ドラゴン・スレイヤー ~新たなる未来~ 第6章 第131節

第6章 暗い陰謀

第131節 嵐の夜

 ウロボロスを斃してから1年経ったある夜のこと――
「ねえカイル♥ 今日は私でどーしたい♥」
 カイルの目の前で全体的にフリッフリなナイトブラとティアードミニスカートの絶景が誘惑してくる――
「どーしよーかなぁ♪ エヘヘヘヘヘ――」
 そんな絶景はカイルの下心を支配していた。
「とりあえず、今日もメロリンちゃんが本当に女の子なのか確認したいなぁ♪」
 き、貴様ぁ!
「もう! あれから結構経ってるんだよ! それなのにまーだ確認したりないの!?」
 だが、カイルはただただデレデレとしているだけだった。
「んもう♥ しょうがない人ねぇ♥」
 と、彼女は嬉しそうに言うと、カイルは早速メロリンちゃんに襲い掛かっ……以下略!
「やん♥ カイルったら♥ 優しくしてね♥」
「デヘヘヘヘヘ♥ メロリンちゃんの仰せのままに♪ フヘヘ――」
 夫婦の営み!
「ねえカイル♥ 確認しながらでいいから、今日もまたアナタのオンナにしてね♥」
 毎日そんなことをしているのか!  だが……そうか、プリズム族の身体ってことは妊娠率が低いから回数を――うらやまけしからん話だな!

 夜も更けて――外は雨風で酷く荒れており、時折家の中が揺れるようだ。
「ねえ、カイル! カイル! 起きて!」
 メロリーナは自分の身をしっかりと抱きしめているカイルを起こしていた。
「ううん……メロリンちゃぁんさまぁ……メロリンちゃんさまの仰せのままにぃ……」
「メロリンちゃん様の命令よ! 今すぐ起きて!」
 ……え!? カイルはいきなり飛び起きた。
「ど、どうかしたか!?」
 だが――自分の服装も彼女の服装も――
「誰かいる気配がするの!」
 なんだって!?

 2人は身なりを整え、部屋から出てくると、屋敷の1階の玄関ホールにはティラキスが明かりをもって佇んでいた。
「ティラキス! どうしたの!?」
 メロリーナはそう訊くと彼は答えた。
「玄関先に何者かがいる気配を感じましたゆえ、どうしたものかと思い、やってきたのですよ。 こんな夜遅くに一体何が? こんなに荒れた天気だというのに――」
 すると、カイルは意を決して玄関の扉を開けようとした。
「誰かいるということならすぐさま確認しよう。 こんな天気だ、早く何とかしてやらないと手遅れになるかもしれない――」
 それもそうか、2人もまた覚悟を決めていた。
「それなら、私が扉を支えていましょう、カイル殿は外をお願いします――」

 カイルは外に出た、酷い雨風だ、寒い……吹き飛ばされそうだ――。
「酷い風だな、”天狗風”もこんな感じだったか!?  もっとも、あっちは”かまいたち”というのが発生していたが、こっちはただ普通の強風でしかない――」
 そしてよく見ると、家の門から玄関の間のほぼ真ん中の位置に誰かが倒れこんでいるではないか!
「あ、あれ!? おい! しっかりしろ!」
 カイルは即座に近寄ると、そう話しかけた。 しかしその人物、どう見ても――
「くそっ! 一体何があったんだよ!」

 カイルはずぶ濡れになりながらも、その人物を抱えて家の中に早く戻ってきた。 抱えている人物に3人は驚いていた……オルダナーリアが加わっていた。
「な、なんてこと! すぐにお部屋をご用意いたします! こちらにお願いします!」
 オルダナーリアは焦っていた。
「ああ、そうしてくれ。それから――どうやらケガをしているみたいなんだ、酷い切り傷だ――」
 カイルはそう言った、そう、その人物は酷いケガをしていた。
「私、ついていてあげたい!」
 メロリーナはそう言うと、カイルは頷いた。
「ああ、頼む!」
 そして――リビングのソファに項垂れるように座ったカイル。
「外は寒かったでしょう? お風呂にでも入られます?」
 ティラキスはそう訊くと、カイルは「頼む」とだけ答えた。ティラキスが去ってから少しして――
「おいおいおい、一体何があったんだよ、フレア――」
 フレア、そう――ケガをして倒れていたのはまさかのフレア=フローナルだった。