ドラゴン・スレイヤー ~グローナシアの物語~

第4章 世界の綻び

第106節 ジェネレーション

 翌日、レンドリアからの出発……
「お姉ちゃんカワイイ!」
 ザードが興奮していた、またエメローナだろうか、そう思っていると――
「なっ!?」
 その姿に誰しもが驚いていた、 色合いは全体的に青基調で上は白、スカートは真っ青という感じだが、 スカート丈はここ一番というレベルでさらに短く、全体的なコーデとしてはどう考えてもセーラー服……
「ほぉ、こいつはいい眺めじゃねえか、一体何がどうしたってんだ?」
 バルファースは調子よさそうに言うとエメローナは得意げに答えた。
「いやさ、前々からティアエンのメンバーには短いの履けって言ってきているのよね。 で、この際だから彼女らの身になってティアエンの衣装のほうに寄せることにしたのよね。」
 またずいぶんと思い切ったことしてきたんだな。
「でもいいのか? それこそ何かと虫が付きそうな気がするんだが――」
 流石のフレアも心配そうに訊いた。
「ええ、全然余裕よ。 昨日みたいに男どもにエロい目で見られようが何しようが、 一応これでも女やっているからまあそれもいいかと思ったわけよ。 あ、でももちろん一線を超えようとしてきたら……」
 それは聞かんでもわかる、恐らく影も形もなくなるんだろうな。 だが、それにしても思い切ったことをしてくるもんだ。 ってか、流石に昨日男どもにジロジロ見られていたことは知ってたか。
「で、でもさ、これから寒冷地に入ろうってのにそんな肌の露出、平気なのか?」
 カイルは心配そうに聞いた。
「それは平気よ、こういう時のために魔法の力ってのがあるわけだからね。」
 そこまでするか。
「だが、今更だがいつも通りに動くとモロ見えじゃねえのか?  そっちのもそうだが――」
 そっちのとはメロリアのことである。その問いに対してエメローナは得意げに答えた。
「ええ、もちろん見えるわよ、 男共の妄想を膨らます”夢の世界(ドリーム・ワールド)”の天井である以上は当然な。」
 そんなこと堂々と言わんでも。いや、待てよ――
「ってことはだ、そいつもシルグランディア・クオリティ的にそうそうに見れねえように仕掛けてあるってことだな」
 と、バルファース……確かにそれなら安心だが、あえてそんなことしてまで短いの履きますか……。オシャレとは奥が深い……。
「そうなんだよなあ、不思議と天井は見えないんだよなあ……」
 カイルはそう言いつつメロリンちゃんのほうに目を向けると、メロリンちゃんはなんだか嬉しそうにしていた。 そうだよな、お前らデキてんだもんな。

 とはいえ、なんだかミニスカートを嫌がっていたハズのエメローナだが、 むしろ気に入っている様子だった、とある宿場町での休憩にて――
「ずいぶんと気に入っている様子だが?」
 カイルはそう訊くとエメローナは答えた。
「似合ってるってんならそれもいいかと思ってさ。 それにせっかく履き始めたんならとことん履きこなしてやろうと思ったまでよ。」
 あ、なんかどっかで聞いたようなセリフ。
「一旦こだわり始めると止まらないタチなんだ」
 フレアはそっとそう言うとカイルは悩んでいた。
「なるほど、やっぱり妙な人だな、その考えは服装にまで及ぶのか……」
 エメローナはなにやら作業をしていた……なんだか知らんがようやるな。

 そして、いよいよ”ノース・エンド”と呼ばれる場所までやってきた一行。
「”北の終わり”って意味だよな? どうしてそう呼ばれているんだ?」
 カイルは首をかしげているとグローサルはエメローナの女神脚に見入りながら言った、 というか、男性陣はだいたい彼女の女神脚に見惚れている…… カイルはどちらかというとメロリンちゃんの脚のほうに食いついているが。
 しかし、エメローナはまったく気にしていない様子……。
「確か、フレアガルディスよりも以前からずっとそう呼ばれている場所らしいです、どういうことなんでしょう?」
 エメローナが答えた。
「この時代やフレアガルディスの人間にはわからんでしょうね。 そもそもこの”ノース・エンド”ってのは単なる北の終わりでなくて、 ここの”平原部の北限”っていうのが正式なのよ。 つまりこの”アルフレド大平原”の終わりで、こっから先はアルタリア大雪原だってことをあらわしているってわけね。」
 と、お姉さんは説明するが、グローサルとフレア以外は首をかしげていた。 そこへフレアがそっとフォロー……
「すまん、”アルフレド大平原”は昔の呼び名で今の”アルダラム大平原”だと思ってくれればいい」
 なるほど、一同は納得していた。しかしエメローナとグローサルは――
「ったく……言われてみればそうだったわね、またか――」
「1,000年前とは違うんだ、わかってはいるのだが――」
 ジェネレーションギャップを感じて悩んでいた、 ジェネレーションギャップというにしてはギャップがありすぎるのだが。