エンドレス・ロード ~セラフ・リスタート~

エンドレス・ロード 第2部 果てしなき旅へと連なる試練 第5章 天使の再起動・最終章

第114節 邪悪に燃え滾る魔人、終焉に向けて

 塔の最上階へとたどり着くと、そこには大きな魔人が鎮座していた。 身長は常人の3~4倍と言ったところか。
「あいつが”イーガネス”!?」
 クラフォードがそう言いながら剣を引いた。だが――
「なんだあいつ、全然反応しねえぞ――」
 イールアーズもそう言いながら剣を引き抜いた。すると――
「なんだ貴様ら、そこにおったのか……」
 イーガネスはこちらを見下ろしていた。さらに続けた。
「なるほど、この我を倒すつもりでやってきたのか。 だが甘い。我はこのアンブラシアの民の能力を持っててもかなうことはあるまい――」
 それに対してリファリウスは言った。
「だから異世界からの存在を危険視した。 アンブラシア民であれば、少なくとも自分が倒される可能性は低い。 では、外の世界からの存在はどうか? それは自分でも未知数だ。 だから今のうちに手を打っておこう、そんなところか――」
 イーガネスは反論した。
「たわけが。何故、この我が貴様らのようなイミテーションごときに恐れを抱かねばなるまい?  我はただ、この世界より出でたエンブリスとやらの異端行為に始末をつけてやろうと考えたまでだ、 つまりはただの暇つぶしに過ぎぬのだよ」
 ガルヴィスは意地が悪そうに言った。
「ふっ、ただの暇つぶしとか笑わせるんじゃねーよ。 第一、下等生物のくせにまた随分と本格的じゃねーか。 お前らの行動原理はだいたい分かっている、本格的ってことはお前の目的はエンブリアを破壊することだ。 つまり、それだけエンブリアを脅威と考えているに違いねえってわけだ――」
 すると、イーガネスは両手に炎を発動――剣のようなものを形成すると、それぞれの手に持って構えた。
「なんとでも言うがよい。 いずれにせよ、エンブリスの世界から出でた者は何人たりとも生きて返すまい。 無論、それらに組する者も同様。この我に楯突いたこと、地獄で後悔することだな!」
 周囲は炎に包まれ、イーガネスとの死闘が始まる――!

 まずは特攻隊長イールアーズの一撃!
「くらえ!」
 だが――
「固ってぇ!?」
「またこのパターンかよ、仕方がねえ!」
 クラフォードとディスティア、そしてガルヴィスも突撃!
「だったら数で応戦するまでだ!」
 クラフォードが言うとガルヴィスが言った。
「リファリウス! やれ!」
 するとリファリウスは――
「やれやれ、人使いが荒いな。仕方がない、やってやるかっ!」
 リファリウスは風の刃を投射! するとイーガネスに見事に命中!
「ぐはっ! ようやりおるわ――しかし、その程度の力で――」
 イーガネスは火炎弾を発射!
「カオティック・ファイヤー!」
 邪悪なる炎がものすごい速さで突き抜ける! すると――
「早っ!」
 リファリウスはさらりと交わした! しかし――
「うわあー!」
 その背後にいたティレックスに命中!
「なっ!?」
 リファリウスは驚いていた。
「ほう、この魔法を避けるとはなかなかやるようだな、久しぶりに血が疼くぞ!」
 リファリウスは考えていた。
「あの弾道を考えると――近距離を狙うような技って感じではなさそうだな。 つまり、接近戦を挑むのがベターか……」
 そう言いながらイーガネスのもとへと立ち向かっていった。
「ティレックス、大丈夫!?」
 ユーシェリアは心配しているとシオラが言った。
「彼のことは任せて、ユーシェリアさんはみんなと一緒にイーガネスを!  アリエーラさん、あのガタイだと接近戦も激しいものになりそうですのでお願いします!」
 アリエーラは頷いた。
「行きましょう、ユーシェリアさん、みなさん!」
 そう言うとカスミが真っ先に飛び出した。
「あいつ、なんか腹立つ。今すぐ殺す」
 ヒュウガも剣を取り出した。
「ちぇっ、遠距離当てるとあの技で反撃を食いそうだな……仕方がない、近づいて攻撃するか――」