と、その時、クラウディアス側からいきなり光の散弾が!
「なっ、なんだ!?」
偉そうなやつは困惑していると、はっと気づかされた。
「そうか、クラウディアスからの攻撃ということだな!
いいだろう、ならば望み通りにしてやろう!」
すると、そいつは部下に合図すると、そいつは死刑台を――
「ふふっ、無駄よ、それはすでに手を打ってある。」
リリアリスは改めて得意げな態度で言うと、
スレアの足元にはなんと、光の散弾によって足場ができていた!
「なんだと!?」
リリアリスは説明した。
「足場を外して首をつるすタイプのシンプルな死刑台で助かったわね、
だったら足場を予め作ってあげればいいだけだからね。
本当は海の上を進めない幻獣のために考えたものなんだけれども、
まさかこんな時に使えるとはね――」
さらにリリアリスは剣を取り出すと、そこから巧みに風の刃を飛ばし、
スレアを縛っている縄とさるぐつわを次々と切り裂いた!
「スレア、大丈夫?」
リリアリスがそういうと偉いやつは――
「やはり、流石はクラウディアスと言ったところか。
それに、あえてあのエステリトスを助けないところを見るに、
我らでもあれ以上はどうにもならぬことまで流石によく把握しているようだ、
この程度の脅しには屈せぬということか。
いいだろう、ここまでは褒めてやるが――しかし、お前たちは我々を甘く見すぎている。
そうとも、残念ながら我々の状況優位であることには変わりはしないのだよ?」
どういうこと? クラウディアス側は困惑していた。
クラウディアス側は敵の態度に困惑していた、まだ何かがあるとでもいうのか!?
すると――
「あーぁ、このままちゃんとうまくいくかと思ったのに、私がやらなければ全然ダメね――」
と、フラウディアはため息をつきながら言った。その様子にリリアリスが反応した。
「フラウディア?」
するとその時、フラウディアは何とこれまで来ていた衣服を脱ぎ捨て、
いつぞやの18禁なピンクのセーラー服姿へと変貌した!
「えっ!? フラウディア!?」
その様に、ユーシェリアのみならず、クラウディアス側は全員驚いていた。
そしてフラウディアはそのままスレアの前に立ち――
「ほぉらぁ、ス・レ・アぁ♥ アタシの声が聞こえるかしらぁん♥」
艶めかしくも色っぽい仕草でスレアを誘惑した!
さらに傍らに置いてあったスレアの剣を抜くと、それをスレアに持たせ――
「ねぇスレア♥ ウフフフフフ――」
フラウディアが耳元で囁くと、スレアは自分の首元に剣の刃先を当てた。
「まったく、クラウディアスってば揃いも揃ってお人好しばかりで――簡単だったわ。
ねえネルザール、そう思わないかしら?」
フラウディアは偉そうな奴に対してそう言うと、ネルザールはフラウディアに対して跪きながら言った。
「はっ、夢魔妖女フラウディア様!
クラウディアス勢を欺き、そして我々をこの場に導いてくださった手腕!
その見事なお手前に感服いたしましたぞ!」
なんだって!? クラウディアス勢は再び驚いていた。
フラウディアは色っぽい仕草をしながら邪悪な高笑いをあげていた。
「ウフフフフっ、さあ、これでもやるのかしらぁん?
今のスレアちゃんはアタシの吐息一つで自分の首を簡単に切り落としてくれるそうよぉん?
ねぇん、スレアちゃん♥」
「はい、フラウディア様……」
スレアは虚ろな目をして答えていた……そんな! どうして!?
「どうして! どうしてなの!? フラウディア! 今までの私たちの友情ってウソだったの!?」
ユーシェリアは涙ながらに訴えていた。
「あーら♪ ユーシェリアってば、別にウソなんじゃあないわよぉん?
だってぇー、別にアンタがこっちにくればいいだけの話でしょぉん?
来てくれた暁には……このアタシの一番の手下にしてあげるわよぉん? ウフフッ――」
そんなこと――できるわけがない! ユーシェリアはショックを受け、その場で泣き崩れていた。
「フラウディア! どうしたのよ!
あなた、あれだけ本土軍を立ち入らせない、
美しいクラウディアスを守るんだって意気込んでいたのに、あれはウソだったの!?
だいたい、あなたは――」
リリアリスは強くそう訴えるとフラウディアは答えた。
「うふふっ、お姉様ったら、そもそもアンタが一番お人好しなのよ。
美しいクラウディアスを守る? ええ、ここはとってもいい国よ、アタシもとっても大好きよ。
だから、すべてはこのアタシの美貌で支配するため――
ずっとずっとこの日のために大人しくしていたってワケなのよぉん?
それに――アタシのこのカラダだって、とってもいい女のカラダにしてくれたじゃなぁい?
おかげでベイダ・ゲナ様には近づけなくなってしまったけれども、
代わりにアタシがクラウディアスの女帝として君臨して世界を征服するのも面白そうじゃなぁい?
いつぞやのリオなんとかっていう国よりはたぁっぷりと面白いことができそうだしぃ?」
そんなこと! クラウディアス勢はがっかりしていた。
「そぉれぇにぃ? フフッ、奇しくもあの時アタシのカラダでたぁっぷりと楽しんだヘンタイオヤジもスタイアルちゃんだったわよねぇ♪
親も親ならその子も多分相当のヘンタイなのよねぇん♪」
なっ、なんて女! そうか、この女……スレアの父親までをも誘惑し、そして行為に及んだというのか――
「フフッ、さあ……この男はどんなイイコトをしてくれるのかしらぁん♪
ほぉらぁ……早速アタシのこの”ドリーム・ワールド”の住人になりたいんでしょぉん?
それとも……アタシの大きな胸を触ってみたいとかぁ?
うふふっ、後でどんなヘンタイっぷりを見せつけてくれるのかしらぁん?
楽しみだわぁ……ウフフフフフフ――アハハハハハ! アハハハハハハ!」
そして、その子供までをも――なんて穢れた女なんだろうか……
すると、フラウディアは続けざまに言った。
「そうそう、抜け目のないお姉様のことだから先に言っとく必要があるわねぇ。
こいつの命が惜しかったら大人しくクラウディアスを守るシステムのスイッチをさっさと切りなさいな。
この邪魔っけな光――鬱陶しくて仕方がないわ。さあほら! 早く、さっさと切りなさいな!」
そう言われると――リリアリスは素直に従い、”クラウディアス・フィールド・システム”のスイッチを――
「そうそう、それでいいのよお姉様♪
やっぱりお姉様は人がいいわねぇ、アタシ、やっぱりお姉様がだーい好きよぉん♪」
さらにフラウディアは邪悪な笑顔で言った。
「ウフフフフフ――さぁて、もうそろそろ始まるころねぇん♪」
始まるって何が!? ラシルはそう訊くとフラウディアは答えた。
「ふふっ、フローラお姉様による素敵な世界の創造に決まっているでしょぉん♪」
まさか……フロレンティーナも!?
「た・し・か♪
グラエスタ勢というのはディスタード軍についての説明もほどほどに途中で返してしまったんじゃなかったかしらぁん?
ふふっ、面白いことになりそうね――ウフフフフフフ――アハハハハハ!」
グラエスタが危ない!
そのグラエスタにて――
「そろそろ頃合いね、ウフフフフフ――」
フロレンティーナは邪悪な笑顔で本性を現し、その場に佇んでいた。
その姿、まさにおぞましく艶やかな装いの妖獣ラミアの姿であり、周囲の貴族たちを圧倒させていた!
「あっ、あれはまさか、妖獣ラミアでは!?」
さらに――
「いや、違う! これは例の生物兵器”ラミアン・ナーガ”だ!」
貴族たちはその女がディスタード本土軍の刺客だということを悟るとパニックとなっていた!
「うふふっ、あんたたち、この私がイイコトをしてア・ゲ・ル♥」
すると、貴族たちは一様に全員グラエスタの北のほうまで一目散に逃げだしていった!
「クラウディアスもこれまでか――フン!」
レンドワールは捨て台詞を吐きながらグラエスタの浜まで逃げて行った。
「あらあらあら、ずくがないのねぇ、貴族っていうのも♪
でも――逃がさないわよぉん♪ ウフフフフフフ――」
フロレンティーナは邪悪な笑顔で貴族たちを追いかけて行った、しかし――
「あーらまぁ、本当に逃げちゃうのねぇ、残念だわぁ――」
貴族たちはグラエスタの浜に置いてあった貴族用のボートを使い、
クラウディアスから次々と逃げ出していった。彼らはしばらくクラウディアスに戻ることはないだろう。
「ウフフフフ、これでクラウディアスは私たちのものねぇん♪」
フロレンティーナは妖獣の姿から元に戻ると、不敵な笑みを浮かべてそう言い放った。