話は60億年後のアーカネリアスの時代にて。
ロイドという男にとって、どうしても気になっている御仁が1人いた。
それはロイドのみならず、他の面々も気にしている御仁である。
「あら♪ みんな、久しぶりじゃないの!」
得意げな表情かつ得意げな態度で現れた彼女――そう、ネシェラだ。ロイドは彼女の兄である。
……やっぱりというべきか、安定感抜群の女である、元の世界線が刻むべき歴史に戻ったようである。
だが――その様相は彼らが思っているものとは大きく異なっていた。
「な、なんだ!? その恰好はどうしたんだ!? それに、アトローナにいるんじゃなかったのか?」
ロイドはネシェラの様相に驚いていた、思いっきり胸が出ておりスカートも短くとにかくセクシー――
「フフッ、いいじゃないのよ別に、たまにはこういう恰好もいいかと思ってね♪」
ど、どういうことだ……ロイドは悩んでいた。
「ま、ちょっとした里帰りってワケよ、子供たちは既にエターニスについている頃じゃあないかしら?
私はいち早くお兄様たちの顔が見たかったからここで待ってたのよね。」
な、こ、子供たちって!?
「え、ネシェラ姉様、まさか!?」
「もしかして――」
「ほ、本当ですか!?」
他の面々もまた驚いていた。
「ええ、そうよ、私、これでも人妻なのよね♪」
な、なんだって!? ロイドは一番驚いていた。
「あっ……相手はどんなやつだ!?」
すると――
「もしかして、あなたがロイドさんですか!?」
そこにはなんともおとなしそうな男児が――
「ん? ああ、そうだが――」
「やっぱりそうですか! お噂はかねがね。
私、ネシェラさんと結婚させていただきました、クローザルと申します!
以後、お見知りおきを!」
な、なんだって!? ネシェラの旦那!? 一同は度肝を抜かれていた。
「ちょ、ちょっと! 別にいいじゃないのよ! 私に男ぐらいいたってさあ!」
いや、あの、そうなんだけど――ロイドは悩んでいた。
「いや、男というか……こいつの子を産んだんだろ?」
「こいつって言わないでよ、これでも一応私の愛しの旦那様なんだからさあ?」
ああ、そいつは悪かった、ロイドは悪びれた様子だった。
「ま、まあ――でも、見るからに、お前の性格にはぴったりの童顔男児じゃないか?
あんまり上に立ちそうな感じでもなければ弟分ぐらいの若干頼りなさげなあたりが特にな」
そう言われてネシェラは得意げに答えた。
「さぁっすがお兄様♪ わかってるわねえ♪ ま、そーゆーわけで、妹に男できたんだから安心しときなさいな♪」
まあ、そうすることにするか、ロイドは納得した。
「おい、クローザルっつったか? ネシェラにたっぷりと可愛がってもらえよな♪」
それはどういう意味としてとらえるのが正解なのだろう?
ロイドたちが去ると、ネシェラは嬉しそうにクローザルに言った。
「ウフフッ♪ 私に可愛がってもらえですって♪ 早速可愛がってあげようかしら♥」
「えっ、いや、あの、その――」
「自分の女相手にテレなくたっていいじゃなぁい♪
さあ、ほら――いらっしゃいな♪ あなたのこと、今日もたぁっぷりと幸せにしてア・ゲ・ル♥」
「ね……ネシェラ……ネシェラ……」
クローザルはそのまま彼女へと……
「ねぇクローザル♥ あと何人子供が欲しい?」
「キミのような素敵な女の子だったらいくらでも――」
「まあ、あなたったら♥」
こっちもしっかりとデキてるな! シルグランディア、意外とやる女である件!
かつて、”ローア”と呼ばれた大昔の時代に名もなき時の英雄たちがいた。
その者たちは世界にはびこる悪を倒し、そして邪悪なる者と呼ばれた世界の巨悪へと立ち向かった。
だが、英雄たちは決して名を語られることなく、ヴァナスティアの教えの中ではこう呼ばれて語り継がれることとなった、
”時の英雄たち”という存在として。
そして、アーカネリアスという時の刻において、邪悪なる者と呼ばれた世界の巨悪が復活した。
しかしそいつは、アーカネリアスだけに飽き足らず、グローナシアの刻においても暗躍すると、
アーカネリアスの刻を再び闇に落とし、そして自らが生み出す闇のみが支配する世界へと作り替えようとした。
だがしかし……それにより、邪悪なる者は手痛いしっぺ返しを食らうことになり、
未来永劫抜け出すことが困難な封印の中へと閉じ込められることとなったのだった。
この世に悪は栄えない――これはそういう戒めなのかもしれない。
ドラゴン・スレイヤー ~新たなる未来~
Dragon Slayer -Glorious Future-
~完~