その悩殺堕天使様が、とあるイケメン様を連れてやってきた。
「こんにちは!」
「どうも、レヴィーアお嬢様、ご無沙汰しています」
やってきたのは、悩殺堕天使様こと賢者レナシエル様と、イケメンは賢者ディスティア様の2人だった。
「私はレヴィーアじゃあなくてリュミーアよ、多分、知らないと思うけど。まあ、似たようなもんか。」
レヴィーアはリファリウスの師であるリリアリスのプリズム族化変装形態である。
しかし、そこは流石にリリアリスとリファリウスの姉弟という関係か、レヴィーアもリュミーアもあまり区別がつかない感じでもあった。
ディスティアは間違えたことで困惑していたが、結果、気にしなくていいと言われたので、言われた通り、気にしないことにした。
「それはさておき、とりあえず、この5体の女神でエダルニア軍を苦しめるわよ。それでいいわね、プリシラ?」
「はい、これでお願いいたします!」
悩殺堕天使の異名をもつ賢者レナシエルはもともとエレイアというシェトランド人だった。
しかし、彼女の身体はとある秘密があり、そのせいで敵対する勢力に捕らわれ、
その敵対する勢力の将として加担することとなった。
結果、ディスティア達率いるシェトランドの軍勢とエレイア達率いる敵対勢力の軍勢とで争いとなった。
そもそも、彼女が”悩殺堕天使”と呼ばれるようになったのは、
結果的にシェトランド人のものとプリズム族のものとが混在した体組織となったことによるもので、
つまり、プリズム族の体質特性を得た結果、誘惑魔法の使い手となったのである。
また、敵対する勢力の将となったのは、その際のエレイアは意識を制御され、
敵対勢力のいいように操作されていたためで、
それにより、彼女は同胞であるハズのシェトランド人を罠に嵌めて同士討ちなどを行ってきた。
その時に名乗っていた彼女の名前の一つがレナシエルであり、
元のエレイアに戻った彼女は自分への戒めのためにディスティアと同じく賢者となることを選択し、
戒めのため悩殺堕天使・賢者レナシエルを名乗ることにしたという。
なお、ディスティアはエレイアの幼馴染でフィアンセでもある。
彼ももともとはディルフォードという名のシェトランド人で、かつては”万人斬り”と言われ、多くの者に恐れられていた。
エレイアが拉致され、敵勢力に加担することを知ると、
彼は絶望し、すべてを捨て、人里離れた地でいつ訪れるかもわからない死の時を求めていた。
そんな中、彼を助けたのはリファリウスと、レヴィーアことリファリウスの師であるリリアリスだった。
リュミーアをレヴィーアと勘違いしたのはこれのせいである。
一度は人生に絶望し、すべてを捨てることにしたディルフォードだったけれども、
レヴィーアに諭されて……と言えるのかどうかはともかく、
エレイアを助けるためならと一念発起、レヴィーアに師事し、新たな能力を身に着けるとともに、
万人斬りたるディルフォードの名前を捨てて賢者ディスティアとして生まれ変わったのである。
彼女を助けるためにどんなことでもしたディスティアのエピソード、
イケメン補正も加わって、まさに女性がキュンとするようなエピソードである。
話を戻すことにする。ラミキュリアはプリシラの隣に座り、その対面に賢者の2人が座った。
「誘惑魔法作戦ですか?」
ディスティアが話を切り出すと、リュミーアが言った。
「もちろん、それだけで敵をいなせるほど甘くはないわよ、一通り敵をシメてからの作戦ね。
一応、森林内はこの都を中心に妖気が充満しているから誘惑魔法の効き目もまあまあいい感じに働く妖魔の森化しているけど、
それでも、連中の上陸地点を考えるとそれなりに距離があるから、殴ったり蹴ったりぶっ飛ばしたり蹴り飛ばしたりは避けられないわね。」
蹴りを2回言うあたり、リュミーアは女神脚なだけあって蹴りにこだわりがあるのだろうか。
「まあ、誘惑魔法なんかかけんでも、
女神様直々に蹴り飛ばしたり鞭で叩き潰したりして連中を幸せにしてやるのも一興かもしんないけどね。」
ついでにドSの女王様である。