無論、言うまでもなく、高級精霊たちに叶うハズはない――
「お前たち!」
台所で食事の用意をしていたフレアとメロリーナとディウラは慌てて飛び出してきた。
「やっと出てきたな、私は貴様に用事があるのだ――」
カルスは偉そうにそう言い放った。
「お姉ちゃんを殺さないで……」
ザードはボロボロになりながらもカルスの脚にしがみついていた、だが――
「邪魔だ、退け」
カルスはザードを勢いよく蹴り飛ばした!
「うわっ!」
こいつ……フレアは憤っていた。
「くそっ、このっ……!」
カイルはゆらりと立ち上がり、剣を振るってカルスに一撃!
「無駄だ――」
カルスは攻撃をひらりとかわすと、カイルの腹に一撃!
「ぐはぁっ!」
そして蹲っているところで勢いよく踏みつけると、さらにそのまま――
「しつこいやつだな、本当に死にたいのか?」
そう言いつつカイルを思いっきり蹴り飛ばした!
「ぐあっ……」
そのままカイルは自分の家の外壁に身体をたたきつけられた……。
「貴様……精霊の力を安易に振るっていいのか!?
見ろ、貴様が力を振るった場所が――」
なんと、カルスが立っているところは緑が生い茂っているが、その周囲の草花は朽ち果てていた――。
「それならさっさと出てくればいいだろう? こうなったのも貴様のせいだ、違うか?」
こいつ――フレアは拳を握っていた。
「お前の好きなようにはさせない――」
だが、カイルは未だに諦めず、プルプルと震えながらもカルスに立ち向かおうとしていた。
「カイル! もうやめて! カイルが死んじゃうよ!」
メロリーナはカイルのことをしっかりと抱きしめ、涙を流していた。
「そうよ、カイル! だからここは私が――」
ディウラは剣を引き抜こうとしていた、しかし――
「もういい! こいつの狙いは私だ、だから私が――」
フレアはそう言って遮った。だが――
「ダメよ! そういうことならなおさら!」
「そうだよ、フレアお姉様! 行っちゃダメ!」
ディウラとメロリーナに遮られた。
「ダメだフレア、行くな――俺が……止めてやる――」
満身創痍のカイルは1人で立ち向かおうとしていた。
「だからダメだって! カイル!」
メロリーナは止めようとした、だが――カイルの身はそのまま崩れた――
「カイルー!」
すると――カイルの懐から例の棒切れが落ち――
「その標! まさか!」
フレアはそれに気が付いた。
「そうだったな、言われてみれば貴様ら――全員ウロボロス討伐にかかわった連中だったな!」
カルスは2人と何やら話をしてその事実に気が付いたようだ。
「ならば簡単なことだ――貴様らまとめてこの世から消し去ってやろう!」
カルスは2体の精霊と力を合わせ、精霊の力でその場を浄化する!
「滅せよ!」
だが――
「貴様の好きなようにさせるものか!」
なんと、フレアがあの棒切れを持ってカルスに挑んだ!
「なっ!? ……まあよい、フレア=フローナルを先に殺れ!」
カルスは2人にそう指示すると、そいつらはフレアに向けて勢いよく切りかかった! が――
「いい加減にしろ――貴様らの世迷言にはもううんざりだ――
だから私は精霊界を飛び出してきたというのにそれでもなおこのような有様――
どういう了見の所業だか説明して見せろ――」
フレア=フローナルがこれまでになくブチギレている……。
「うわああああ!」
「のわああああ!」
2人の精霊は彼女によって消されてしまった――。
「何っ!? どうしたというのだ――」
カルスは驚いていた、だが、そいつの前にいるのは――
「こっ、これはまさか――運命の精霊の怒りの解放!?
いや、そんなハズはない! 運命の精霊がこうなるにはもう50億年はかかると言われているハズだ! だが――」
目の前にいるのはまさに鬼神のごとき存在……それぞれの手に大きな剣と大きな槍を構え、
こちらをにらみつけている……。
「そんな……あれは間違いなく運命の標二刀流……
私が強制解放してしまったとでもいうのかっ! 自然解放であればまだしも、強制解放――」
すると、ものすごい力がカルスに襲い掛かる!
そう、あの標は運命の標――
運命の精霊の持ち物だった!
「なっ!? 運命覇気だと!?
そのような力まで……!? マズイ……これに呑まれたら私が殺される!」
そしてそのままカルスは命からがら逃げ延びた……。
「ったく、このようなことをしたくはなかったのだがな――」
フレアは元の状態に戻り、標も1本に戻っていた。