”邪悪なる者”は先ほどの大きな球体のような姿をとどめておらず、
見るも無残な有機物的な残骸のような感じだった。
「ぐぅ……貴様らのような存在に後れを取るとは……。
だが貴様ら、肝心なことを忘れてはおらんか?」
肝心なこと?
「そもそも我はどうしてこの場にいると思う?
そう――我は不滅の存在だからなのだ!」
そういえば――
「しかも、その点については抜かりはない――数か月経てば我は元通り!
そしてこの世界を再び闇で覆いつくしてくれようではないか!
そう、貴様らがやっとの思いで我を斃した行為はすべて無意味!
そして、我が復活を遂げる日までには再びこの世界は闇に呑まれるようセットされているのだ!
さあ……どうする気だ!? フハハハハハハ! フハハハハハハ!」
くっ、まだ続けようというのか……。だが、ネシェラは訊いた。
「でも、今は瀕死の状態なのよねぇ?」
”邪悪なる者”は答えた。
「ああ、”今”はな。
数時間後には完全復活とは言わないまでも、一通りのことはできるのだがな!
貴様らが何をどうあがこうと、我を斃すことなどできはしないのだ!」
すると、どこからともなく光をまとった何かが”邪悪なる者”の前に現れた……。
「でも、弱っているのなら今のうちに処理しておけって理解でいいのよねぇ♪」
えっ、今の声は誰の!? ネシェラの声のようでもあるが――
「ウフフッ♪ うまい具合に封印トラップが作動したってワケよぉん♪
さあ、迎えに来たわ♥ 早くいきましょ♪」
な、なんと! あの光をまとった何かがそう語っていた!
そしてその姿はやはりシルグランディア女、それもなんだかネシェラよろしくなんともセクシーなお姿の女だった。
「アタシの名前は女神エンプレス・アヴァリスティ様よぉん♪
そして、このアタシこそが邪悪を封印するための切り札――だからみんな、安心してくれてもいいのよぉん♥
ウフフフフッ♥」
……あんまり安心できないのだが。
「ま、そゆことだから、こいつは連れて行くわね♥ とゆーことで、チャオ☆」
なんとも見た目も態度も軽い女は”邪悪なる者”と共に何処かへと消え去った……。
「……これで封印は完遂したというのか……?」
レオーネは訊くと、周囲が少しずつ崩れ去っている状況に気が付いたネシェラ。
「そうみたいね。
とにかく、これですべてが終わったという理解みたいね――。」
バルファースはため息をついていた。
「やっと終わったな、ようやくあいつに会いに行ける、寂しい思いをさせてるからな――」
「これでシルグランディアお姉様を貶めるやつはいなくなったってことだね!」
パティは喜んでいた。
「そうね! さあ、帰りましょ、カイル!」
メロリーナは言うとカイルは頷いた。
「そうだな、帰ろうぜ!」
「うん! 帰ろ! お姉ちゃんも帰ろ!」
ザードは言うとディウラは頷いた。
「そうね。ね、フレア?」
フレアは考えた。
「まあ……シルグランディアが言うのだ、封印は完璧なものなのだろう、帰るとするか」
クローザルは頷いた。
「みなさん、これで本当にお別れですね。いろいろとありましたが楽しかったです!
もし、できることならまたいつかお会いしましょう!」