「うぅっ、ホント、これって超サイアクだわ――」
一方のリリアリスたち、彼女はとてもイラつきながら気が付いた。
「ホント、サイアクっていうか、超ムカツクんですけど。
前もこんな感じだったっけ? 今までに比べるとすごい最悪な感じなんだけど――」
フィリスもイラつきながらそう言うと、リリアリスは答えた。
「言われてみれば、確かに今まで以上にムカつくわね。
それこそ、回数重ねるごとにだんだん強くなっていく気がする。
次起きたら私暴れるかもしれないわね――」
「戦っている時だったら役に立つかもしんないね」
「だったら、敵も戦いどころじゃないでしょ多分。」
「言えてる」
2人は軽い冗談を飛ばしつつ、リリアリスはカスミを起こしていた。
だが、ディアナとクラフォードの2人はその場にいなかった。
すると、2人は外から戻ってきた。
「よく見えないんですが、多分、次の島が消えたのでしょうね――」
「島どころか、あの艦隊の姿も消えているぞ、ほとんどが転覆しているというか、海の藻屑になっている感じだ。
島の消滅に巻き込まれてしまったのか、もしくは、消滅の折に巻き起こる大嵐だか、
大渦だかに巻き込まれて全滅しちまったか、そんなところだろうな――」
ディアナとクラフォードはそれぞれ落ち込んだようにそう言うと、リリアリスは頷いた。
「なんというか、遠くから大勢の悲鳴みたいなものが聞こえた気がする。
順番通りなら次に消えたのはセラフィック・ランドの9番目の都市の島、ニテント島のハズね――」
そして、リリアリスはそのまま艦橋の窓から南西の海のほうを眺めると、
「うっそ!? ちょっとちょっと、展開早すぎない!?」
とても驚いていた。どうしたのだろうか、
他の5人も慌てて窓を眺め――カスミはリリアリスに抱えられながら眺めると、そこにはとんでもない光景が!
「ちょ、マジか! 今回は魔物の襲来早すぎないか!?」
という緊急事態である、無数の艦隊がいなくなったと思えば、
今度は無数の魔物が、これまでに比べても早いタイミングでクラウディアスに迫っていた。
「私らが確認しに行ったときよりも確実に近くにいますね、ということは――」
ディアナは考えながら言った。
「これはちょっと想定外の出来事だわ、そうね――」
リリアリスはそう言いながら少し考えると、”兵器”を取り出した。
「おい、何をする気だ!?」
クラフォードは驚きながら訊いた、すると、
「戦艦なんだから、何かしらの兵器を積んでいるハズ、それを利用するのよ。」
そう言いながら艦橋の壁を持っている”兵器”で斬り飛ばし、穴をあけた。
そして、そこからおもむろに――
「なあ、武器だったら、ミサイル積んでただろ? ここからならそれで撃てるんじゃないか?」
クラフォードはそう言うが、リリアリスは首を横に振っていた。
「多分、この程度の兵器であの魔物を倒すのは経験上、無理ね。
しかも次に発射するまでのタイムラグが大きすぎて得策じゃないと思うわ。
だからやるんだったらもっとピンポイントで狙えてかつ、もっと強力な武器が必要よ。」
リリアリスはそう言いながら艦橋から身を乗り出していた、
強風が――彼女の自慢の長い髪をはためかせていた、
これでこんなこと考えない人だったら素直に男受けするような素敵な美女なのだが。
「待って! 行くんだったら私も請け合うよ」
「私も。斬るのは得意」
フィリスとカスミがそう言うと、リリアリスは頷いた、
男受けはせず、むしろ女性陣から絶大な支持を受ける素敵なお転婆ファイターの鑑というのがリリアリスなのである。
「どうやら武器の格納庫にはアリたちがいるみたいね、都合がいいわ。
でも、場所を間違えたら大変だから、そこは慎重に行かないとダメね――」
そう言いながら、リリアリスは目を瞑りながら狙いを定めていた。
「よし、見えた。とりあえず、あの区画を狙っていくわよ!」
リリアリスがその場所を示すと、2人は頷いた。
「マジで、こんな高いところから建物の一角を正確にくり抜いて、目的の場所に直に行くって言うっていうのか!?」
クラフォードにはもはや理解不能な3人だった。
すると、クラフォードの意思に反し、3人は目的の場所めがけて大空へダイブ、特定のポイントめがけて落下すると、
確かに、その場所を的確に切り裂きつつ、恐らく着地した……のだと思われる、
クラフォードとディアナのいる場所からは確認できなかった。
残された2人は――
「とりあえず、私たちはイールを回収しながらあそこに向かいましょう!」
ディアナはそう言うと、クラフォードは前向きに答えた。
「よかった、これに関してはあんたは普通の思考回路の持ち主で。
言っても今回は敵の到着も早い、急ぐぞ!」
2人もその場所に向かってすぐさま移動を開始した。
そして、3人が降り立った先はというと――
「なっ、なんだ!? 今度は何が!?」
スレアは驚きながらそう言うと、抜けた天井の中から3人が現れた。
「り、リリアさん!?」
アリエーラは驚き気味にそう訊くと、リリアリスは――
「悪いけど話は後! 今回は超ヤバイよ!」
リリアリスはその場にいた6人にすぐさま状況を知らせた、
6人はとても驚き、ティレックスもさっきまでの状況を気にしている場合ではなくなったことについては想像に難くない。