エンドレス・ロード ~セラフ・リスタート~

エンドレス・ロード 第3部 果てしなき旅の節目にて 第6章 果てしなき旅の節目にて

第123節 果てしなき旅の節目にて

 ティレックスは話題を変えて言った。
「言ってもあれだ、ここにいる連中の何人かは結構何かしらの事情を抱えて望んでいるやつが多いからな。 オリのような”ネームレス”に限らずな。 例えばそう――あいつなんかもそのうちの1人だ――」
 それはアーシェリスのことだった。
「ん? 俺? まあ――確かにそうだな、悲惨と言えば悲惨――いろいろとあったけど、 前に比べたら丸くなったと思う、以前はずっと尖っていたからな。 言っても俺なんかは復讐みたいなもんだからそもそもが暗い悲惨なエピソード……仕方がなかった気がする」
 丸いか? あのリファリウスに対する激しい当たりよう、丸いとは到底思えないんだが――ティレックスは密かにそう思っていた。
 ともかく、ティレックスは話をした。
「復讐か。 実は俺自身も本当はちょっとカタキみたいなのもあってさ、その延長で結果的にここにきているようなもんだ」
 そこへオリエンネストが話をしてきた。
「そう、そうだよね――何だかんだあったけどさ、こうして僕達は知り合えたんだ、 なんだろう、なんだかすごいよね! 僕はリファリウス君に知り合えたことでここにいるんだけどさ……」
 ティレックスは言った。
「そういえばそうだったな、むしろリリアさん繋がりだったと思うんだがあの2人のことだからどっちでもいいか。 それこそ言ってしまうと、実はここにいる連中はだいたいあの人たちつながりなんだけどな」
 オリエンネストは驚いた。
「えっ、それっていうのは……つまりティレックス君もなの?」
「ああ、それこそ俺はほとんど初めからリファに世話になっていた感もあるぐらいだけどな」
 アーシェリスも話に参加した。
「実は俺もほぼ初めから感があるな。 あいつにはいろいろと世話になったな、なんていうか……自分の無力さを感じるぐらいにな……」
 だからこそのリファリウスに対する反骨精神が働いているのか……ティレックスは少し悩んでいた、この先そんなんで大丈夫か?
 しかし、無力と言えば――ガルヴィスが話題に入ってきた。
「お前らが無力っつってもな、そもそもあのリファリウスのやつが自分を無力と語っている。 やつが無力なら、お前らは何なんだろうな。それこそ俺自身も……ふん、嫌な話だぜ」
 そういえばそうだった、例の”フェニックシアの孤児”のエピソードを聞かされるといろいろと辛いが、 それで一番つらくなっているのが当のリファリウス本人である。 あれは確かに誰しもがその話を避けたいほどの内容である、 話そうものならリファリウスが半日落ち込むようなもの、 そんなリファリウスを見ている側としても非常につらいものがあるからだ。
 ところでそのリファリウスだが、今は――
「で、問題はあれだよな――」
 ティレックスはリファリウスのいる方向を指さした。 アーシェリス、ティレックス、ガルヴィスの3人は……あいつの周囲女子ばっかり……と心の中で叫んだ。
「……あの優男め、いい加減にしろ!」
 アーシェリスはそう言った。それに対してティレックスが言う。
「……いや、俺としてはあれこそが普通に思えてきたな。 むしろ、あれが成立しないほうがおかしい。 なんていうか、普通に滅茶苦茶馴染んでいる―― 妙な光景と言えば妙な光景だが、それがリファリウスだってことになると――なんかまったく違和感を感じなくなったな」
 そうか? アーシェリスはそう突き返してきた、やはり彼は納得がいかない様子だ。

 一方で、話を抜け出してオリエンネストはリファリウスのほうへ向かっていた。
「リファリウス君!」
「あ、オリ君――どうしたのかな?」
 そんな様子を見ていたアーシェリスは言った。
「それにしても、オリエンネストもよくわからないやつだよな」
 ティレックスは頷いた。
「俺もそう思った。 なんつーか、リファリウスって女性には対応が甘い反面、男に対する塩対応っぷりにすっかり定評があるやつだけど―― なんでオリには甘いんだろうなって思って。なあガルヴィス、あれってどういうこと?」
「知るか、俺に訊くな」
 ガルヴィスは迷惑そうに答えた。そうか、知らないのか……ティレックスは首をかしげていた。
 すると、リファリウスがその男3人に向かって得意げに言った。
「こらこら、何をそんなアリエーラさんはキレイだからお付き合いしたいとか結婚したいとか言っているのかな?  言っとくけどアリエーラさんには指一本触れさせやしないからねー♪」
「んな話してねーよ」
 ガルヴィスは呆れていた。
「つーか、お前が指一本触れんじゃねーよ!」
 アーシェリスはそう付け加えた。
「まあ、そんなことよりもキミらもこっちにきなよ、ちょうど昔話をしていたところだったんだ。」
 昔話?
「はいはいはーい、殿方もこっちに集まれー!」
 エミーリアがそう言うと殿方もそこへと集まった。
「何の話?」
「いやね、女王陛下がいろいろと聴いてみたいっていうからさ、 もしだったらキミらもどうかなーと思ってさ。」
「聴いてみたーい!」
 殿方は納得した。
「ちょうどよかった、僕、いろいろと知らないことが多いんだよね!」
 オリエンネストが答えた。
「そうだよな、このあたりで一旦話しをしておくか」
 ティレックスは言った。
「この際だからそれもいいだろう」
 ガルヴィスが言った。
「そうだな、それもいいな、話が複雑になってきているし」
 そうアーシェリスが言うとリファリウスは得意げに言った。
「んじゃあ、そうだなと言ったキミが一番手ね。」
「はっ!? なんでそうなるんだよ! ふざけんな――」
 しかし、周囲はもうすでに拍手していた。アーシェリスは仕方なく話をし始めた。

 ある世界でのお話。
 物語はとある大きな国から始まる。 その国は大きな草原帯の真ん中にある王国で、草原や森林が三日月状に囲っていた。
 しかし、ここへ彼らが集うまでの道程は……そう容易ならざることではなかった。