エンドレス・ロード ~ティル・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド~

悠かなる旅路・精霊の舞 第5部 女神の輪舞曲 第8章 魔女の戯曲

第134節 魔女の野望

 リファリウスは叫んだ。
「そんな!? プリシラさんどうして!?」
 そんなリファリウスの視線は長い美脚を組んでいる彼女のセクシーな太腿、 つまり、彼女のスカートに支配されていた……
 するとプリシラは色っぽく答えた。
「うふふ♪ さぁっすがリファ様♪ いい質問ね♪  そんなリファ様にはトクベツに教えてア・ゲ・ル♥」
 な、なんと! 彼女の豊満なバストが揺れ……リファリウスは彼女は豊満なバストに支配されている!
「ガリアス様はこのエンブリアの世を――自身の”ネームレス”としての力で支配し、統一するのが目的なのよ。 そんな理想の高いガリアス様に心酔しちゃってね、だから私も試したくなっちゃったのよ――この力をね♥」
 さらに彼女はそう言うと、長い美脚を逆に組みなおした……やはりこの女は魔女か、 男心を支配せんとばかりにわざとやっているようだ。 それによりリファリウスは再び彼女のスカートから映えているセクシーな太腿の方に視線を向け、 鼻の下を伸ばしながら嬉しそうにしていた――リファリウスは再び彼女のスカートに支配されている……
 そしてプリシラは甘い香りを放った――
「誘惑魔法!」
 フェリオースは驚いていた。 しかし、その香りで舞い上がっているのはシャディアスただ一人だった。
「はあああああっ! プリシラ様ぁっ、プリシラ様ぁ! もっと、もっと、もっとくださいー!」
「まったく、この程度の香りで引っかかるオバカサンが1人いるなんてね。 でも、そんなのどうだっていいわ。うふふっ、それじゃあ早速始めようかしら?  私の可愛い下僕たち、何も知らずにノコノコとやってきた哀れなオバカサンたちを今すぐ始末なさい。 さあ、私と一緒に踊りましょ♥」
 次第にプリシラの色香が濃くなってゆく……!
「はい! すべては麗しき女神プリシラ様の意のままに!」
 周囲の兵隊たちが殺意むき出しのままに襲い掛かってきた!  そうか、呼び出されたエダルニウスの兵士たちはこの魔女の下僕―― だが、リファリウスは周囲の状況をまったく受け付けている様子がなく、 彼の意識はずっとプリシラのスカートに支配されている……。

「さあ、私と一緒に踊りましょ♥ うっふぅん♥」
 プリシラは妖艶な姿と動作で男を操り、その場にいるすべてのエダルニウスの兵士を差し向けた。
「くそっ! 何がどうなっているんだ!」
 ティレックスが格闘していると、後ろからいきなり突き飛ばされた!
「ぐはっ! 痛っ……」
 イールアーズが……突き飛ばしたのは彼のようである。
「おっ、おい! 何のつもりだ!」
 ティレックスはそう叫ぶと――イールアーズの様子がおかしい。
「ウフフッ、もっともっと踊りなさいな♥」
 と、プリシラは楽しそうに妖しい踊りを繰り出すと、イールアーズはデレデレとしていた。
「ウヘヘヘヘヘヘ! 俺はプリシラ様と踊りあかすぜぇ!  さあ貴様らも踊れ! 女神プリシラ様と踊るんだよ! グヘヘヘヘヘ!」
 なんだこいつ! どうなっているんだ! ティレックスは慌てふためいた。
「そのオバカサンは大事な大事な妹を失ってカラッポだったから、 このアタシで埋めて幸せにしてあげただけよん♪ ねぇ、オ・バ・カ・サ・ン♥」
「そうとも! 俺は女神プリシラ様の従順なるオバカサンだぜぇ!  女神プリシラ様のおかげで俺は最高の気分だぜぇ!  もうどうとでもなりやがれぇ! グヘヘヘヘヘヘ!」
 イールアーズは完全に壊れていた、誘惑魔法による何某以前にこいつ自身の精神構造の問題か……。 こいつ、妹を失ってダメになってしまったのかもしれない――
「くそっ! こうなったら!」
 ティレックスは立ち向かった。しかしそこへ――
「ぐはぁっ!」
 リファリウスの会心の一撃! イールアーズにクリーンヒット! イールアーズは気を失ってしまった。
「プリシラさん、こんな、こんなこと――」
 リファリウスはプリシラに向かって剣を構えていた。 だが、彼は依然としてプリシラのスカートに支配されている……。

 エダルニウスの兵士たちはそのあと断続的にやってくるが、一度に来るという感じではない。 しかしそのうち一定の実力を持った兵士のみが残り、事態は膠着していった。
「ウフフッ、なんだか気分がノッてきちゃった♪ どーせだからもっと楽しいことしたいわねぇん♥  ほらほらぁ♪ あんたたちどぉしたのかしらぁん? 私ともっともっと楽しく踊りましょうよ♥ うっふぅん♥」
 プリシラは依然として妖艶な姿と動作で男を悩殺していた。 そしてプリシラ自らリファリウスに襲い掛かってきた。
 その様相、まさに女豹のごとき様相で自らの身体をリファリウスに密着させていた。
「お願いリファ様……私のことを……一緒に楽しいことをしませんか♥」
 並みの男だったらたまらないであろうその様相、 剣こそ携えてはいるがあからさまなほど妖艶かつ誘惑魔法による色気たっぷりでの襲撃、 しかしリファリウスには流石に効かなかったのか、普通の剣で普通に攻撃を受け止めていた。 さっき彼女に見惚れていたのは何だったのだろうかという感じである。
「プリシラさん、いったいどうして――」
 リファリウスは訊いた。
「言ったでしょう? この力を試したくなったのですわ♥  リファリウス様ならきっと理解していただけるかと思ったのですが――」
 リファリウスとプリシラの問答が続く。
「そんなこと! 第一、キミはそんなことをするような人じゃあ――」
「そんなことをするような人じゃあないハズ――ふふっ、リファリウス様も甘いですわ♥  もちろん、そんな大それたことをするなんて危険な行為――そう思って我慢することにしたわ。 だけど私はプリズム族で”ネームレス”の魔女……できるのならいつでもやるつもりだったわ。 そのために自分の国を常日頃からこの美貌で支配し、世界のモデルケースと呼ぶべきあの国を築き上げてきたのよ?」
「違う! あれは――あの国は支配というものじゃあなかったハズ!  キミが好きなようにやりたくてお城のお姫様というのをやってみたい、 女神様と呼ばれてちやほやされてみたい、ただそれだけのことだったハズだ!」
「うふふっ、その通りよ、私は女――女神様と呼ばれてちやほやされてみたいのは当たり前に決まっているでしょ。 言ってしまえばあれは余興――我慢し続けるためには必要なことよ。 でも――そんな時にガリアス様が現れ、私の野望を叶えてもいいんだってことを教えてもらったのよ。 そう――私はこの力で、私のこの美貌で世界を支配してあげるの♪  ガリアス様の支配する新生エダルニウス帝国を基礎に、私の美貌でこの世界のすべてを包み込むのよ。 そしたら――世界中の男たちみんながこの私を女神様として崇め、そしてちやほやしてくれるようになるのよ♪  あんたたちにもちやほやさせてあげてもよくってよぉん♪ もちろん――リファ様だけはト・ク・ベ・ツ♥」
 再び彼女の豊満なバストに支配されるリファリウス――
「うふふっ、とっても素敵な世界でしょう♪」
「そんなことをしたらダメだ! プリシラさん! 考え直すんだ!」
「ウフフッ、今更何を考え直すのよ?  それにプリシェリアは今やあんな状態――ここに乗り換えるにはちょうどよかったわね。 フフッ、それにしても私ったら意外と運がいいわねぇ!  一時期はリファリウス様が私の下僕として尽くし、そして今度はガリアス様が私のために新たな世界を作ってくださる―― 私ったらなんて恵まれているのかしら! 羨ましいでしょう? ほーら♥」
 と、プリシラは片膝を立ててリファリウスの下半身を刺激―― 今度はその綺麗なおみ足に支配されるリファリウス――
「そして私は今やガリアス様の仲間――こんなチャンス、この私が逃すわけないでしょう? ウフフッ――」
「そんなことキミにさせるものか!」
「いいえ、私はもう決めたのよ――私はこの世界の女神にして美の化身♪  そしてすべての人間はこの私の虜として生まれ変わり、私の美しさを前に跪くのよ。 そんなこともわからないオバカサンたちには”おしおき”が必要ねえ――」
 これは――
「さあ跪きなさぁい♪ 女神様のお通りよぉん♥」