アズラザルはもはや勝ち誇ったような様相でリファリウスとフロレンティーナを眺めていた。
フロレンティーナはリファリウスに囁いた。
「ウフフッ、アール将軍様♥
やっぱりアール将軍様ったらス・テ・キ♥
さあ、私のことを、もっとしっかりと抱いて――」
それに対し、リファリウスはフロレンティーナの目を虚ろな目でじっと見つめながらお姫様抱っこを――
「あぁん♥ とっても嬉しいわ、アール将軍様♪
あなたには特別なご褒美を与えるわ。さあ、どんなご褒美が欲しい?」
リファリウスは女神フロレンティーナ様の目を虚ろな目でじっと見つめながら答えた。
「女神フロレンティーナ様……私の望みは女神フロレンティーナ様ただひとつ、
女神フロレンティーナ様が欲しい、それだけでございます……素晴らしい、美しい……女神フロレンティーナ様――」
そんなリファリウスに対して女神フロレンティーナ様は……
「まあ! アール将軍様ったら私が欲しいのね! いいわ! 私はこれからあなたの女になるわ!
そう、今日から私はあなたの妻、これからはあなたのことを一生幸せにしてア・ゲ・ル♥」
と、彼女はそう言いながらリファリウスを色香に包み込んだ――
その様には流石にアズラザルは少々羨ましそうだった。
「ふん、フロレンティーナは元男……だが、あのラミアに転身した女とあらば別だ。
それに、フロレンティーナも貴様が相手とあれば生涯を添い遂げるのもいとわぬらしい、
貴様のような色男が少し羨ましくなったよ。
だがまあいい、貴様はこれより、フロレンティーナ――いや、
我らがディスタード帝国本土軍所属の”美しき女神フロレンティーナ様”の命に従って生き続けることとなるのだ。
それこそが貴様の幸せ、何の不自由もなかろう?」
すると、美しき女神フロレンティーナ様はにっこりとした笑顔でリファリウスの耳元で再び囁いた。
「はい、美しき女神フロレンティーナ様、仰せのままに――。
私は美しき女神フロレンティーナ様の下僕、美しき女神フロレンティーナ様をお守りいたします。」
さらに美しき女神フロレンティーナ様はにっこりとした笑顔でリファリウスの耳元でまた囁いていた。
「ふはは! そうだ、フロレンティーナ! もっと続けろ!
お前はこいつのすべて、もっと躾ておくのだぞ、よいな!?」
アズラザルは得意げにそう言うと、美しき女神フロレンティーナ様はにっこりとした笑顔で答えた。
「いいえ、躾だなんてとんでもございませんわ。
私はアール将軍様の妻となった身、ですから、夫にはこれでいいのか確認しただけでございます――」
は!? どういうことだ!? すると――
「ラミキュリアさん、大丈夫かな?」
なんと、鳥かごは瞬時にバラバラ、彼女を縛っている紐も解放してしまった!
だが、彼女は気を失っているというか、眠っているようだった。
「何!? 一体、何がどうなって!? フロレンティーナ――」
フロレンティーナの妖気は収まったわけではない、今度はアズラザルたちのほうへとむけられた――
「なっ、なんだと!? くそっ、効き目が回る前に殺してやる!」
アズラザルはスキをついて、自らが持っている銃をフロレンティーナに対して乱射! しかし――
「美しき女神フロレンティーナ様をお守りいたしますって言ったのに聞いてないでしょ。
とにかくなんとか、ラミキュリアさんも守れて、美しき女神フロレンティーナ様も守ることができたというワケだ。」
と、リファリウスは得意げに言った。
そうだ、確かに、守るって言ってたな、ミサイル・ガードの魔法を展開して防弾していたのである。
それに対し、美しき女神フロレンティーナ様は答えた。
「うふふっ、嬉しいわ、ア・ナ・タ♥ 私の魅力、もっと魅せてあげるわ♥」
そう言いながら、美しき女神フロレンティーナ様は誘惑濃度を倍に引き上げた――例の機械のフォローもあって、
ガレアは再び誘惑空間に包まれた。本土軍の兵隊はすべて彼女の虜となり、全員おとなしく投降することになったのである。
「すごいな、これがラミア族の誘惑の力か、私にも効けばいい思いができたハズなのに――実に残念だ。」
「うふふっ、残念なんてウソばっかり。
でも、私の身も心もあなた様のものですわ、アール将軍――いえ、リファリウス様♥
ですから――この私のことは、あなたの好きなようにしてくださいな♥ ウフフフフ――」
リファリウスは腕組をしながら得意げに言った。
「まーったく、これはまた大変な人が嫁いで来ちゃったな。」