっていたのか――」
「ユーシィさん、流石です――」
 リファリウスとアリエーラはなんだか嬉しそうにしていた。