兵隊たちが集まっている部屋にて、アーシェリスらと話をしているティレックス。
「そうか、ティレックスも魔女を探す作戦に来たってわけか」
「それはもののついでなんだけどな」
もののついで? アーシェリスはそう聞いたが、そこへフェリオースが――
「ほら、来たぞ――」
フェリオースにそう言われた先にはなんと、イールアーズの姿が!
「お前、こんなところにいたのか」
イールアーズは反応した。
「お前らも来たのか。それはともかく、シャルロンはどこにいる?」
すると、シャルロンが部屋に入ってきた。
彼女がこちらを歩いてくると、周囲から――
「うおお! シャルロンちゃん!」
「俺らのアイドル、シャルロンちゃん!」
「シャルロンちゃん! シャルロンちゃん!」
「いいなァ、シャルロンちゃんは! 可愛いなァ、シャルロンちゃんは!」
「シャルロンちゃんは俺たちの嫁!」
「嫁!」
「シャルロンちゃん! こっちをむいてくだせあ!」
「こっちもこっちも!」
「シャルロンちゃあーん! 愛してるぜー!」
「女神シャルロンちゃあーん! 俺のことをもっとふみつけてくだせあ!」
「俺も俺も!」
と、とにかく彼女押しの集りがうるさく、彼女の人気もわかるようだった。
だが、それに対してシャルロンちゃんは――
「すみませんが、今から大事な話をしようとしているのでおとなしくしていてもらえますか――」
だが、それに対して野郎共――
「ああっ、俺らのアイドル、シャルロンちゃんが怒ったっ!」
「可愛い――なんてカワユイんだ、シャルロンちゃん!」
「もっとしかりつけてくださいませ! 女神シャルロンちゃん様!」
と、効果がなく――シャルロンちゃんはあきれていた。
「ごめんなさいねみなさん、周りがこんなにうるさくて――」
その様子を見ていたララーナは何やら気になっている様子だった。
シャルロンちゃんは部屋を出ると、まずはスレアのほうへと向かって歩いて行った。
「えっと、確かスレアさんでしたっけ?」
「俺? ああ、そうだが――」
スレアは振り向いて答えると、彼女は目をキラキラと光らせていた。
「スレアさんってかっこいいですね! おモテになるんじゃないですか?」
そう言われたスレアは少々照れていた。そこへ――
「私、フラウディアって言うの! よろしくね、シャルロンちゃん!」
彼女は楽しそうにそう言った。だが――
「フラウディア? ええ、よろしくね――」
なんだかそっけなかった。さらにスレアに対しては――
「スレアさんって彼女さんがいらっしゃっしゃたりするんですか?」
と、興味津々に目をキラキラと光らせながら訊いてきた。するとフラウディアが――
「うふふっ、私がそうでーす♪ ねっ、スレア♪」
と、楽しそうに言うと、スレアは――
「ああ、そうだな、フラウディア。そんなわけでご覧の通りだ。
俺としてもこんな可愛い彼女ができてとても嬉しい限りだ」
そう言うと、フラウディアはスレアの片腕をぎゅっと抱き着きながら「やん♪」と楽しそうに言った。
それに対してシャルロンちゃんはなんだかつまらなそうな態度で「そうなんだ」と言い捨てていた。
だが、それでもシャルロンちゃんはスレアにはなんだか愛想を振りまくように言った。
「スレアさん♪ また一緒にお話ししましょうね♥」
そしてシャルロンちゃんはその場所から移動していった。
そんな彼女を見ながらフラウディアは――
「なっ、なんなのあの子――」
なんだかフクザツだった。
続いてシャルロンちゃんが向かったのは――
「あなたがティレックスさんですね?」
今度は彼が標的の様子。やっぱり彼女は目をキラキラと光らせていた。
「うん? なんだ?」
するとそこへ――
「シャルロンちゃんって可愛いよね! さっきも男の子たちにたかられていたけど、よくわかるなあ♪」
と、ユーシェリアが楽しそうに言うと、シャルロンちゃんは――
「あらありがとう。それよりもティレックスさん! ティレックスさんって素敵ですよね!」
と、ユーシェリアに対してはそっけなく適当に返す一方で、
ティレックスばかりに食いついていた。
しかし、そこはさすがのティレックス、
「そうか? そんなことはないと思うが――」
と言って話をそらそうとしていた。それに対してユーシェリアが――
「そんなことないよティレックス♪」
と、ユーシェリアは楽しそうに言うとティレックスは照れながら言った。
「そ、そうか? まあ、ユーシィが言うんならそうなんだろうな――」
「ふふっ、そうだよー♪ また一緒にデートしたいなぁ♪」
「わ、わかったから、頼むから人前でやめてくれ――」
ティレックスはまいっていた。その様を見ながらシャルロンちゃんは――
「なーんだ、そうなんだ」
と、やっぱりつまらなそうな態度で言った。
でも、それでもティレックスに対して愛想を振りまくように言った。
「ティレックスさん♪ またね♥」
そしてシャルロンちゃんはその場所から移動していった。
そんな彼女を見ながらユーシェリアは――
「なっ、なんなのあの子――」
やっぱりフクザツだった。