それから数時間後、アーシェリス、フェリオース、ティレックスの3人が5階のテラスへとやってきた。
「あれ? リファのやつはどこに行った?」
アーシェリスはそう言った。
その場はいつものメンバーがいたのだが、質問の内容にあがっているそいつの姿は見当たらなかった。
すると、アリエーラさんが答えた。
「リファリウスさんに何か御用ですか?」
うーん、どうしようか……ティレックスは悩みながら言った。
「いや、”セラフ・リスタート”はいいんだけどさ、トライス、セガーン、コプコムと発動させてきたところまではいいんだけど、
その次はどうするのかなと思ってさ――」
それに対してフロレンティーナさんが答えた。
「次の目的はわかっているから大丈夫よ。
知りたがりのあなたたちのために話してあげると、次はレビフィブ島の祠に行くことになるわ」
えっ!? でも、レビフィブ島って――3人は首をかしげていると、アリエーラさんが言った。
「実はコプコムの祭壇を発動してから数時間後にセラフィック・ランドの人から連絡がありまして、
元々レビフィブ島があったハズの場所に変な島があるというので確認してもらったところ、
それがもしかしたらレビフィブ島の祭壇がある祠なんじゃないかって話になって、
例の石像の魔物の件もありますから、私たちが行くことになったのです。」
つまりはその間に”セラフ・リスタート計画”の話を世界に発信したかったということらしい。
すると、そこへ――
「ん、あれ、リファリウスいないのか?」
と、ヒュウガが後ろから言うと、アリエーラさんがやはり同じようにリファリウスさんに何か御用ですかと訊いた。
「いや、別に大した用事じゃない。
ただ、システムメンテが終わったから、使いたがってたシステムが使えるようになったぞって言いに来ただけだ」
するとまた来客が現れた、次はガルヴィスである。
「んだよ、リファリウスいねえのかよ」
リファリウス、やたらと人気である。が、今度はアリエーラさんではなく、フィリスが何か用か訊いた。
「いや、次どーすんだよと思ってな。レビフィブにはいつ行くんだ?
ってか、確かリリアリスって女もいたハズだが、そっちはどこで何をしているんだ?
要人たちの会議ってのをやっているぐらいだから、当然、参加していたんだろうな?」
それは――アリエーラさんが何か言おうとすると、その場にリファリウスが現れて言った。
「姉さまがどうかしたのかな?」
と、全員でそっちのほうを向くと、そこには――
「私はここにいるわよ、それがどうかしたのかしら?」
そこにいたのはリリアリスだった。だが、それに対して何人かが何故か驚いていた。
驚いているのは女性陣とヒュウガ、逆に驚いていないのはヒュウガ以外の男性陣である。
「ん? 何だ? どうかしたのか?」
ガルヴィスは不思議そうにそう訊くと、アリエーラさんが答えた。
「あっ、そういうこと――いえ、すみません、なんでもありません……。
ただ、リファリウスさんとリリアリスさんがこうして一緒にいることなんて珍しかったものですから――」
言われてみればこの2人が一緒にそろっているところを見たことがない気がする。
そう考えると確かに異様な光景とさえ思える。
だが、何人かの女性陣はアリエーラさん同様になんだか急に納得したようで、落ち着きを取り戻していた。
「おい、リファリウス! てめえ、リリアさんと何やってたんだよ!」
やはり女性と一緒にいることが気に入らないアーシェリス、彼はリファリウスのことが至極嫌いである。
そんな彼に対してリリアリスがリファリウスの前に立ちはだかって言った。
「何って、話をしていただけよ。
それに私のカワイイ弟にそんな言い方ってないんじゃない?」
どうやらお姉様もリファリウスの味方のようである。
リリアリスはそう得意げに言うと、アーシェリスは言い返す言葉がなかった。