「紛れもない女の子になったことだし、ムチもこれでほぼクリアーと、後は――」
リファリウスはフラウディアについて考えていた。
「リファリウスお兄ちゃん、だーい好き♪」
もはやフラウディアはリファリウスにべったりくっついていた、
以前のアール将軍の心を奪い去ってもてあそぶような行為とは打って変わって、
このセリフの通り、”お兄ちゃん”として慕っていた。
だが、リファリウス的にはむしろ、こっちのフラウディアに心を食われている状況だった。
「フラウディアさん、かわゆい――」
「あれぇ? リファリウス様ってこういうの好きなんだー?」
「もちろん、フラウディアさんはかわゆいから猶更だよ。」
「でも、私は人工なんですよ?」
「まあ、人工といえば人工だけど――世の中、そんなところを気にする人いるのかな?
特にフラウディアさんの場合はなおさらね。
ディスタード本土軍のエリートを育てるための政策からすると、
成果の出ない少年期の頃はあまりお金をかけずにやろうとするために整形なんてのは以ての外、
恐らくだけど、ある程度の年齢に達してから本土軍お得意のエンチャント技術の人体転用が影響しているってところかな?」
そう言うと、フラウディアは――
「ぴんぽーん! 大正解でーす! そんなリファリウス様には特別なプレゼント♪ うっふん♥」
そう言いつつ、自分の豊満なバストを強調しながらリファリウスの腕に再びしがみついた。
そして、リファリウスは再びフラウディアに心を食われていた。
「フラウディアさん、かわゆい、かわゆすぎる――」
フラウディアの身体は元々華奢な体だが、本土軍の食糧事情の要因が強い。
エンチャント改造の要因もあるが、そちらは微量で、
やはりというべきか、少し前に探してほしいと頼んでいた花柄のポーチの中にあった女性ホルモン剤の影響が強いらしい。
そして、プリズム族による手術を行ったことで全体的に女性らしい身体つきがより強調されることとなったのだが、
元が元なので、ラミキュリア同様にそこまで大きく変わっていないようだ。
そんなカップル……でなくて、2人がいちゃついている最中、そこへユーシェリアがやってきた。
「あっ、リファ様! それとフラウディアちゃん! お帰りなさーい♪」
その時のフラウディアの服装は可愛らしいワンピースで、
やっぱり大きな胸が強調される肩出しの可愛らしいものだった。
リファリウスとフラウディアはユーシェリアに説明すると、すぐに打ち解けた。
「そんなことがあったんだ、大変だったんだね……」
ユーシェリアは泣いていて、フラウディアと抱き合っていた。
「私も似たようなことされたことがあったから気持ちはよくわかる!
でも、そんな中で私はリファ様に助けられたんだよ! だから私たち、一緒だね!」
「そうなんだね! ありがとう、ユーシェリアさん!」
「ユーシェリアでいいよ! 私もフラウディアって呼ぶね!」
「ユーシェリア! ありがとう、本当にありがとう!」
そんなやり取りを見て、リファリウスはアリエーラのことを考えていた。
「――会いたくなってきたね。」
そんなやり取りをしている中、ティレックスがばったりと出会った。
「あれっ? ユーシィ? フラウディアさん!? 何がどうなっているんだ!?」
「見ての通り、女子同士が熱い友情を交わしているところだよ。
ほら、キミもぼさっとしていないで、これから女性2人が遊びに行くんだから、
ちゃんとエスコートしなさい。」
リファリウスは得意げにそう言うと、ユーシェリアは調子よく言った。
「そうそう、ティレックス、ちゃんとしてよね!」
それにフラウディアも可愛らしく言った。
「よろしくお願いしますね、ティレックスさん!」
それに対してティレックスは後悔しながらボソッと呟いていた。
「……来るんじゃなかった」
「ほらほら、女の子は忙しいんだよ、つべこべ言わずにちゃんとエスコートしてやんな。」
「へいへい」
その後、2人は荷物持ちのティレックスを伴い、
リファリウスから渡された軍資金をもとに楽しい楽しいショッピングに繰り出したのだった。
「友人か、そう言えば、彼女も――」
リファリウスはとある人物のことを考えていた、それは――