だがしかし、それから1日半ほど経っただろうか、
妙なことが起こったようだ、それは――
「あれ? 姉ちゃん達、そんな恰好で一体どうした?」
十字架にはりつけにされていた3人はいきなり解放された。
「だ、誰か! 誰か! 姉ちゃんたちを助けてやってくれ!」
フレアとレオーネ、そしてディウラの3人は何が何だかわからぬまま助けられることに――
その一方で、カイルたちのところでは、とんでもないことが起きていた、それは――
「一体何がどうなっているんですか、エメローナさん!?」
カイルはそう叫んでいた、彼女の恰好はドスケベなベビードール姿……
だが、隠すところはしっかりと隠されており……それでも彼女のご自慢の大きな胸はしっかりと見えるのだが。
そして下には可愛らしいフリフリな短いスカートで何とかカバーされてはいるものの、これもまたいい……
カイルはひそかにそう思っていた。
そのため、メロリーナも彼女には警戒しカイルの少し前に立っているが、
エメローナの態度はまるっきり違うものとなっていた。
「面倒をかけてごめんなさい、本当にみんなに酷いことをしていたみたい、
謝っても許されることじゃあないかもしれないけど、本当にごめんなさいね――」
あの時の嫌な女っぷりや女豹っぷりはどこ吹く風か、
なんだか元に戻っている……というよりかはなんだか妙にしおらしくなっている気さえする――一体何があったんだ!?
「みんな、本当にごめんなさい。
パティもごめん、あなたのことを泣かせちゃっただなんて、私ってひどい女ね――」
「そんなことありませんよ! 元に戻ってくれてよかったです! けど、急にどうしたんです?」
エメローナは首を振った。
「私が悪かったのよ、それであなたたちに謝りに来たの。
他のみんなにも謝らないといけないわね――」
するとそこへバルファースが言った。
「蹴ったり殴ったりした男連中には謝らなくたっていいからな、そいつらは幸せだったんだからな」
だが、エメローナは彼に対しては妙に素直に答えていた。
「わかったわ。本当にごめんなさいね、みんな――」
エメローナはとにかくていねいに謝っていた、本当に一体何があったんだ?
話を聞いたフレアとレオーネ、そしてディウラの3人はエメローナの元に言った。
「3人とも……酷いことをして本当にごめんなさい――」
謝るのはいいが、もはや不気味なほどにまでしおらしい彼女に3人は違和感を覚えていた。
「元に戻ればそれでいいのだが――一体何がどうしたというんだ?」
フレアは訊いた。
「エメローナらしくない――」
レオーネも悩んでいた。
「そうよ! エメローナ、元に戻ればそれでいいのよ!」
ディウラは彼女を元気づけていた。そこへバルファースが現れた。
「おっと、今度はこんなところにいたのか。
さ、次のことでも考えようぜ。エメローナ、いい加減そうするぞ、な?」
「ええ、わかったわ――」
ど、どうしたんだ……その様子を見ていたカイルたち、
だが――その3人の女性たちはとんでもないことに気が付いた、それは――
「ちょ、ちょっとディーマス……」
ディウラは恐る恐る聞いた。
「お前、まさか……」
レオーネも恐る恐る聞いた。
「まさか……! エメローナ、そうなのか!?」
フレアは焦っていた。
「なんだ? 今度はどうしたんだ?」
カイルは何食わぬ顔で訊いたのだが、彼らはこれからとんでもない話を訊く羽目になったのである……。
あの3人の女性陣が吊し上げられた後――バルファースは単身酒場へと行こうとしていた。
「ったく、面倒なことになったもんだな――」
すると、例の男たちがたむろしている現場へとやってきたバルファース、
つまりはエメローナ様が根城にしているあの建物ということである。
「女が入ろうとするから争いになるわけで、男が入りゃそんなことにはならねえってか?
もっとも――それはそれであの女に心を奪われること請け合いってか――」
そう考えつつその建物に入ろうとするバルファース。
「何者か? ここは我らが女神エメローナ様のお住まいなるぞ!」
奴隷にそう訊かれるとバルファースは調子よく答えた。
「その女神エメローナ様ってのは美人だそうじゃねえか、
だから俺もその女神エメローナ様をこの目で拝んでみたくなってな――」
建物の中へと通されたバルファース、そのまま彼女のいる場所まで促されると彼女の前までやってきた。
「あぁら♥ もしかして、わざわざこのアタシに会いに来てくれたのかしらぁん♥」
「だから今ここにいる。なんと言ってもあんたはイイ女だ、俺が今まで見た女の中じゃあ一番の女だな」
そう言われたエメローナは少し戸惑っていた。
「あ、あら、そう……ずいぶんと物好きな男ねぇ……でも、あんたみたいなのが一番困るのよねぇ――」
「困る? そうか、俺をどうしたら奴隷に作り変えられるか困ってんだな、訊いたとおりだったな――」
すると、バルファースはエメローナにさらに近づいてきた。
「でも、俺はすでにあんたにハマっている、なかなかいねえ女だからな、そりゃあそそるもんだ」
得意げな態度でそう言うバルファース、それにはエメローナも嬉しそうに答えた。
「ウフフッ♥ それでこのアタシの美の奴隷になりたいってことなのねぇん♥
だったらいいわぁん♥ アンタの望みをかなえてあげるわぁん♥」
だがしかし――
「えっ……!?」
エメローナは焦っていた、バルファースは彼女に迫っていた――
「俺は既にあんたの美の奴隷なんだよ。
でも、それ以上あんたに淫らな行為をしてほしくはないからな、こうしてあんたにトドメを差しに来たんだ、
覚悟しとけよ――」
そして――バルファースはエメローナにトドメを差したのだった……。