ドラゴン・スレイヤー ~新たなる未来~ 第6章 第130節

第6章 暗い陰謀

第130節 邪悪なる計画

 精霊界――例のあのクライアスがいよいよ暴挙に及んでいた。
「この愚か者共が! 貴様らのような軟弱な精神でこの我に楯突こうなど60億年早いわ!」
 クライアスを前にして数人の精霊たちが横たわっていた。
「貴様がクライアスというやつだな!」
 また1人の精霊が前に立ちふさがった。
「貴様は粛清することに決まったのだ! 貴様の能力は我にかなうことはない!  おとなしくしていれば苦しまずに済むだろう――」
 だが――
「何っ!?」
 クライアスはそいつの背後に瞬時に回り込んでいた!
「ば、バカな……こいつのどこにこのような力が――」
 相手の精霊は怯えていた。
「力など……そんなもの、後からでもいくらでも追いついてくるものなのだ、 そう――一定の力を身に着けてさえおればな。 それ以上に大事なのは力の使い方……だが、貴様らにはそんなことがわかることはあるまい!」
 クライアスはその精霊を魔法で思いっきり弾き飛ばした!
「ぐはあああああっ!」
 クライアスを前にして倒れた――。
「案ずるな、我は別に殺しを行いに来たわけではない、貴様のような駄精霊であろうといてもらわなくては困るからな!  それにしても、貴様らのような駄精霊の蔓延るこの世はなんと恵まれておらぬのであろうか! 人間共が不憫でなるまいな!  まさか、万物の創造手シルグランディア運命の精霊フローナルも貴様らのような連中がいるからこそアバズレビッチとして目覚めたのではないのか!?  クハハハハハハ!」
 犯人はこいつ、間違いない。

 クライアスは例の穴倉の中へと再びやってきた、すると――
「おい、貴様! 私の計画を邪魔したな! ヤツを復活させただろう! どういうつもりだ!」
 あの精霊がクライアスに対して食ってかかってきた。
「邪魔などしておらん、そもそもウロボロスが滅ぼされるのは予定の内、こればかりはどうあがいても仕方があるまい――」
「あのウロボロスは不完全な状態! それもまだ破壊者としての域に達してはおらぬ!  ゆえに我がヤツをより強大な力を持つ者へと進化させようとしていた! それを――」
「無駄だ、そのようなことしたとて限界がある、ヤツがより強大な力を得るには時が必要なのだ、 ゆえにエターニスの連中が早々に開放を予定している以上、貴様が何をしようと結果は変わらぬ――違うか? ”暗い明日”……」
 まさか――クライアスが2人!?
「ぐっ、貴様っ!」
「怒るがよい、猛るがよい、いくら憤ったところで貴様の計画は予定通りに順調に進んでおるのだからな。 無論、我の計画も順調に進んでおる――だが、我の邪魔だけはせぬことだな」
 すると、”暗い明日”はクライアスに向かって魔法を――
「やめておけ、貴様の手の内は見えておる、我にかなうはずもない。 闇魔法を放った後に六芒星の術式で我を拘束するつもりであろう?」
 な、何故それを――”暗い明日”は怯んでいた。
「我ではなくウロボロスを滅した連中を恨めばよいだろう? 違うか?」
 確かに、それもそうか――”暗い明日”は考え直すと、その場から発った。
「そうだ、それでよい――貴様の力の源は憎悪そのものなのだからな――」

 クライアスはそのままとある場所へとやってきた。そこは天を貫くほど大きな大樹のふもとである。
「これがユグドラか――まだまだ若いな……」
 そして、枝の隙間から入り込むと――そこには何者かがいた。
「お待ちしておりました、我が主――」
 そいつは何やら闇を帯びたような存在だった。
「ふむ……ウロボロスが斃され早速やってきたな。して、ここにいたやつはいずこに?」
「”クライアスが謀反を起こし、精霊界を破壊しようとしている。 精霊界の存亡にかかわる事態ゆえに会に馳せ参じ状況を直接報告せよ――”と伝えたところ、 この場からいなくなりましてございます――」
「結構。なら、早速始めるか――」
 一体何をするつもりなのか――