そのうち休暇がやってきた、待ちに待ったおしゃれをしてお出かけをする時間である。
その時は例のエロい服装を着用せず、自分の好きなおしゃれ服を着てお出かけをするのが日課なのである。
その時のフラウディアはルシルメア散策を計画していた、以前はエロい服を着て出歩くことになったが、
今回は以前ネストレールにダメ出しを食らったワンピース姿で楽しい気分で出かけることにしたのである。
「お嬢さん、可愛いね! 特別に半額にしておくよ♪」
フラウディアはクレープ屋さんでクレープを頼んだが、サービスしてもらえてさらに上機嫌だった。
しかし、その時に思った、可愛いからサービスしてくれるという心理、まさしく、次に待ち受けている指令に使えそうなテクだった。
でも、そう簡単に行くものなのだろうか、それを考えると、結局――
そう、フラウディアに与えられた指令はまさに色で落とすという作戦である。
内容的にはなかなか無茶苦茶な作戦だが、”特定エリート女人プロジェクト”の成績最優秀者と言われる自分だからこそ、
与えられた任務だと思うようにしている。でも、どうやって?
一国のトップに立つ存在をそんなに簡単に落とす方法があるものだろうか、それこそ危険が伴うことである。
だが、この世界ではラミア族のような色で落とす種族がいるということもあって、
フラウディア自身もそれを目的にこれまで育てられたのである。
だがしかし、肝心のそのすべは未修得、それどころか、あのエロい服装を与えられるまではまったく話題にすら触れられていなかった、
プロジェクトのカリキュラム上では。
こんな時にまで仕事のこと、特に、嫌なことを考えているなんてどうかしている、
フラウディアはそう思ったが、やはり自分の存在意義がそこにあるため、切っても切り離せない問題だと思って諦めるしかないだろうか。
だけど、それでも色で落とせるというか、誰しもが羨むような綺麗な女の人になって羨望の的になってみたいという願望はフラウディアにもあった、
そういう意味では、フラウディア的にはナシでもなかった。
そう考えてみると、クレープを半額にしてもらえたことはフラウディアはうれしかったのである。
しかし、与えられた仕事はクレープ程度では済まされない。
すると、今度はフラウディアのほうが見とれてしまいそうな存在が目の前に現れた、
それは、ブティックの店員さんであった。
「あら、いらっしゃいませ、ごゆっくりと御覧になってくださいね!」
その人は、いい感じの大人の女性という立ち姿で、半袖のシャツの上にカーディガンと、長いスカートに身を包んでいた。
そして何より、その立ち振る舞いはまさに奥ゆかしい女性そのもので、顔もかなりの美人顔だった。
しかもなんと、そこにはその女性のみならず、奥のほうにも2人ほど、
これまた美しいたたずまいの女性がお店を切り盛りしているようだった。
フラウディアは照れた様子で服を物色しながら3人の女性の様子を見ていた。
だが、しばらく物色を続けていると、そのうちの1人がフラウディアに接近してきた。
「素敵な恰好をされていますね。そういうものがお好みですか?」
そう言われたフラウディアはドキっとしていた、
どうしよう……迷ったフラウディアは、なんとか返事をした。
「えっ、ええ、まあ……。なんかいい服がないかなあと思って――」
すると、女性はにっこりとしながら話した。
「そうなんですね! やっぱり、そのほうが女の子らしいですもんね!」
しかし、フラウディアは――その女性に見とれていた。
何というか、その女性の雰囲気に呑まれていたというか、そう言う感じである。
彼女から出ているもの、それこそが俗に言う”美女のオーラ”というものである。
見た目もよく、とてもいい香りを放つこの女性――これこそが次の任務のカギになるかもしれない――
「どうしますかねえ――」
女性はフラウディアの様子を気にせず、フラウディアのためにいろいろと服を物色していた。
すると、女性は何かを閃いた。
「あっ、そうだ! そういえばアレがありました!」
アレとは? フラウディアは我に返りつつ、そう思った。
すると、彼女はその場を去っていった。
気になったフラウディアはその後を追うと、彼女はとある服を手に取ってフラウディアに見せた。
「これこれ、これです♪ これ、可愛いでしょ♪」
彼女はとてもノリノリだった。
それは、フラウディアが考えてもいなかった短めのミニスカートのコーデだった。
彼女は自分のみのあてがいながらそう言うと、フラウディアもそのコーデに興味がわいてきた。
着てみたい――フラウディアはそう言うと、彼女は優しく楽しそうに言った。
「どうぞどうぞ、こちらにどうぞ♪」
フラウディアは試着室に促されると、さっそく着替えた。
トップスは半そでのシャツに可愛らしいカーディガンである。
「サイズはぴったりですか?」
女性がそう聞くと、フラウディアはカーテンを開けた、すると、フラウディアを見た彼女のリアクションは――
「やだ! お客様、足綺麗! 全然、もっと、短くてもいいんじゃないですか!?」
えっ、そんな――フラウディアは照れていた。
「いいじゃないですか♪ もっと短いのを履いちゃいましょう!」
そんな――フラウディアはさらに照れていた。
そして、フラウディアは女性に言われるがままに渡されたスカートを試すと――
「ほら! スッゴク可愛い! 絶対にモテそう!」
えっ、そうかな――先ほどのスカートよりもさらに短い丈のスカートを履いた女の子はさらにモジモジしながら照れていた。
「うふふっ、ごめんなさいね、勝手に。でも、とてもお似合いですよ♪ それで、どうされます?」
そんなに似合うと言われて、それで可愛いだなんていうのなら――
それに、勧められた服装は、フラウディアも結構気に入っていた。
任務でエロい服装を着させられ、それももちろんミニスカート、あれはトップスも露出がきついが、
それでもこの程度の短さのスカートを普段着ているのも悪くはないなとフラウディアは思った。
そして、フラウディアは即決した。
「その服でよろしいのですね?」
「はい! この服装、なんだか気にいっちゃいました♪」
「あら! それはよかったです♪」
その日のフラウディアは上機嫌で過ごしていた。
でも確かに、あの女性が言うように、モテそうというか、男に人気がありそうなのは確かだった。
行く人行く人、男性の視線が釘付けな道のりだったことはフラウディアとしてもちょっと嬉しいエピソードだった。
確かに、足のほうに視線が集中していたような! 女の子ってすっごい楽しい!
フラウディアはその日、とにかく嬉しすぎて夜も眠れなかった。