エンドレス・ロード ~ティル・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド~

遥かなる旅路・天使の舞 第4部 明日への扉 第5章 誘惑の魔性花

第85節 ザ・アルティメット・ボディ!

 夕べの出来事――
「うふふっ、元気がありませんねぇ、アール将軍様♪」
 フルーミアは甘えたような声でアールに迫ってきた。
「私はどうすればいいと思う?」
「どうすればって――それはもちろん、自分正直に生きればいいのではないですか?」
「自分正直にか、やってきたつもりなんだけれどもね。 でも、こうなることは想像していたけれども、こんなに加速するなんて――まあ、 帝国に与するものである以上は宿命だと思うしかないのかもしれないけれどもね――」
 それに対し、フルーミアは優しい眼差しで言った。 彼女は不思議と以前に比べ、なんだか非常に穏やかな心持で、 以前よりもとても嬉しそうな印象だった、何かあったのだろうか。
「いいえ、まだまだやれていないことがあるのではないのですか?」
 フルーミアにそう言われたアール、考えながら、 そして――彼女が目の前で自分を誘惑してくる――そんな彼女を見つめながら言った。
「そうだね、自分を信じてやるしかないか。」
「そうですよ、そのためなら私も何でもしますよ、愛しの将軍様のためならねっ、ウフフフフ――」
 フルーミアはアールを誘惑して取り込んでいった――そう、 アールの心のスキを突くことで彼を虜にし、彼は身も心も彼女に捧げたのである――
「ウフフッ、さあ、いらっしゃいな、アール将軍様♥ あなたのことを毎日癒してあげるわぁん♥  そう、アタシこそがあなたに最高の癒しを与える精霊、癒しの女神フラウディア様よぉん♪  そんなアタシだけが持っている、 この世で最も美しくて麗しくて最高にセクシーで魅惑のパーフェクト・ボディが欲しくてたまらないのはわかっているのよぉん♪  でも、アナタはアタシの理想のイケメン様だから――ト・ク・ベ・ツ・に♪  このカラダで好きなことをさせてあげるわよぉん♪  さあ、ほぉら、さっさといらっしゃいな、ドヘンタイさん♪ うっふぅん♥」
 フルーミア、いや、フラウディアはアールを悩殺、 すると、アールはフラウディア女神様の身体に襲い掛かった!
「この世で最も美しくて麗しくて最高にセクシーで魅惑のパーフェクト・ボディを持つ唯一の存在癒しの女神フラウディア様!  私は、この世で最も美しくて麗しくて最高にセクシーで魅惑のパーフェクト・ボディな女神フラウディア様が欲しくてたまらない!  だから、この世で最も美しくて麗しくて最高にセクシーで魅惑のパーフェクト・ボディな女神フラウディア様をください!」
「いやぁん、流石は女たらしを自負する程のエッチでドスケベでドヘンタイな下僕様ですこと♥  でも、エッチでドスケベでドヘンタイでこの世で一番超素敵なイケメンな下僕様……私、超しあわせ――」
 おいおい、マジかよ――

 すると、アールはフラウディアをお姫様抱っこをして抱え上げると、 そのままマジェーラのもとへと歩き出す。 そして、フラウディアは優しそうで可愛らしい笑顔のままに、とてつもなく黒いことを言った。
「ウフフッ、そもそも本土軍の司令官に本気でこんな女がいると思っているのかしら?  大体、アタシのような得体のしれない女を簡単に抱いたりしてアール将軍様というのは噂通りの女たらしで軽薄な御方よねぇ♪  それにどいつもこいつも――ガレアには能天気でおめでたい下僕共ばっかり、この分だと簡単に終わりそうでほっとしたわ――」
 そして、アールはフラウディアをマジェーラの隣におろすと、 すかさずフラウディアの方へ頭を向け、彼女に跪きつつ、そのまま四つん這いになった――
 するとフラウディア、なんと、そのアールの背中に綺麗な足を大胆に乗っけると、セクシーでエロチックな感じに言った。
「うふふっ、それでもイケメンのアール将軍様ならむしろ大歓迎♥  さあ顔を上げなさい、そして目の前の幸せな光景をその目にしっかりと焼き付けなさい、ドヘンタイさん♥  この世で一番幸せな生き物にしてあげるわ……ウフフッ♥」
 すると、アールは顔を上げると――アールの視線の先はフラウディアの短すぎるスカートの中――
「ほぉらぁ♪ 皆の者、よぉく御覧なさいな♪ これこそがこの男の本性なのぉよん♪  そう、アール将軍様とはいえ、所詮は男……この男の頭の中は私のことでいっぱいなのよぉん♥  ねぇアール将軍様、そうでしょぉん? ほぉらぁ♪ アンタの大好物の”ドリーム・ワールド”よぉん♥」
 フラウディアのスカートの中、通称”ドリーム・ワールド”……その時のアールのその様相ときたら――
「デヘヘヘヘヘヘ……”ドリーム・ワールド”……私は”ドリーム・ワールド”の住人…… 私の頭の中は”ドリーム・ワールド”でいっぱい……グヘヘヘヘヘヘ――」
 ひ、酷い――もはや見ていられるものではなかった。 もはやプレイボーイ肌などという言葉は何処にもなく、例のロシュム同様にただのドスケベのドヘンタイ男というのが相応しい様相でしかなかった、 あのアール将軍の印象など微塵も感じられることはない。
 そして、4人の女王様はフラウディアの位置を基準にしてその場で横一線にセクシーな感じに整列、 フラウディアは頭の中が”ドリーム・ワールド”に支配されている男を踏みつけ続けていた。 そして、それぞれのムチを取り出して構えると、フラウディアは終始色っぽく、艶めかしく言った。
「ウフフッ、アタシたちはベイダ・ゲナ様を崇拝し、 ベイダ・ゲナ様直属の部下であるネストレール様によって任ぜられた”ベイダ・シスターズ”っていうのよぉん♥  アタシはその団長、 この世で最も美しくて麗しくて最高にセクシーで魅惑のパーフェクト・ボディな女神フラウディア様こと夢魔妖女フラウディア=エスハイネ―― ウフフッ、そうよぉん♪ アタシのカワイイ下僕たちであるすべてのオスというオスのご主人様である女神様とはこのアタシのことよぉん♥」
 夢魔妖女! 何人かは驚いていた、 かの者はその自らの美貌によりいくつかの国を内部から貶めていったという驚異の魔女というのは一部では知られていることだが、 それがまさかディスタード本土軍の手先であり、しかもそれが男だとは到底考えられなかった。
「マジか、まさかそう来るとはな――これはちょっと想定外の展開だ……」
 エイジは頭を抱えながらそう言った。こんな非常事態でもスタンスを崩さないのはいつも通りというべきか。 しかし、彼もまた、そうなる運命なのだろうか――

 すると、フラウディアは――
「うふふっ、せっかくこのアタシのこの世で最も美しくて麗しくて最高にセクシーで魅惑のパーフェクト・ボディ♥  アタシのカワイイ従順なるヘンタイたちに教えてアゲルわ――」
 彼女のカラダから何やら甘い香りが渦巻く!  そしてなんと、彼女の言うように男たちはその香りを感じると、途端に幸せになった!
「ウフフフフッ、アタシの声が聞こえるかしらぁん?  ほーらぁ、耳に入っただけで幸せになれるこの声が聞こえるかしらぁん?」
 フラウディアは色っぽく、甘えた声でそれを発すると、男であれば敵味方関係なくほぼ全員が興奮しはじめ、狂喜乱舞していた。 女性には効果はなさそうだが、ほぼすべての男たちは完全に彼女の虜と化したのだ!
「ウフフ、アタシの従順なるヘンタイたちのためにこれから楽しい楽しいゲームをするわよぉん♪」
 フラウディアはさらにセクシーに誘うような仕草をしながら甘えた声で言った。 それに対して男たちはさらに興奮していた。
「名付けて、この世で最も美しくて麗しくて最高にセクシーで魅惑のパーフェクト・ボディな女神フラウディア様争奪命令ゲームよぉん♪  ルールは簡単、それはこのアタシの命令をちゃんとこなすだけ、簡単でしょぉん♪」
 男たちは再び興奮し、歓喜の声を上げていた――
「そしてぇー、このアタシの命令に対して一番頑張ってくれたエッチでドスケベでドヘンタイなおバカさんには―― ご褒美として、この世で最も美しくて麗しくて最高にセクシーで魅惑のパーフェクト・ボディな女神フラウディア様でアンタたちのシタいことを何度でも何度でも犯らせてあげるわよぉん♥」
 フラウディアはさらにセクシーな様相でそう言うと男たちはさらに興奮し、とうとう卒倒するものまで続出、 そして、フラウディアの指先1つでゲーム開始、命令はもちろんガレア軍の兵隊の捕縛…… だが、フラウディアのその誘惑にそそのかされ、ガレアの男たちは同士討ちを開始したり、 自らの手を拘束するなどと、とてもカオスな状態となっていった。 無論、女性陣は多勢に無勢、そもそも、あのアールがフラウディアの虜であるため、 彼の前では誰しもがどうにもならない状態であるが――
 そう、ガレア軍は本土軍の策略に対して成す術もなく、そのまま降伏することとなったのである――
「ああそうそう、このままだとアタシの美貌に傷がついちゃうから、 お前たちヘンタイ共のためにもちゃんと訂正してあげるわよぉん♪  ウフフッ、ねぇ、ほぉらぁ、アタシのこのカラダ、 この世で最も美しくて麗しくて最高にセクシーで魅惑のパーフェクト・ボディでしょぉん♥  そぉよぉん♪ このアタシが男なんて、タチの悪い冗談よねぇん♥ うっふぅん♥  そうよぉん♪ アタシはこの通り、正真正銘のオ・ン・ナ♥ アタシはお前たち下僕のための女神様よぉん♥  さぁ下僕共、お前たちはこの美しく麗しい癒しの女神様であるこの私を未来永劫崇め続けるのよぉん♪ うっふぅん♥」
 それに対し、男たちは声をそろえて「この世で最も美しくて麗しくて最高にセクシーで魅惑のパーフェクト・ボディ女神フラウディア様!」と叫んでいた……。
 そんなフラウディアの能力に、マジェーラたち他のベイダ・シスターズは少々驚いていた。
「団長ったら、まーた”能力”を高めたのね、ウフフっ、仕事がしやすくなるわ――」
 マジェーラは不敵な笑みを浮かべながら頷いたが、その一方で、エリューネルはなんだか暗い表情を浮かべていた。 そしてチュリンカは依然としてにっこりとした面持ちで様子を眺め続けていた。