ディウラはレオーネとフレアに連れられてネシェラの元へとやってきた。
「あら! 来たわね! アナスタシア様!」
え、どうしてそれを――ディウラはそう訊くとネシェラは答えた。
「ご先祖さまからよーく伺っているからね、イヴメサイアーなんでしょ?」
そういうことか。
「あんまり信じていないんだけどね。
でも……それを言ったらネシェラもでしょう?」
ディウラが言うとレオーネは頷いた。
「リシェルナが話していたな、古の時代、シルグランディア女はメシアだったそうだ。
エメローナは私らが聞いていたことを知ると怒るから言わないでくれって頼んでいたが――」
あの賢者、うっかり者だな、フレアとディウラがいない間にレオーネと話していた時につい口が滑ってしまったらしい。
「リシェルナの場合はただ口が滑ったというのは考えにくい、つまり――確信犯だな」
フレアは頭を抱えていた、え、そういうことですか……。
「じゃなくて! こんな男と戯れたいアバズレ女になることも辞さない女の先祖がメシアとか冗談きついっての!
ったく……そろいもそろって勘弁しろよ……」
ネシェラは悩んでいた。
「まあいいわ、んな冗談言ってないでそろそろ仕上げに取り掛かるわよ。
まずはレオーネ! あんたの武器からよ! これがその”ヴァルキリー・エストック”よ!
あんたの魔力をいきわたらせればそれで完成! さあ、ほら!」
使い手の魔力を馴染ませる手法で来たか、なるほど、フレアは考えていた。
「はい、次はディウラ! レオーネと同じくこの”アナスタシアの剣”に力を与えて!」
また随分とドストレートなネーミングだなぁ……。でも、要はそう言うことらしい。
「そして、最後にフレアね! この時代の運命さえも導く新たなる”標”、
その名も”精剣フェイタル・クレスト”の完成よ!」
”精剣フェイタル・クレスト”? フレアは訊いた。
「この時代の運命の精霊様の持ち物だったはずの”標”よ。
それが失われてしまったからには新たに作り出す必要がある、私の手でね――」
例の運命の精霊様の力が込められた”精霊石”はこの”標”の中に封じ込められている……
すべてはフレアに託されたというわけか。
「後はそれぞれの武器に力を解放するだけね。そしたら後は銃器を……」
まだまだ彼女の作業は続きそうだ。
「……と、その前に――流石にお腹すいてきたわね……」
……下準備にはまだまだ時間がかかりそうだ。
それから4日が経った。
町の周辺の魔物を倒しつつ、着々と準備を進めている中、
パティはネシェラと一緒に新たな銃器の調整をしていた。
「”ドライブ・ショット・ガン”の調整はこれでいいですね。そっちはどうですか?」
「ええ、私のご先祖様を愛するエモノ……じゃなくて”おとこ”って言うんだっけ?
そいつには特製のショット・ガンを作っといたわよ。名付けて”エンプレス・ヴァルゴ”ね♪」
2人はすっかりと意気投合していた。
「いいですね♪ さてと、私は……これでいいかな?」
「そんなんでいいの?」
「その都度その都度改造しながら使うので私はこのぐらいのほうがちょうどいいです♪」
「あら♪ プロ仕様ってわけね♪ それなら私も負けてらんないわね。
ライフルだけ特別製にしてほかは”ドライブ・ガン”系にしようかしら?
流石に時間かけすぎだからそろそろねぇ……」
「確かに、銃器だけで随分と時間かけている気がしますね――」
「それに、流石にそろそろお腹が減ってきたしさぁ――」
それはそれでまた困ったものだ。
ということで、その次の日――いよいよ準備は整った!
「目標はアーカネルの町の跡地、城に入ってすぐにそれらしい所を見つけたぞ。
だから後はそこに行くだけだな」
カイルはそう言うとフレアは頷いた。
「前回も行った”闇の世界”とやらだな、しかも今回は特に何もしかけずに鎮座しているようだ」
ネシェラは言った。
「小細工は利かないと踏んでいるのでしょうね。
だから私らがいなくなってから改めて闇に落とそうと画策しているってワケね。
でも――今度こそそういうわけには行かないからね――」
それに対して全員で頷いた。
「そろそろおねんねしてもらうことにしてもらうか」
「時代を滅茶苦茶にしたバツだ!」
バルファースとザードはそう言った。
「邪魔者はいらないんだからね!」
「いよいよ神罰でも受けてもらうことにするか」
「ホント、サイアク! 今にみてろー!」
パティとレオーネ、そしてメロリーナもまた決意を新たにしていた。
「これで終わりになるといいのですがね」
「そうね――オイタが過ぎるからきちんとオシオキしてあげないと行けないわね」
「無論だ、ようやくやつに引導を渡す時が来たようだ」
そしてクローザルとディウラ、さらにフレアが言うと――
「ああ! 早速やつを倒しに行くぞ!」
カイルはそう言った。
「”邪悪なる者”め、今に見てなさいよ――」
ネシェラもまた力強く言った。