レオーネは北西の海を眺めていた。
「アトレーニア……かつて伝説にも名高い”ミスリル”と呼ばれる伝説の鉱石が採掘された土地か――」
しかし、黄昏ている彼女にも魔の手が――
「あぁら♥ こんなところに痴女がいるわぁん♥」
エメローナだ――
「私のことを言っているのか?」
レオーネは冷静に言い返した。
「ほかに誰がいると思って?
ずいぶん前に金持ち男と結婚したのに捨てられて、
そしたら今度は男の気を引くような恰好をしてたくさんの男たちの視線にくぎ付けにされて悦に浸っている女……
そんなアバズレ女が他にいると思って?」
レオーネは腹を立てていた、当然のことだが。
「その言葉、そっくり言い返してやる……アバズレ女も痴女もエメローナ、お前のことだろう!?」
そう言われたエメローナは楽しそうにしていた。
「ウフフッ♥ まさしくそのとーり♪
だったらアバズレ女はアバズレ女らしくそれに相応しい格好をしなくてはいけないわねぇん♥」
何を……!? レオーネは身構えていた。
「今のあんたに何を言ってもムダのようね! だが、私はこれ以上あんたの挑発には乗らない!」
彼女はそう言い切るが、エメローナはニヤッとしていた。
「別にそんなつもりじゃないから安心して。
言ったでしょ、アンタみたいなアバズレはそれらしい恰好をしなさいって?
ほら、これがその服よ、さっさと着替えなさいな――」
誰がそんなもの……レオーネは無視していた。
「あら、そう……そういうつもりなのね? まあいいわ。
じゃあ、好きにすればー? ウフフッ♥」
なんだ? なんだか妙に嬉しそうにしているエメローナ、嫌な予感がしたレオーネは慌てて振り向くと――
「何っ!?」
そこには5人の男が!
「こいつら、女の服を脱がすのが趣味なんですって! だからこれからその願いをかなえさせてやろうと思ってさぁ♥
ほぉあぁ♥ さっさとやっておしまいなさいな♥ うっふぅん♥」
襲われる! レオーネはスキをついて逃げることにした、ところが……
「ウフフッ♥ 捕まえたわぁん♥」
なんと、エメローナの鞭がレオーネの脚に絡みついた!
「このアタシから逃げられると思って?
そもそもアンタみたいなメス豚の行動なんか見え透いてんのよ。
ウフフッ、さぁて♥ この女、どうしてやろうかしらぁん♥ ウフフッ♥」
男たちが集まってきた!
「や……やめろ! やめてくれ――!」
レオーネはそう訴えるとエメローナは奴隷たちに止まるように指示、
そしてレオーネの前に立ちはだかると、彼女の顔の前にムチを垂らした。
「だったら着替えるわよねぇ? おら、さっさと着替えなさいよ、この……アバズレ女が!」
ということで現状がこれである、
パティは泣きじゃくっていてなだめられており、今はザードをぎゅっと抱きしめている。
一方のレオーネはトップスが胸元が大きく開いたセクシーなドレスのような感じで、ボトムスはメロリーナではないが、
フリフリの可愛らしいフレアーなとても短いミニスカートというなんとも男目を引きそうな見た目で、
全体的に彼女のアイドルのイメージカラーであるパステルパープルの色でまとまっているが、そんな彼女は悔しそうにしているのであった。
「レオーネ、大丈夫?」
ディウラは彼女に寄り添い心配していた。
「私は平気だ、だが……エメローナが……」
彼女のほうが心配なのか。
「ウフフッ♪ 次は何をしようかしらぁん♥」
あのドSの女王様は男たちを侍らせながら現れた。そこへフレアが……
「エメローナ! いい加減にしろ!」
彼女に向かって怒りをぶつけていた。
「あぁら、フレアじゃない♪ フレアもディウラもアバズレ族の女だったわよねぇん♥
仕方がないわねぇ……集めた男を分けてあげるわぁん♥」
この女! フレアは剣を引き抜いてエメローナに向けた。
「エメローナ! 一体何がどうしたというのだ!
”アトレーニア”に向かって”ウロボロス”を斃すのではなかったのか!」
するとエメローナは舌打ちをした。
「もちろんよ、行くに決まってんでしょ?
でも、それだけじゃあ味気ない旅になっちゃうから、ちょっとばっかり楽しんでるだけじゃなぁい?
それに、アタシだってアバズレ女族の血を引いてるんだからこれぐらいのこと、許されるわよねぇん♥
何がいけないのよぉん?」
「お前のせいでみんなが嫌な思いをしているのだ! ふざけるのも大概にしろと言っている!」
エメローナは今度はため息をついていた。
「何言ってんのよ? 勘違いにもほどがあるわねぇ?
ったく、この女、頭悪いんじゃいかしら? まぁ……知ってたけどねぇ♪
さあ、ほら! この剣退けなさいよ、このク○女! アタシの美しいボディに傷でもついたらどう責任取るつもりよ!?」
だが……フレアはそのままエメローナの顔めがけて剣を向けていた。
「あら、そう……そういうつもりなのね、痛い目にあいたいってことね、それならそれでいいわ。
なら……望みどおりにしてアゲル♥ さあアタシの可愛い美の奴隷たち! 早速やっておしまい♥」
はい、女王様、仰せのままに……エメローナは奴隷たちを従えフレアに襲い掛かってきた!
フレアとエメローナの激しい戦いは続いた。
フレアの戦闘能力の高さゆえか、そこいらの格下の男では2人の動きにはついていけていない。
「どうした! 男を操る力に執着するばかりに腕は鈍ったか! エメローナ=シルグランディア!」
フレアは善戦していた。
「鬱陶しい女ね! だからお前みたいなク○女はキライなのよ! ほらぁ! アタシの可愛い隷共!
この女を早くたたんでおしまい! そしたらこの女、アンタたちのオンナにしてあげなさい!」
それに男たちは歓喜しており、再びフレアに襲い掛かった!
「戯け! 私はそんなものになるつもりはない! いい加減に目を覚ますのだ、エメローナ!」
フレアは力を振り絞り、さらにエメローナに立ち向かった!
「これで終わりだ!」
最後にエメローナのガードを貫いたフレア、剣がどこかに飛んで行ったエメローナの顔に剣が向けられた。
「いい加減にしろ、エメローナ!」
そして彼女はそう言い放つと、エメローナは観念した。
「ちっ! 何よ! 何なのよ! マジで鬱陶しい女ね!
わかったわよ! おとなしくしていればいいんでしょうが!
ったく! アタマに来るわねぇ! おら! いい加減にその剣退けなさいよ!」
彼女は腹を立てながらそのまま去っていった、そこにあった宿屋の中に単身入っていった。
「エメローナ、悪いな……あと少しの辛抱だ――」
フレアはエメローナの身を案じていた。
フレアたちも宿屋に泊まろうと部屋を取ろうとしていた、すると――
「部屋が既にある?」
「は、はい……先ほど色っぽい見た目の女性が来られまして、あなたたちのお代も支払われていましたよ?」
そんなやり取りに一同は目が点になっていた。
「てっきり、私らのことはどうでもいいのかと――」
ディウラは悩んでいるとフレアは首を振った。
「自分に起こっている身に対する贖罪なのだろうか、それとも根っからの金銭に対する無頓着さゆえなのか――」
え、そういう人!? カイルは驚いていた。
「お金にルーズなの!? あの人が!?」
フレアは考えて答えた。
「ルーズという程ではないが、それでもそういうキライはあるな。
もっとも精霊界の生物だからな、金銭に対する認識は二の次三の次だと思っていいだろう。
お金に糸目をつけずにあれこれ暴飲暴食するのもそう言った理由も一因にある」
マジかよ。
「しかも余越の金は持たない……などと言ったらある意味完璧なんだがな」
バルファースはそう言った、いや、流石にそんなことは――
「まさにその通り、必要以上の金は持たずにすべて使い切るのがあの女のやりかただな」
えぇ……言い換えれば計算高いということかよ。