格納庫内において、何人かはその場で立ち崩れていた。
だがしかし、そんな状況とは打って変わり、
アリエーラとフロレンティーナの”兵器”とも呼ばれる得物がそれぞれガルフォードの胸を貫いていた。
「お前たちの動き――見えなかっタ……お前たちこそ……本物のバケモノ……デ……ハ……」
ガルフォードの身体はその場で崩れ去ろうとしていた。
「本当にあの2人、どうなっているんだ――
リリアリスにリファリウス、それからフィリスとヒュウガもそうだが、もはや訳が分からん――」
スレアは片膝を立てながらなんとか立ち上がろうとしていた。
「だが……たとえこの……私を破ろう……と……クラウディアス……滅ぶこと……に……」
ガルフォードはそう言いながらその場で朽ち果てていった――。
「クラウディアスが滅ぶって? どういうこと?」
フロレンティーナはそう言うと、アリエーラが言った。
「滅ぶのはクラウディアスではありません、この感じ――」
アリエーラは両二の腕をさすりながらそう言った、とても嫌な予感がする――
「……来る!」
艦橋から南西の海を眺めていたリリアリス、いよいよ口を開けた。
「来るって、まさか!」
ディアナは焦りながらそう言うと、その南西の海には多数の船影が!
「マジか! これが、ヴィザント軍の、ディスタード本土軍の最後の切り札だというのか!」
クラフォードはその様に対して驚きつつ、そう叫んだ!
「こうなったら――とにかく、何があってもやるしかありませんね、命の限り、私は戦うだけです!」
ディアナは剣を取り出しながらそう言うと、クラフォードは訊いた。
「でも、戦うのはいいが、相手は無数の艦隊だぞ、どうやって相手するんだ!? いくら何でも無謀だぞ!?」
しかし、そんな中でもリリアリスは南西の海をじっと眺めていた。
「ちょっと、どうしたのよ!?」
フィリスはリリアリスの異様な光景に不穏な空気を感じ、焦りながら話しかけた。
すると、今度はカスミが自分の刀を片付けつつ、リリアリスの隣に近づきながら言った。
「あいつらみんな死ぬ、用意周到、でも、タイミング悪かった」
えっ、それはどういうこと――そう思ったフィリスは――急に目の前の光景がフラッシュバックし――
リリアリスらは慌ててフィールド・システムの管理部屋へとやってきた。
「あっ、リリアさん、見てください!」
部屋に入るとアリエーラが画面に指さしながら言った、そこには――
「トライス近海? この船は――」
するとリリアリス、その場から歩き出そうとすると、どういうわけか、その場でいきなり倒れこんでしまった。
そしてさらに――
「リリアさん! 大丈――夫で――」
アリエーラは慌てて駆け寄ったが、なんと、彼女までもが急にその場で崩れてしまった――
「おっ、おい! どうしたんだ2人とも! 大丈夫か!」
クラフォードは2人のその様を見ながら慌てていた。
それに対してリリアリスは何とか立ち上がりながら言った。
「ごめん、なんでもないわよ、多分、疲れが出始めているのかしらね――」
そう言いながらリリアリスはアリエーラの元へと歩み寄り、手を差し伸べた。
アリエーラもリリアリスの手をつかみながらなんとか立ち上がった。
「すみません、私もちょっと疲れているのかもしれません。
でも、とりあえずは大丈夫です――」
その後、お互いになんとかその場を取り繕っていた。
「本当に大丈夫かよ、どうしたんだ、本当に――」
クラフォードは心配そうに2人を見つめていた。
リリアリスはフローナスから受け取ったフローナス製のロケットミサイルと、
無国籍小隊による改造部分の設計図を照らし合わせながら確認していた、すると――
「どう? 何かわかった? 私、兵器についてはてんでさっぱりだから、見ていてもちんぷんかんぷんなんだけど――
でもぱっと見、流石にフローナスの設計図は開発元だからなのか、無国籍小隊のものに比べてかなり詳細に書いてあるわね――」
フロレンティーナがそう言うが、リリアリスからは返答がなかった。
「ねえ、リリア――」
フロレンティーナは再び訊ねると、リリアリスはなんだかムキになっているような感じで返答した。
「なによ!」
それに対し、フロレンティーナは酷く驚いた。するとリリアリスは慌てて答えた。
「あっ、ごめん! ちょっと集中しすぎちゃってて、今のはどう考えてもないよね――」
フロレンティーナは優しく言った。
「ううん、みんな疲れているのよ。だってリリアったら、昨日倒れたっていうじゃない。
私もそう、今朝起きてもなんかさっぱりしたような感じがしないのよ、多分疲れがたまっているんだわ。
だからリリアも、無理はしないようにね――」
それに対し、リリアリスは少し照れたような様子で答えた。
「ありがとうフローラ。確かに、最近の私ってばどうかしているわね、気を付けるようにするよ。」
でも、本当に大丈夫なのだろうか、その場に居合わせたティレックスと、
昨日彼女が倒れた現場を目撃しているクラフォードは心配そうに見ていた。