エンドレス・ロード ~ティル・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド~

紡がれし軌跡 第3部 対決!ディスタード 第4章 夢と希望と現実と絶望と

第63節 素敵なおねーさんのヒミツ

 だが、質問の内容と言えば当然――
「私のスリーサイズ、この素敵なおねーさんをよくご覧なさいな。 次は私のバストサイズ、この素敵なおねーさんをよくご覧なさいな。 次は私の年齢、この素敵なおねーさんをよくご覧なさいな。 まったくもう、何度もこんなこと聞いてくるのね、そんなにおねーさんのことが気になるんだ?」
 と、とにかくセクハラまがいの質問が飛んでくるわけだが、 彼女はうまい具合に返すと、やっぱり会場を沸かせていた。 そして、もはや風物詩とも言えるお馴染みのセクハラ系質問も多数取り揃える中……
「これはいずれも女の子からの質問かしら?」
 おねーさんがいつもと違う姿をしているから来る質問があり、彼女は回答していた。
「おねーさんの今日のファッションのポイントはずばりスリットスカートよ。 見ての通り、フロントに結構大胆なスリットが入っているけれども――」
 確かに、中が丸見えになるんじゃないかと心配なぐらいスリットが入っているのだが――
 すると、彼女はあろうことか、さらに大胆にも、スリットからスカートをめくった!  それには一同が驚いたのだが――
「とまあ見ての通り、仕掛けはこんな感じよ。」
 中にはちゃんとインナーパンツが装備されていた、人騒がせな。 しかし、パンツから飛び出ている2本の細くて長い脚には驚かされた一同、 それにはさすがに男性陣はビビっており、逆に女性陣は嬉しそうで、
「おねーさん素敵! 脚綺麗♪」
 と、再び黄色い歓喜の声が放たれた。それに対しておねーさんは答える。
「あら、嬉しいわね。 で、ちなみにこれもちゃんとこういう仕掛けになっているワケというのがあるのよ、 特に女性陣は注目ね。」
 女性陣は特に真剣に話を訊こうとしていた。
「質問の中にも私がなぜスカートばかり履いているのか、パンツは履かないのですかって質問があるようだけれど、 私さ、こう見えても股下が身長の半分以上という妖怪足長な構造をしているのよね。」
 は!? それについては初耳の人が多く、またしても驚くことに、身体の半分以上が脚の長さだって!?
「別にコンプレックスってほどじゃあないんだけどさ、それでもちょっと気になるのよね。 だから足の長さを誤魔化せるスカートでなんとかカバーしてるんだけどさ、 でも、ファイターとしてはスカート丈が長すぎると邪魔になるでしょ?」
 確かにそうかもしれない。だが、おねーさんはいつもやや長めのスカートを履いている、邪魔にならないのだろうか?
「そこで、大体の女ファイターは動きやすさ重視でパンツかミニスカートかってだいたい相場が決まっているじゃない?」
 でも、おねーさんはパンツもミニスカートも妖怪足長が気になるからどちらもあまりやりたがらない。
「そういうわけで、普段はスリットの入ったフレアースカートで戦っているわけよ。 後はダンス用のスカートとか? スリット入りのマーメイドスカートみたいなやつね。」
 ということだそうだ。彼女のセクシーな御御足を望むことについては比較的容易だということである。
「しかも風魔法でコントロールしているし、服の素材も少々重たい生地を使っているから簡単にめくれ上がることもないしね。 つまりは、戦いにおいても女子をアピールしたければ、それなりに気を配る必要があるってワケね。」
 なるほど、そういうことか――ティレックスは考えた。
「で、これについては当然、男性陣にも言えることね。 確かに、生死を賭して戦っている状況なんだからそこまで気が回らないかもしれないけれども、 それでも最近でも稀なことかもしれないけれど、 自分の戦闘している姿が公開されたりすることもゼロではないわけよ。 だから――少なくとも、ちゃんとした格好とは言わないまでも、 恥ずかしくない格好をするように注意したほうがいいわね。 無論、ファイターとしては戦っている姿こそすべてなのかもしれないけどさ、 それでも、最後にその時の戦いで語られる内容はそもそものファイターとしてのあり方から問われることもあるのよ。 例えば――どこかの王国騎士だったらやっぱり王国騎士らしいちゃんとした服装であるべき……とかね。」
 そう言われて一番心に刺さったのはフラウディアとフロレンティーナであった。 いや、真に刺さるべきは、彼女らの心に刺さる原因を作った連中なわけだが。
 一方で、不安になったのがラミキュリアである。
「い、いいのかしら? そう言われたら私なんて――」
 ラミキュリアがそう言うと、ヒュウガがため息をつきながら言った。
「つうか、むしろ俺だな。 言われてみれば確かに、そんなことは気にしたことがないな。 だから少なくとも、人前に出る時ぐらいはちゃんとした恰好をしておくべきかもしんないな。 そうすればガレア軍の信頼もあがるかもしれないしな」
 いつもラフすぎる格好でだらっとした感じで従事していたヒュウガ、何故か反省していた。ティレックスは考えていた。
「そうか、そういうことか。 だからアール将軍は隊員たちにフリーな恰好を要求しているわけか。 全員が全員軍服でもいいかもしれないけれども、あそこはまさに帝国主義から逸脱した存在―― そして、ガレアはそれとは違うということを他の国にも知ら締めさせていると――」
 確かに、同じ帝国とは思えない国と言えるのはそこにも要因があるようだ。 それこそリファリウスのことだから、このあたりも深く読んでのことなのだろう。
 そして、こんな質問が。
「おねーさんもセーラー服を着てみませんか、だって。 いいわねこういうの、ちょっと着てみたい気がするわね♪」
 着なくていいよ、ヒュウガはそう思った。
「へぇ、今回はおねーさんのファッションに関する質問が多いみたいじゃないの。 まあ、女子の質問だらけで男子たちが退屈しだすから、これについては別途説明してあげるわ。 だから勘弁して頂戴ね。」
 彼女はなんだか楽しそうである。