一方コエテク島の祠では、アリエーラさんが猛威を振るっていたのだが、問題の現象はこちらでも起きていた。
「妙ですね、倒しても倒しても再生してくるなんて――」
アリエーラさんは悩んでいた。するとリファリウスは思いついた。
「なるほど、そういう敵か。
うーん、もしかしたら2体っていうのがミソかもしれないね。
ほら、コエテクとコナンドって同時じゃないか、案外敵のほうもそういう法則なのかもしれないよ。
まるでどこかのガーゴイルのようだ、過去の魂とか島の神殿とか、海の底とか打たれる水とか。」
その話をするな。ってか、ガーゴイルって、もしかしてこいつら――
「よし! そう言うことならいい考えがある。いくよ、アリエーラさん!」
「はい! よろしくお願いします!」
リファリウスは”兵器”を握りしめた。
「行くよ! ”ソニック・シェイド”!」
リファリウスは片方に向けて風の刃を投射! 敵を撃破! そして――
「行くぞ、さあ来い!」
リファリウスは剣を振りかぶり、そのままもう片方の敵のほうへと突撃! そして――
「くらえ!」
そのままもう片方の敵を勢いよくカット! 敵を撃破した!
「よっし! 私らの勝利だ!」
だが、リファリウスの背後から黒い影が――
「全部見えてるし♪ 悪いね♪」
しかしリファリウスは”風精の悪戯”を用いて攻撃をかわした!
そう、最初に撃破したはずの敵が復活していた――
さらに――もう片方の敵まで復活していた!
「アリエーラさん! 今だ!」
するとリファリウス、アリエーラさんに合図を出した!
「全力で行きますよ! ”フェニックス・スプレイド”!」
アリエーラさんは”兵器”を右手で構えなおし、そして勢いよく振り上げると、不死鳥の像を成した炎が敵めがけて襲い掛かった!
それによって敵は消滅した――
「よし! うまくいったね!」
「リファリウスさんが敵をまとめてくださったおかげです♪」
本当に仲良しだな。てか、アリエーラさんと仲良しとか羨ましすぎるぞリファリウスめ。
そして、コナンド島のほうもようやく決着がついていた。
「なあ、そっちどうなってる?」
クラフォードは訊くとディスティア様は答えた。
「いえ、それが全然ぴくりとも動かないどころか、身体が崩れているような気さえします。
さっきまで不死身のように這い上がってきていたのがまるで嘘のようです――」
そう言われるとクラフォードは悩んでいた。
「確かに変だよな。
コナンド島ってコエテク島と一緒に出てきたって言ってたが、番兵も変わってるんだな」
コナンド島ってコエテク島と一緒に……? そう言われてディスティア様は閃いた。
「なるほど! そう言うことでしたか!」
えっ、なんだよ――クラフォードはびっくりしていた。
「クラフォードさん、こいつらはもう二度と立ち上がってこないですよ!」
えっ、本当か!? クラフォードは聞き返した。
「はい! こいつらの攻略方法がわかりました!
こいつらは2つで1つの存在、つまり、2体を一度に倒さないといくらでも再生するんです!」
そう言われてクラフォードもピンときた。
「そうか、そういうことだったのか!
なるほど、つまりは2体を一度に倒したことで二度と復活しないってわけか!」
おい……それじゃあ本当にリファリウスの言う通り、まるでどこかのガーゴイルままじゃないか。
過去の魂とか島の神殿とか、海の底とか打たれる水とか。
そう、リファリウスとアリエーラさんについてはリファリウスが敵の配置をまとめつつ、
最後にアリエーラさんの一撃で一度に倒していたのである。
また、クラフォードとディスティア様のコンビもほぼ偶然だろうか、
2人の力量差がそこまで変わらないこともあってか同時撃破が実現していた、わずかなラグはあったかもしれないが。
するとクラフォードは考えていた。
「ん、待てよ? ということはもしかして――イールがいないほうが早く決着していたんじゃあ?」
協調性のないやつが加わっているだけでパターンが崩れる、皮肉にもそういうことだったようだ――
「ま、まあ……それを言ったら本当に拗ねて後が面倒臭いので彼にはそこまでは言わないでおきましょう――」
ディスティア様は苦笑いしていたがクラフォードは頭を抱えていた。
「あいつ、マジでなんなんだよ……」