「はぁっ、はぁっ、どうだ、お前はこの”トラウマのムチ”から逃れることはできんのだ――」
ムチによる”しつけ”を終了させ、息切れしながらそう訴えるネストレール、だがしかし――
「あらぁ、ネストレールったらもう終わり? まぁったく、案外ずくがないのねぇ♪」
フラウディアはムチの味に対して全く堪えておらず、
仰向けのセクシーなポーズをしてネストレールを挑発していた。
「なっ、なんだと、貴様――」
ネストレールは狼狽えていたが、フラウディアはさらに続けた。
「ふふっ、さあどうするの? もっと痛いことしてみる?」
フラウディアは可愛げにそう言ってさらに挑発した。
そしてネストレールは再度鞭を振り上げると、フラウディアはやはり背を向けてうずくまった。
そして、その背に強烈なムチの一撃! フラウディアの背中を叩き潰した! が、しかし――
「ぐばぁっ!? くぅっ――なんだこれは……」
なんと、ムチが思いっきり弾き飛ばされると、今度はネストレールの右頬に思いっきり跳ね返ってきた!
それにより、ネストレールの右頬からおびただしい流血が――
「なんだぁ、ネストレールったらぁ、大したことがないのね、それとも、歳のせい?」
フラウディアは再びセクシーな様相でネストレールを挑発していた。
「な、何故だ、何故効かん!?」
すると、フラウディアは突然服装が変わり、突然セクシーな服装へと変わった!
その姿はまさにセクシーなランジェリー姿のような服装、
彼女の大きなバストを強調し、下半身は相変わらず可愛らしい短いスカートになっているが、
結局、どこからどう見ても女豹そのものである。
「うっふぅん♥ せっかくだから、特別にイイモノを見せてあげるわ――」
フラウディアは背中を向けた――
「なっ、どういうことだ!?」
ネストレールは驚いた、彼女の背中、それまでまったく支給しなかったはずの背中が丸開きの服装、
当然、これまで彼女に打ち続けてできたムチの痕が惨いからである。
しかし、今の彼女のその背中と言えば、そんな痕もなく綺麗そのものだった。
しかも、その背中には薄っすらと魔法陣のようなものが――それは、物理攻撃を反射するバリア、
それはリファリウスが施したものだった。
そう、彼女があえてこのような服装に変えたのはそれを見せたいがためだった、
そんな光景にネストレールはまたしても狼狽えていた。さらに――
「そ、そのムチは――」
フラウディアはムチを取り出した。
そのムチはリファリウスが彼女のために特別に作った特別な代物で、
ラミキュリアが持っているようなものとも似ている気がする。
「うふふっ、それじゃあ今度は私の番ね。
今日から私があなたの”しつけ”を担当するわね――」
すると、フラウディアは楽しそうにムチを振るっていた。
ネストレールは腰が砕け、その場に倒れてしまった。
「ま、待て! こんなこと、ベイダ・ゲナ様はお喜びにならんぞ!
ベイダ・ゲナ様がいるからこその我らなのだ! それがどういうことかわかっているのか!?」
すると、フラウディアはこれまでの様相とは一線を画し、優しそうな眼差しで清楚な姿勢で答えた。
「ええ、大変よく存じ上げております。
ですが、今や私はガレアに嫁いだ身であり、アール将軍様の第3夫人となりました。
もはや私はあの方の下僕――身も心もあの御方のもの。
そう、アンタに見せたあの方との行為の動画は――私と愛するマイ・ダーリン・アール将軍様との愛を育む時間そのもの――
今後はあの御方の御心のままに、あの御方のために生きていく所存でございますわ――」
そして、ムチを地面に2回打ち付けるととても激しい音が鳴り響いた。
その音にネストレールは恐怖した――
「安心していいのよ、私のムチは女神のムチ、
私のムチに打たれた男は幸せになれるみたいだけど、
本当にそうなるのかをアンタに試してあげようとしているのだから……ウフフ――」
そしてその後――フラウディアは女神のムチを振るい、ネストレールを幸せにしていた――
そう、彼女は妖魔の女になったのだ、だからネストレールは急にその場に四つん這いとなり、
ムチに打たれ続けることで”この世で一番幸せな生き物”となったのだった――
「うふふっ、さーてネストレール、せっかくだから私のために働いてもらうことにいたしますわ。
とりあえず、今のこのガレアの状況を、アンタの敬愛するベイダに報告なさい。
但し、船は使っちゃダメ、その身一つで、浜から北に”そのまま歩いて”本土に戻るのよ、わかってるでしょ?
これからまた海が荒れだすみたいだからくれぐれも気を付けて行きなさい?」
フラウディア女王様のその時の表情はニコニコとした面持ちだが、
どことなく怒りに満ちているようだった。
そして、ネストレールが去った後、そこに放り投げられていた”トラウマのムチ”のほうに目をやると、
フラウディアは先ほどのアール将軍様からもらった服装へと戻りながら近づき、そのムチを取り上げた。
そして、ムチをその場にあった金属製のバケツの中に放り込むとそこにめがけて炎魔法を発射、
自分を縛り続けるだろう存在を自らの手で抹消したのである。
「これで……私はもう縛られることはありません――」