エンドレス・ロード ~セラフ・リスタート~

あの日、すべてが消えた日 第3部 堕ちた天使の心 第5章 反勢力軍の反撃

第61節 再会

 ヒュウガたちは促されてやってくると、そこには――
「あれ――」
 クラフォードが指をさし、ある場所を示していた、 そこには何故かアーシェリスとフェリオースの2人が――
「あれ? お前たちエネアルドに戻ったんじゃ? こんなところで何をしているんだ?」
 ティレックスは2人のもとへ駆け寄るとそう聞いた、何をしているのだろう?
「うん? なんだ、ティレックスじゃないか、どうしたんだこんなところで?  俺らはただこっちのほうに駆り出されただけだ――」
 アーシェリスはそう答えただけだった。駆り出されただけって――ティレックスはそういうと、フェリオースが答えた。
「あの後デュロンドの一団が来てな、みんな戻るつもりだったんだが、 なんだかこっちに人手が欲しいらしくてな、それで向かうことにしたんだ」
 クラウディアス側に誤った連絡がいったのはデュロンド側の早計な判断なんじゃないかとフェリオースが付け加えた。 そうだったのか――
 するとアーシェリスは頷いて言った。
「まあ、何はともあれ入ってくれ。 大丈夫、俺がみんなのことを説明しよう――」
 そう言いながらアーシェリスはみんなに中に入るように促していた。

 中に入るとなんと、そこにはやはりというべきか、ティルアの兵やデュロンド兵たちがいた。 彼らがここにいてクラルンベルはどうしたのだろうか? 不思議に思っていると建物の奥から誰かがやってきた。
「彼らはクラルンベルの作戦に協力してくださることになりました。 ロサピアーナの侵攻が収まったことでこのルプラドルの地に来たのですが、 そのあとにロサピアーナがトリビュート・フラットを発動、再び動き出したのです。 クラルンベルのことは心配ですが私たちはクレイジアにいる被害者を守るためにこちらにやってきたのです――」
 その声は女性の声だがシオラはその姿を見て驚いていた。
「えっ!? まさか、あなたシャルロンちゃん!?」
 そう言われた彼女のほうも驚いていた。
「えっ、ウソ!? まさかシオりん!?」

 まさかのシャルロンちゃんとの再会、2人は抱き合って喜んでいた。 しかしシャルロンのイメージはルーティスにいた時よりもかなり変わっていた。
「どうしたのシャルロンちゃん! なんか背丈も少し高くなったみたいだし――」
 シオラは嬉しそうに言うとシャルロンちゃんも嬉しそうだった。 胸の大きさも結構出ていることにも気が付いたシオラ、 服装も以前は可愛らしいセーラー服姿だったが――
「で、でもどうしたのその服装……」
 今の彼女の服装はあからさまに露出度が高く、 スカート丈が大胆にも太腿はおろか、最悪モロパンって言うほどとても短い長さ、 そして上半身はというと、大きなバストを強調するように胸元が完全に露出しており、 その上にセーラー服のリボンのようなもので止めてあるだけというとってもセクシーなスタイルだが、 その大きなバストから下は完全に露出しており、へそ出しにセクシーな腰の括れを強調という危険な見た目、 言ってしまえばもはや女豹と称しても過言ではないような、 あからさまに男に対するサービス精神旺盛な見た目へと変貌していたことでシオラは悩んでいた。
 それに対してシャルロンちゃんは――
「うん、ちょっといろいろとあってね。 今はクラルンベルの作戦隊長としても頑張っているところなんだ――」
 作戦隊長!? シオラは驚いていた。
「クラルンベルの隊長職の人が軒並みやられちゃったからね。 それで私はクレイジアの魔女解放作戦のためにこっちに駆り出されたんだよ。 魔女って言うからには私も彼女たちの警戒心を解くためにはこのぐらいの服装が必要かなと思って――」
 魔女解放!? それに対して興味を示したのは言うまでもなくララーナである。
「その話、詳しく教えていただけますか!?」

 一行は別室へと促され、ララーナは話をしていた。
「プリズム族というのですか?」
 シャルロンはそう聞き返した。ララーナの内情を知ると彼女のほうも興味を示した。
「クレイジアには私と同じような血を持つ種族がいたと聞いています。 ですが、ロサピアーナによる”魔女狩り”によって住処を追われ、隠れ住んでいるらしいのです。 私は同族を助けるべくこの地にやってきたのです」
 シャルロンは頷いた。
「つまりは目的は一緒ということですね。 それがプリズム族なのかは私にはわかりませんが、 とにかく、魔女狩りにあっている人たちを助けるべく私たちは動くことにしたのです」
 でも、ロサピアーナの方針に対して立てつくような作戦、 ますます戦争の引き金になるんじゃないのか、ヒュウガはそう聞いた。
「おっしゃる通りです。 ですが、ロサピアーナの”魔女狩り”は決して公にはならず、 また、その魔女をこちらで保護しても問題ないと私どもの国で判断したため、 そのような作戦を行うことにしたのです」

 その話し合いの後、双方の利害が一致し、作戦については協力の上で実行することになった。 しかし、作戦を実行するうえで一つだけ問題があるのだという、それは――
「確かに彼女らは森の中にいるということは聞き及んでいます。 だからでしょうか、ロサピアーナ軍はとある生物兵器を投入し、森にそれを放ち、 捜索をさせているとのことです――」
 生物兵器!? ヒュウガはそう聞き返した。
「その生物兵器はエダルニアの研究によって開発されましたが、 エダルニアが解体された今でも自律行動をしているそうです」
 問題は大きいようだ。
「エダルニアの生物兵器か、何とも面倒そうなのがいるんだな。 とにかくそいつらを探さないことにはってところだな」
 ヒュウガは考えながら言った。するとシャルロンちゃんは――
「いえ、それが実は、いる場所の目星についてはすでについている状況なのです、 また、魔女たちは複数の場所にいることもわかっているのですが、 具体的な場所についてはまったくわかっていません。 おそらくですが、エダルニアの生物兵器で封鎖しているこの場所が一番怪しいのではないかと私は見ています――」
 そう言いつつ、彼女は手元にある地図に指をさした。