「”邪悪なる者”の邪念のせいで未来世界では何が起きてもおかしくないハズ! くれぐれも気を付けて!」
今頃になってエメローナの言葉を思い出したフレア、おかしいと思った時に疑えばよかった、
相手はそもそもシルグランディア女だからやり口が巧妙なのである……
だからこれはと思ったことを見逃してしまったら完全に向こうのペースにしかならないのである。
そう――シルグランディア女は策士でつかみどころがなく、そしてそもそも変わり者――
どのような行動を起こしたとて別に特に変わったことはないハズ――
そのような先入観がすべて裏目に出てしまったのである。
「なっ!? ディウラ!?」
フレアは驚いた、なんと、ディウラはフレアの手をぐっと握りしめると、
そのままその部屋の中へと突き飛ばした!
「我らが美しき麗しき女王ネシェラ様がわざわざあんたのために用意した部屋なんだから、
四の五の言わずにさっさと入りなさいよ。
まったく、これだから女王様のご機嫌を損ねるような醜くって臭くて汚らしいメス豚は困るのよ――」
な、なんだって!? フレアは耳を疑った、ディウラの口から――
「そもそもお前の臭さにはみんなが迷惑していたのよ!? わかっているのかしら!?
あちこち不用意に嗅ぎまわって! 醜くって臭くて汚らしいメス豚ってこれだから嫌!
でも、女王様は心お優しい方だからお前みたいな豚でも等しくご慈悲を与えてくださってんの!
それなのにどうしてあんたはその御心がわからないのかしら!
そのせいで女王様はお怒りよ! 本当に信じらんない!」
ディウラは相当怒り狂っている――フレアはもはやどうしていいのかわからなかった。
「けど、まあ――とうとう女王様もお前をさっさと豚箱に入れることにしたのです、
流石は聡明な女王様、おかげで私たちも清々しましたわ。
ふふっ、早いところ女王様にご報告してご褒美もらわなくっちゃ♪」
と、ディウラは嬉しそうに去ろうとしていた――
「ど、どういうこと……」
フレアは唖然としていると、ディウラは去り際に言い残していた。
「ああそうそう、言っとくけど、この世界で女を語ってよいのは我らが美しき麗しき女王ネシェラ様ただ一人――
お前のようなただの醜くって臭くて汚らしいメス豚が女王様と同じものを語ろうなどとは思わないことね。
ちなみに私たちはただのメイド……我らが美しき麗しき女王ネシェラ様にお仕えするためだけ以上の目的を持たずに生まれた存在ですわ♪
だって――この世に存在する男はすべて我らが美しき麗しき女王ネシェラ様の美貌に捧げるためのエモノなんですから♪ ウフフッ♪」
すると……彼女の目の前の扉はすぐさま閉まると、そこは壁になった!
「なっ!?」
そして、フレアは振り向くと――
「くっ、してやられたということか――」
彼女は落胆していた、そこには鉄格子がはまっていた、どう見ても地下牢である。
ディウラはそのまま女王陛下の元へと急いでやってきた。
女王陛下はガウン1枚だけ羽織っており、
まさに玉座に座っている状態で周りのメイドたちにマッサージや髪の毛の手入れなど、いろいろと身支度をさせていた。
「ご命令通り、あの醜くて臭くて汚らしいメス豚を放り込んで参りました」
ディウラはネシェラの綺麗な脚の先で跪いていると、彼女は頷いた。
「あら、ご苦労――臭くて汚い仕事をさせて悪かったわね。」
「も、もうしわけございません女王様! まだ消毒しておらず――」
「いいえ、それは私の処置が遅かったせいよ、気にしないで。」
「そ、そのようなこと! 我らが美しき麗しき女王ネシェラ様に非があるハズなど――」
「いいのよ、様子を見たかったの。でも、おかげではっきりしたわ。
ただ、そのせいであんたたちに嫌な思いをさせてしまったのが心残りね。」
「いえ! 私たちは別にそんな――」
「いいの、私のせいということにしておいて。
その代わり、あなたには特別ボーナスとして、今後から女王の浴場と化粧室を使うことを許可するわ。」
「なんと……女王様のお風呂と化粧室まで使わせていただけるのですね!」
「ええ♪ 今から入ってらっしゃいな♪ 今日はもう仕事はいいからゆっくりしてらっしゃい♪」
「はいっ! 女王様! 仰せのままに!」
ディウラは嬉しそうに去っていった。
「ったく、あのメス豚――マジで醜悪で下劣……小汚く這えずり回るウジ虫以下の下等生物ね、
さっさと駆除すべきだったわ――」
ネシェラは腹を立てていた……なんてこと……。
「ところで女王様、あのメイドに女王様の浴場と化粧室を使わせるということは、もしかして――」
別のメイドがそう訊くとネシェラは答えた。
「ええ、あのメイド、とっても気に入ったわ♪ あの者には特別な仕事を与えましょう――」
「はっ! かしこまりましてございます!」
「それからあのメイドたちにも同じ褒美をとらせましょう、
4人とも育ちの良さが染み出しているのでしょうね。
そういえば名前は何と言ったかしら?」
「はい、ディウラとレオーネ、それからパトリシアとメロリーナという名でございます」
ネシェラはその部屋……いや、空間を出ると、そこには男たちがずらっと並んでいた。
その時の彼女の姿はあのゆったりとしたワンピース姿である、
スカート丈はあのメロリーナ並でとても短いが。
「あっ! ネシェラ女王様!」
そこへザードが現れ……
「あら♥ 誰かと思えばザードじゃなぁい♥
愛してるわ♥ ア♥ナ♥タ♥」
ネシェラは嬉しそうにしていた。
「ネシェラ女王様! 僕も愛してるよ、ネシェラ女王様! 女王様と早く結婚したいな!」
「ええ♥ あなたが立派になるまで私はずーっと待っているわ♥
だから早く迎えに来てね♥ ア♥ナ♥タ♥」
「うん! 待ってて! 僕のネシェラ女王様!」
そのままザードは去った――
「そう――あなたはもう私のものなのだから♥
あなたが立派になったら私好みの男に作り変えてアゲルわ……ウフフフフッ♥」
彼女は邪悪に微笑んでいた――。