”邪悪なる者”は闇の空間の中でニヤリとしていた。
「ククッ、所詮はアバズレ女よ、欲望を刺激してやればころっと落ちる……
そして、あの妖魔の力で数多の者を取り込んでしまえばすべてはあのアバズレの言いなり――
そうとも、あのアバズレは我が生み出す闇に魅入られ、そしてその闇ですべてを支配する……
すなわち、此れこそが闇の世界の到来というものだ! ようやく世界は我が物となったか!
フハハハハハハ! フハハハハハハハハ!」
そして高笑い……しているのだが、突如としてそいつがいる空間は引き裂かれ、
日の当たる世界へと引きずり出された!
「なっ、なんだこれは!?」
その大地は黒ずんでおり、光が当たっているにもかかわらず黒々とした大地、
だが、天空では日光が当たっており、ネシェラの居城だけは日の光によって輝いている……
つまり、表側の世界に引きずり出された”邪悪なる者”だった。
「一体何が起きたというのだ!?」
そこへ、目の前にネシェラが現れた。
「何がって、まだ勝負がついていないからアンタをこの場に引きずりだしただけよ。」
どうなっている!? この女、闇の力に感化されたんじゃあ――”邪悪なる者”は驚いた。
「貴様! そうか、闇が食い足りないというか! ならばその望み、かなえてやろう!」
”邪悪なる者”はネシェラを再び闇に包み込んだ! だが――
「生憎、さっき10人ぐらい食ってきたばっかりなのよねぇ♥
しかもとびっきりの上物の男♥ だからもう、しばらく要らないわぁん♥」
彼女の欲望は完全に満たされた状態だった……。
「だからつまり――お腹すく前にアンタをさっさとブチ○せばいいだけのは話よねぇ?」
すると”邪悪なる者”は――
「クククッ、すべては茶番だったということか。
よかろう、それならば、我も全力で相手をしてやろうぞ!」
そう言い放った、他の面々もまた、”邪悪なる者”を取り囲むように立ちはだかる!
さらに刃を振り続けているカイル……だが、その時、メロリーナが膝をついていた。
「どうした!?」
カイルが心配そうに言うとメロリーナは答えた。
「疲れちゃった……。ごめんね、カイル――」
カイルは首を振った。
「いいんだ、無理をするな。あとは俺に任せておくんだ!」
そこへザードも転がってきた――
「うわあっ!」
鞭のようにしなった一撃を食らって弾き飛ばされてきたのだった。
「ザード!」
カイルは叫ぶと、メロリーナが駆け寄った。
「ザードクンは私に任せて! カイルは”邪悪なる者”を!」
わかった! カイルは敵に立ち向かった!
そんな面々の様子を見て”邪悪なる者”は得意げな表情で言った。
「フン――どうやら疲れの色が見え始めていると見た――。
そんなんでこの我を斃そうというのか?」
確かに、このままでは――あからさまに劣勢ではあった。
「時代を都合のいいように改変し、そしてこの時代の時点で圧倒的に有利な状況を作り出した……。
このままではジリ貧か――」
フレアは息を切らせながら言った。
「そうとも。だがまあ、その割には相応に骨のあるやつらだった、そう思ってやってもよいぞ?
なんといってもあの茶番劇を交わしたのだからな? その分には自らを誇るがいい。
だが――貴様らのような軟弱な存在は所詮はその程度だということだ!」
”邪悪なる者”は周囲を思いっきり薙ぎ払うように一蹴した!
「うわぁっ! そ、そんな――」
これは……マズイ……。