シェルベリアの家に戻ってきた2人、そこではパティが出迎えていた。
「あれ? 実家に戻るって言ってなかったっけ?」
エメローナは訊くと、さらにバルファースとディウラが現れた。
「問題が起きた。凶獣のせいで船が軒並み停止となっちまった。
それこそ港はすべて閉鎖、リンブラールの港も、そこにある俺の船も出航許可が出ない状況になっている」
バルファースは言うとエメローナは追求した。
「どうして!? 凶獣ったって斃せてるでしょ!?」
バルファースは首を振った。
「ハンターが束になってかかっても流石に限度はある。
それにリアンドール邸の者たちから連絡が来てな、
バンナゲート島も今や凶獣のせいでパニックになっているそうだ」
なんだって!? フレアもまた驚いていた。
「身内の者は――みんな大丈夫なのか!?」
ディウラは不安そうに答えた。
「お父様は大丈夫って言ってた、けど――スティラフォードの方が――」
スティラフォードって、まさか例のドラクロス――
「ドルカレスが魔物に襲われて負傷したそうだ。
それで何があったかはよくわからんが、そのドラクロスがリアンドールの家から手を引いたらしい」
それについてディウラが答えた。
「うちはハンターズ・ギルドのオーナーの家だからね、
家の周りにハンターを配置した際にスティラフォードの人たちを追い出したそうなのよ。
それで事の深刻さを把握したんじゃないかって私は聞いたわね、
私もそういう危険と隣り合わせの世界に身を投じているわけだしさ」
実際に痛い目を見ないとわからないということか。
「私も……渡航制限かかっている状況だし、凶獣があちこちで現れて危険だからさ、
実家に戻るのを辞めたんだよ――」
パティはそう言った、あの子煩悩な父親たちのことを心配しているようだった、
なんだかんだでええ娘だな。
「それより、客が2人いるようだぞ」
バルファースはそう言った、こんな時に客? しかも2人?
その2人はリビングでゆったりとくつろいでいた。ただし――
「どういうことだ!? 片方は高位の存在ではないか!?」
ということ、フレアは驚いていた。
「ですよねー! 私も驚きました!
まさか第2級精霊様がこうしてこの場にいらっしゃるなんて!」
片方の客もまたそう言って驚いた様子だった、
そちらの客は顔見知り――ローブの中はブラウスにスカート……久しぶりの顔ぶれだが、賢者リシェルナである。
「って! そちらは第3級精霊様ではないですか!? なんでなんで!?」
彼女はエメローナを見て驚いていた。
「……やれやれ、まずは話を整理しましょ? ね?」
彼女はそう訊くと、リシェルナは驚いていた。
「まさかその印象……精霊シルグランディアお姉様ですか!?
それならここにフツーにいても納得です!」
納得するんかい! 何人かは呆気に取られていた、しかもお姉様って、もはや常識なのか……。
一行はその部屋へと集まっていた。
そこへオルダナーリアがあのクラーネアを連れて部屋に入ってきた。
「おやおや、今度は賢者様と”封印の精霊”様のお出ましだね」
”封印の精霊”様? リシェルナは賢者様なので、つまり――
「はい、私はマーシャ=アリスランドと申します。よろしくお願いいたしますね」
そう言われてフレアは考えた。
「封印の精霊アリスランド……私と同じく最初期に生み出された精霊だな。
その存在目的は、確か――」
フレアはそう言うとマーシャは頷いた。
「はい、フラノエル様……いえ、今はフローナル様と呼ぶのが正式のようですね。
私は必要な時に封印から解き放たれる存在なのです。
しかも解き放たれる場所は基本的に物理世界、
そのため、私の体の器は物理世界にも適応するような体として特別に作られているのです」
なるほど、そういうことか。
「私は2年ほど前に封印が解かれました、その際に何かしらの封印が解かれたのだと思います。
私の封印は何らかの封印が解かれたことと連動して解かれるようになっています。
今回は……そう、人の世に出でし大きなる力、”禁断の小箱”と呼ばれるものが開かれた際に――」
そう言われてリシェルナが気が付いた。
「あ……そういえばフレア様、”パンドラ・ボックス”をお開けになられましたね?」
え、それは――
「あれは精霊界からの指示……つまり、エメローナが明けて確かめてみてほしいって言っていたから開けたのだ」
もしかして――
「え、まさかそんなんで封印が解かれたっていうの!?」
エメローナは驚き気味に訊くとマーシャは答えた。
「必要な時に解けていなければ意味がありません。
ゆえに、私の封印についてはそのような仕組みになっているのですよ」
なんか妙な精霊様だな。