それにしても反応しない……マーシャは封印されたままその場に佇んでいた。
「どうなっているのかな? どうしようもないのかな――」
ディウラは悩んでいるが、フレアは首を振った。
「少なくともこの祠の中に入れている以上は何かしらがあるはずだ、
そうでなければ入る前にはじかれているハズだ」
それもそうか、ディウラは納得した、すると――
「見て! 動き出した!」
なんと、彼女を封じていたクリスタルが徐々に動き出すと、次第にそれがすっかりとなくなっていた!
「お待ちしておりました、お二人共……。
話は既に伺っています、ですので――」
彼女はそう言うと、何かを手渡した。
「これは世界の記憶システムから私自ら取り出したものです。
エンプレス・アヴァリス=シルグランディアはこれを探しています。
これを消し去ってしまえば自らの野望が果たせる――そう考えているハズです!」
ん? ということはつまり? フレアは考えた。
「なるほど、今までネシェラと語っていたが、
その本性は歴史改変によって歪んだ精神のネシェラではなく、
実際にはエンプレス・アヴァリス=シルグランディアの精神を宿したものということか?」
マーシャは頷いた。
「予想とはなりますが、恐らくそう言うことになります。
その記憶は”邪悪なる者”を葬るためのすべてが記憶されているもの――
エンプレス・アヴァリスは”邪悪なる者”を葬るための備えをすべて破棄し、
さらにその記憶さえも消去して”邪悪なる者”に対抗するすべてを消し去ろうとしているのです、
自らが闇の力を利用してこの世を支配するために……」
欲望を刺激され続けた女の末路はすべてを支配する事に目覚めた者ということか。
まさにそれは闇が支配しているからこそであり、
”邪悪なる者”が彼女という存在を通じて世界を支配していることに他ならないというわけか。
「さあ、お気を付けください!
あなた方がこれを手にした瞬間、この世界のすべてがあなた方に牙をむき始めます!
だから一刻も早く、元の時代へとお戻りください! さあ、早く!」
彼女はそう言い残すと何処かへと消えていた……。
「マーシャ! どうしたの!?」
ディウラは訊くが、フレアは彼女の手を引いて言った。
「彼女は大丈夫! これは本来あるべき時代の姿ではない!
だから、私らがこの時代に殺されないよう早く帰るべきだ!」
だがしかし――
「バカな!? 第4級精霊たち!?」
なんと、祠は既に包囲されていた。
「キャハハハハハハハハ! こんなことだろうと思ったわよ!
ったく、アタシの計画を邪魔してくれちゃって! バッカじゃないの!?
でも――そいつをおとなしく渡せば見逃してあげるわよぉん♥
そう、このアタシ……美しく麗しい魅惑の女王エンプレス・アヴァリス様のご慈悲によってね!」
あのシルグランディア女の身体にフィットしないスカイブルーのワンピース姿だが、
彼女の場合は全体的に紫色の服装であの大きな胸元もしっかりとさらけ出しており、
スカート丈も短いという装いで数多の男を誘惑して従え、
2人をあざ笑うかのような様相で現れたのだった。
「その様子じゃあ死にたいってワケね、いいわ……フフッ♥
さぁ……このアタシの美貌の奴隷共!
あのメス豚共からアレをさっさと取り上げておしまい!」
エンプレス・アヴァリスは鞭を激しく振るうと男共に命令をした!
男共は次々と2人に向かってくるが――
「この私に挑むとはいい度胸だ! いいだろう、運命を従える術というものを見せてやろう!」
彼女は怒りの解放!
運命の標二刀流を構え、
そして運命覇気を発動!
なんと、向かって行った男たちは次々と絶えてゆく……
「あのクソアマぁ! ほぉら!
男共! しっかりとしろよ!
美しく麗しい魅惑の女王エンプレス・アヴァリス様が命令してるんだ! あのクソアマ2匹をさっさとぶち殺せよ!」
仰せのままに……死にかけてもなお男たちは2人に向かってゆく……。
しかもそれだけでなく、次から次へと男たちが増えていき……
「くっ、このままでは切りがないな、仕方がない……!
ディウラ! 私が活路を見出す! お前は早くいけ! 私はこの者たちを一手に引き受ける!」
そんな! ディウラは困惑していた。
「そんなことできない! フレアも一緒に行くのよ!」
当然の返答だが、この状況では他にどうしようも――
「キャハハハハハハハハ! バカねぇ! んなことさせるわけないでしょーが!
お前らメス豚2匹は今すぐこのアタシの美貌の奴隷である男共の手によって処理されんのよ!
メス豚に相応しい末路ってのを教えてやるんだからどこにも逃がしゃしねぇんだよ!
ほらほらぁ! さっさとメス豚2頭を処分しちまうんだよ! このアタシの美貌の奴隷共!」
再び男共が2人に襲い掛かってくる!
「くっ、これまでか……」
フレアが限界に近い……。