一行はその足でルーティスへと上陸し、
ティレックスにとってはこれが二度目となるルーティスでの名物講師・リリアリスによる高等魔法剣術の講義のアシスタントだった。
一方で妖魔女子4人組は、リリアリスに用意された服装へと楽しそうに着替えようとしていた。
「ユーシィ、ティレックスに言っておかないといけないことがあるでしょ?」
リリアリスがそう促した、何だろう――ティレックスはそう思いながら聞くと、
「言わなくても解っていると思うけど見ちゃダメだからね。
それでも、どーしても私の生まれたままの姿が見たいって言うんだったら――」
とても恥ずかしそうにそう言う彼女――ティレックスは焦って逃げ出した。
そんな様を見ながらユーシェリアは可愛げに舌を出して楽しんでいた。
それに対してヒュウガは――
「流石はティレックス、一瞬で逃げ出しやがった。あん時鼻血を噴き出してすぐさま倒れただけのことはある」
意地悪そうに言った。
「その点、ヒー様は女の子の裸なんてたくさん見たことがあるからへーきよねー♪」
リリアリスも意地悪そうに言い返した。
「ねぇよ。念のために言っておくとわざわざ見たいとも思わないしな」
つまんね――リリアリスがそう言うと、ヒュウガは呆れていた。
それから数分後、メンバーからやや距離を離していたティレックスはリリアリスに呼び出された。
「なんだよ、さっきみたいのはごめんだからな」
ティレックスはもんくあり気にそう言うと、リリアリスは少々意地悪そうに言った。
「ごめんごめん、さっきのはちょっとした冗談よ、冗談。」
冗談に聞こえないから困る。それにしても、これまで気になっていたことがあったティレックス。
「あんたさ、本土軍にガレアを攻め入られていた時、ガレアにいなかったようだが今まで何をしていたんだ?」
それに対してヒュウガは「おお、鋭い質問」と、リリアリスに対して意地悪そうに言った。すると――
「何って、大したことしてないわよ別に。
いろいろとやることがあってね、具体的には後で教えてあげるからそれまで待ってなさいよ。」
と、リリアリスは答えた、後でというのは――
「それよりも、あんたのこと呼んでる人がいるから、行ってあげて。」
誰が呼んでるんだよ、ティレックスはそう聞いた。
「この学園の女子よ。あんたのファンの子かしら? なかなか隅に置けないわね、あんた!」
と、リリアリスは楽しそうに言うと、ヒュウガも追随する。
「青春だな」
なんでそうなるんだよ! ティレックスはそう激しく訴えると、リリアリスは言った。
「あははっ、まあまあいいからさ、せっかくだから行ってあげて、どうしてもってあんたを指名しているのよ」
どうして俺なんだ――ティレックスはそう言いつつ渋々行くことにした、良くはわからないが無下にはできなさそうだ。
誰が呼んでいるんだろう――ティレックスはドキドキしながら指定された場所へと向かっていた。
すると、そこには確かにツインテールのセーラー服の女子が1人、海のほうを眺めて佇んでいた。
「な、なあ、あんたが俺のことを呼んでいたって聞いたけど――」
それに対し、女子は振り向こうともせず、恥ずかしそうに答えた。
「えっ、ま、まさか、ティレックスさん、ですか……!?」
ティレックスはそんな空気に少々照れていた。
「そうだよ。ところで、この俺にどんな用?」
すると彼女は、そのまま言った。
「うっ、嘘……本当にティレックスさんなんですか……!?」
とても緊張しているようだ、隅には置けないとかよく言ったものである、
まさにそんな感じではないか……ティレックスは非常に迷っていた。
すると、その女子はいきなりティレックスのほうへと急接近!
「ななっ!?」
あまりの素早さにティレックスは圧倒された。すると、その女子は――
「ウッソー♪ ティレックス、私だよん♪」
と、小悪魔っぷり全開でとても楽しそうに言った、なんと、セーラー服の女子はユーシェリアだったのである――
「ゆ、ユーシィ!?」
彼女のその姿にティレックスはさらに圧倒されていた。
「えへへ♪ 結構あこがれていたんでよね、ルーティス学園のセーラー服♪
どぉ? 似合う……かな……?」
恥ずかしそうに聞いてくるユーシェリア、
それに対し――確かに似合ってる……ティレックスはユーシェリアのその姿に見惚れていた、可愛い、可愛すぎる……
「ねぇティレックス、聞いてる?」
ティレックスは我に返って答えた。
「ん? ああ、そういえば昔、学園のセーラー服を着てみたかったって言ってたっけ……」
そう言われてユーシェリアは可愛げな仕草をしながら答えた。
「うん。ほら、私たちってルーティス通ってたけど、それからは(アルディアス)本土に戻ったじゃん?」
「しかもユーシィはディスタードにいたからな。いずれにしても着る機会がなかったな」
すると、ユーシェリアは嬉しそうに言った。
「でも、まだ着れる機会があってよかった! 私、すっごく嬉しい!」
ユーシェリアは嬉しそうにその場でくるくると回っていた。
可愛い、可愛すぎる……ティレックスはやっぱり彼女に見惚れていた。
「うふふっ♪ ティレックスも気に入ってくれたみたいで嬉しいな♪
そうと決まったらさっそくデートしよ♪」
ユーシェリアはそう言いながらティレックスの右腕にしがみつくと、
その場を移動しようとしていた。
そんな彼女にティレックスはもはやたじたじ……何も言わず、彼女の進むままに付き合うことにした。
「こっ、こんなつもりじゃあなかったんだけど――でも、これはたまらん……」
「ん? なんか言った?」
「えっ? いや、別に……」