アールたちは急いで例の建物へと駆けつけていた。するとそこには――
「あれ? ラミキュリアさん? 捕まったんじゃあなかったの?」
ラミキュリアがその場に現れた。
「あ! アール将軍様! 私は無事です! 何とか無事です!」
ラミキュリアはアール将軍様を思いっきり抱きしめて言った。
「私、自分の立場というか、持ちうる力がよくわかりました――」
「そうだろう。キミにはそれだけのことができる力があるんだけど……何をしたの?」
するとアールの後ろから男の隊員たちが――
「いいよなあアール将軍……ラミキュリアさんに抱きしめられていい想いできるだなんて超ズルイっすよー」
「そうっすよ、俺らもラミキュリアさん抱きたいっすよ」
それに対してアールは得意げに答えた。
「ふん、バカだな。そう思ったらそういうことができるように努力すればいいだけのこと。
それに、そういう発言をするのは私としてはいかがなものかと思うけど――
って、えっ? 今これどういう状況?」
その光景自体は割といつもの光景なので一部の者にしてみればどうでもいいことだった。
「はぁ? こんなキレイな御御足に育ちのいいおっ●いといい尻したセクシーな美人面の女が泥の水をすすってきてるわけねーだろーがよ!」
だが、それを言った男は――
「こっ……こいつはっ……! 見れば見るほどいい身体しているじゃねえか……!」
と、急にそわそわし始めると――
「ウガアアア! もう我慢できねえ! 指揮官には悪りぃがお先にいただくことにするぜ!」
と、ラミキュリアに近寄り、そしてラミキュリアを――
「俺ももう我慢できねえ! 悪りぃのはこの女だ! この女が俺らのことをそそのかしたからいけねぇんだ!
恨むんなら自分を恨むんだな! ゲヘヘヘヘヘ!」
もう一人の男もラミキュリアに近寄ると、ラミキュリアを――
「いやっ! それ以上近寄らないで!」
ラミキュリアは必死に抵抗していた、と言っても手も足も文字通り全く出せない状況なのだが……。
「ヒャッハァー! いただきだぜぇー!」
2人は手始めに、ラミキュリアの育ちのいいおっぱい●がけて――
「お願いだからこっちに来ないで!」
ラミキュリアは悲痛な叫び声と共にそう訴えた、すると――
「はいっ! 大変申し訳ございませんでした! ラミキュリア様っ!」
と、どういうわけか2人の男は声をそろえてそう言い、その場で直立不動を保っていた。
えっ? 何!? 突然どうしたのだろうか!? ラミキュリアは動揺していた。
「な、何なのよ! 急に!」
「ラミキュリア様! なんて素敵なんだ……!」
「ああっ! ラミキュリア様っ! 縛られているお姿がっ! 素敵だ……!」
こっ、これは一体どういうこと……!?
だがどうだろうか、彼女の脳裏にはいろんなことが浮かび上がってきた。
そういえばこういう感覚、前にもあった気がする。
それはまだ彼女がカミラとして、ニューハーフとして水商売をしていた時のこと、男たちは自分を求めて会いに来た。
当時は自分はニューハーフ、つまり男であるにも関わらず自分に鞍替えすることを名乗り出る男も現れたぐらいだった。
あれはもうニューハーフではなく女としての感覚を謳歌した瞬間だった――。
自分は女ではないハズなのに女としての感覚を味わったというのもなんだか変な話かもしれないけれども、
それでもあの感覚はまさにそうだったと言えるし、今回もそれにどことなく似たような感じでもあった。
ラミキュリアは思った、こういう男はきっと自分みたいなのが好みで、私がほしくてたまらないのだろう。
こういう格好をしているのはあくまで過去とのギャップからの反動でただの自己主張・自己満足が生んだファッションなんだけれども、
男にとってはたまらない見た目であることは想像に難くない。
そして――ラミキュリアは決意した。
好きでなったこの身体でこの装いはこんな野郎にとっては大好物な見た目。
自分は悩殺担当の誘惑美女と呼ばれた女で生来のプリズム族の性質を持つ癒しの精霊様なのだから、
あなた方に暖かくて優しい慈愛に満ちた癒しを味合わせてあげるのだ――
「ふへへへへ……お待たせ! ラミキュリアちゃん!」
ラミキュリアをとらえている地下牢に先ほどの男5人衆が今か今かと待ち望んだように戻ってくると、
指揮官は楽しそうにそう言った。
「さあてラミキュリアちゃん! 俺ともっとイイコトしようや!」
地下牢は声が反響してうるさかった。
ラミキュリアは束縛されたまま、再び上のほうにつるされていた。
しかし、ラミキュリアの位置は先ほどよりも下がっており、
男たちがちょうど見上げるとラミキュリアのスカートの中がよく見えるような位置だった。
そのせいか、先ほどよりも男どもが興奮しているようだった。
すると、すでにラミキュリアを賜っていた先ほどの2人が無言で入り口の鉄格子のカギをかけた。指揮官の男はそれに気が付いた。
「あん?」
「ラミキュリアちゃんはものすごくいい女だからこのほうがすごく盛り上がりますぜ! フヘヘヘヘ!」
「ラミキュリアちゃんはものすごくセクシーで美人で素晴らしい女だからぜってー盛り上がりますぜ! グヘヘヘヘ!」
そう言われて指揮官の男は頷いた。
「確かにそうだなぁ! よっしゃラミキュリアちゃん! 俺ととってもイイコトしようや!」
すると指揮官の男はレバーを引いてラミキュリアを地面におろした。
そして、ラミキュリアその美人面で笑っていた。
「ははははは……あっははははは……」
「なんだぁ?」
「さあ、もうどーにもならなくて、諦めてんじゃねぇのか?」
「なあんだ! そうか! そうだったのかラミキュリアちゃん!
んじゃあ、何のためらいもねぇ! 俺と一緒に楽しいことしようや!」
ラミキュリアはそのまま笑い続けていた。
「うふふふふ、そうねえ……そんなにこの私と楽しいことがしたいのね。
イケナイ人たちね……わかったわ、一緒に楽しいことをしましょう。
さて、私とどんな楽しいことがしたいのかしら、教えてちょうだいな♥ ウフフフフフ……」
その時、間違いなく障りのある体勢をしているラミキュリアの可愛げなスカートの中とセクシーな胸元から妖しい香が立ち込めると、
それは部屋を包み込んだ――
同建物内にある司令官の部屋にて、司令官は部屋へと携帯片手に戻ってきた。
「ったく、アールに話をつけてこいって言ってんのに、あいつら手ぶらで帰ってきやがって。
でも、代わりに女を捕らえてきたって言ってたっけな、なんでも”すげぇイイオンナ”らしいぜ。
それならそれでアールも目の色変えてでも取り返しに来るかもしれねえけどな、
ミサイルでも何でも取り放題ってわけだ。
もっとも、そんなに”すげぇイイオンナ”だってんなら俺の女にしてやるかな! フハハハハハ!
ああ、じゃあな、また後で――」
電話を切った。
「ふん、まあ――”すげぇイイオンナ”なら後でじっくりと遊んでやるとするか。
おい! そこのお前! さっき女を捕まえてきたって言っただろ!?
その女を俺の寝室に連れて来い! わかったな!」
「はい、かしこまりました!」
司令官は近くにいた隊員にそう命令した。
「ふん……ふははははは! あっははははは!」
そして、男は自分のデスクへと座ろうとした。するとデスクの下から何かが現れ――
「ん?」
「ねえ……後でだなんて寂しいこと言わないで……今すぐ私と楽しいことしましょうよ……ウフフフフフ……」
「はっ!? はうっ! はうううう!」
現れたのは女豹と化したラミキュリア……こいつの寝室に連れて来られるハズの”すげぇイイオンナ”は猫なで声で訴えてきた。
男は意表を突かれて驚いたが、異性を誘う妖しげなオーラを纏った女豹ぶりに酷く興奮していた。
ラミキュリアはその男に襲い掛かると、自分が身にまとっているペンデュラムがこの男に巻き付き、縛り上げていく。
「ウフフ……あなたたちが私に対してやったこと、嬉しいでしょう……? ウフフフフフ――」
ラミキュリアは縛り上げた男に対し、自身のスカート下に垂れ下がっているペンデュラムのうち、
一番大きなペンデュラムを操って男の顔を鞭のように何度も引っぱたいた。
「ああっ! はああっ! 女王様! 女王様ァ! もっと! もっとください!」
しかし、その女王様の表情は怒りに満ちていた。それはまさしく女の恨みである。