一行は再び精霊界へと赴くことにした。その途中、レンドリアにて――
「あの2人、本当に仲がいいよな……」
エメローナとフレア、狩りに出かけてくると言っていた。
あ、くれぐれも逆ナンのほうではなく、
どちらかというとむしろ魔物対峙のほうである……。
「ローア時代からの仲良しコンビって言われているほどですからねー、私なんかは話でしか聞いたことありませんが……」
リシェルナはそう言うとマーシャは頷いた。
「本当ですよ、シルグランディアさんは……おっと、当人の意思を尊重してあの話はするべきではありませんね」
シルグランディアがヴァナスティアの教えで語られているかの時の英雄”イセリア=シェール”の子孫であることか。
シルグランディアは時の英雄というのはあくまで名もなき時の英雄だと語っていたようで、
マーシャはその意思を尊重していた。
「とにかく、息のぴったりと合った2人だったことは間違いないです!
だから私、本当は大昔の戦いだって、何があってもあの2人が仲良く戻ってきてくれたらなーって思っていたぐらいなんですよ!」
「え!? 本当にローアの時代からなんですか!? そんな時代から2人は仲が良かったんですね!
しかもそれが2人とも頼れるお姉さんだなんて……すごい女の友情だと思います!」
そこへ他の女性陣がさらに群がってきた。
「確かにな、エメローナに頼れるお姉さんを名乗らせるのはまさにその通りだとしか言いようがないな、
私も彼女におんぶに抱っこ、何から何まで助けられているからな、もはや頭が上がらない――」
レオーネが言うとメロリーナもまた頷いた。
「私がここでこうしていられるのも全部エメローナ姉様のおかげだしね!」
パティもまた頷いていた。
「フレア姉様もね! 私がこうして事務から飛び出してきたのも姉様がきっかけだったんだ!
ああいう人になりたいってね!」
ディウラもまた嬉しそうにしていた。
「フレアにエメローナ……なんだか知らないけど、とっても引き付けられる魅力のある2人よね!」
そしてあのクラーネアも。
「確かに、ついて来いって気概さえ感じるね! なら、ついていくだけだね!」
一方で男性陣、ザード以外は悩んでいた。
「ねえカイル! お姉ちゃん大好きだもんね!」
「うーん……まあ、そうだな……」
「……自分の妻だからな、とりあえず」
どちらも女勇者なキャラだから基本的には女性にモテる女性ということか。
その日の朝――
「あ! リシェルナ! おはよー!」
ディウラは町へと繰り出すと、彼女と出会った。
「おはよう、ディウラさん!」
お互いになんだかニコニコとしていた。
「なんていうか、本当にご無沙汰ですよね!」
「ですです♪ ご無沙汰です、ディウラさん♪」
なんか、普通にいそうな女子って感じの賢者様……
その点について、たまたま居合わせたレオーネが訊いた。
「なんとも親しみやすそうな賢者がいたもんだな」
彼女に気が付いた2人が訊いた。
「あ! おはよう! レオーネ!」
「おはようございます♪」
レオーネは相槌を打ちつつ返事をした。そしてリシェルナは話をしだした。
「親しみやすそう……ですか? そうですかねぇ?
私、どちらかというと”お前じゃ話にならん”って感じでチェンジを要求されることが多いんですよー」
確かに……ディウラは遠い目をして考えていた、
だって彼女……見るからに人生経験少なそうな女子だからなぁ。
つまり、見た目のイメージで大きく損をしている賢者様なのである。
ただ――
「第4級精霊様であり、100年の生き字引を蹴ろうとはなんとも怪しからん連中だな」
レオーネはそう言った、100年!?
「あれぇー? わかりますー?」
「わかるさ、それこそ私の祖父の代の者もリシェルナ=グランディスにお教えいただいたこともあったそうだからな」
へ? 教え……? そういえばそんなことあったような――忘れんぼ賢者様は悩んでいた。
「もっとも、その教えは私の前の代ではまったく生かされなかったようだがな」
実家は潰されてしまったからね、ご愁傷さまです……。