次の日、フレアたちは工房へとやってきた。
そこではネシェラが剣を打っていた、エプロン姿が少々エロイ。
「もう完全に女を武器にしているな……」
レオーネが訊くとネシェラは答えた。
「エンプレス・アヴァリスティだもの、飯のためなら必要なことよ。」
まあ、わからんでもないが。いよいよ慣れてしまったフレアとレオーネとメロリーナ……主に女性陣。
男性陣はまだちょっと遠慮している。
「それよりも、昨日は少々辛そうだったが今日は大丈夫なのか?」
フレアは訊くとネシェラは機嫌よさそうに答えた。
「とーぜんよ♥ 昨夜は結局おかわりまでして23人平らげたからねぇ♥
初めて食べる男もいて、いろんな味を楽しめてアタシは満足よぉん♥」
やっぱり、行為をしたこととその際の数を自慢するのがエンプレス・アヴァリスティなのか、
にしても数が多いな……。
「それで、今仕上げている武器はなんなんです?」
メロリーナは訊くとフレアが言った。
「見た感じ、”ミスリル”で武器を作っているようだな」
しれっととんでもないこと言ったぞ、”ミスリル”だって!? あの伝説の魔法金属の!?
「まずはこれね、ミスリル・ダガー。ザード君に渡しといてね。
次はこれ、ご先祖様の彼氏にはミスリル・ソードね。
それから――」
じゃんじゃん作ってるな、そこは流石はシルグランディアの血を引いているだけのことはあるってわけか。
「そうそう、あんたの持ってる剣って竜殺しの剣って訊いてたんだけど、そうよね?
だから私も竜殺しの剣ってのを作ってみたのよ」
カイルはそう訊かれると、その剣をメロリーナ経由で受け取った、ずっしりとした重みが自分にのしかかる……。
「流石だな、アーティファクトはこうしてできていくということか」
バルファースはそう言った……カイルはビビっていた。
「そうよ。だから戻るときはこの時代に置いていくか、あるいはご先祖様に託しといてね。」
最後の処分方法まで指定されたようだ、そのあたりは流石である。
「すごい剣だなこれ! 剣からものすごい力が伝わってくるぞ!」
カイルは感動していた。
「ふふっ、気に入ってくれて何よりだわ。
名付けて”バハムート・ティア”って事にしておくわね。」
竜王すらをも破壊する剣ということだそうだ、偉いこっちゃ。
「そして奥様にはこれね。一番作りやすかった剣ね。」
一番? 言われたメロリーナは首をかしげているとフレアが言った。
「異常な妖気を感じるな、つまりは――」
ああ、そういうことか、メロリーナは納得した。
「自分の妖気を抑えなくていいからね、だから飯食った後に一番最初に作れる剣なのよ。」
そう言われると……なんだか複雑だったメロリーナである。
「あら、そういえばアナスタシアの彼女は?」
今度はディウラをご指名のようだ。
フレアとレオーネはディウラとザードとパティにそれぞれ武器を渡した。
「ネシェラお姉ちゃんが僕に? ありがとう!」
ザードは嬉しそうにしていた。
「いつもザードのこと預けておいてほったらかしにしといて悪いな――」
フレアは申し訳なさそうに言うがディウラは気にしていない、それどころか――
「いいえ! でも、流石よね、ほら! 結構いろいろとおしゃれなものがあるのよ!
だから私は全然退屈しなかったなー♪」
「私も私も♪ そこらへんは流石はシルグランディアの町って感じだよねー♪」
ディウラもパティもむしろ町でのショッピングを楽しんでいた。
「時代が違うのに通貨が対応しているのか?」
レオーネが訊くとフレアが答えた。
「シルグランディアの町だからな、通貨というよりは”交換するブツの価値”で捉えているのだろう」
それに対してディウラは頷いた。
「うん、お店の人もそう言ってた。
どうせなくなる時代なんだから対価さえ順当ならなんでもいいって」
この時代の人までそう捉えているのか……。
「それなら、私もそっちに行けばよかったー!」
「私もそうするべきだったな……」
メロリーナとレオーネは後悔していた。
「それじゃあ、改めてみんなでまた楽しみましょうよ♪」
「そうだよそうだよ♪」
ディウラとパティはワクワクしていた。だが――
「まあ、それはそうなんだが、ディウラ、ネシェラが用があるらしい」
なんと、彼女自ら直々にご指名なのだそうだ。