2人とそのまま分かれることになったカイル、
そういえばそもそもメロリンちゃんに連れられて俺どこにいたんだっけ、そこから悩んでいたカイル。
これはメロリンちゃんを探すべきか、それとも宿屋でフレアたちと合流するか――
メロリンちゃんも捨てがたいし……カイルは悩んでいた、完全にメロリンちゃんにやられているな。
だが、その時――
「あはっ♪ カイルみーつけた★」
メロリンちゃんと遭遇した! いつも通りの可愛げな恰好の彼女が!
いきなりのことだったので少し驚いていたカイル、少し焦っていた。
「みんな戻ってきたからカイルも戻ってきたかなーと思ってやってきたんだ★」
メンバーか。
だけど、どうしてここがわかったのだろうか、カイルは宿屋の前まで戻ってきていた、どうしてわかったのだろうか。
「カイルだったら多分ここに来るんじゃないかなーってね♪」
まあそれもそうか、確かに行く当てなどない。
ましてや時間的には夕方、これからハンターズ・ギルドっていう感じでもないしな。
再びメロリンちゃんとデート気分、カイルは気分が上がっていた。
どうしてだろう、彼女と一緒にいるとなんだか楽しい……これが人を好きになるということ!?
「ねえね、あっちでの仕事、どうだった?」
メロリンちゃんがそう訊くとカイルは考えていた。
「というか、アーティファクトの警護だったってあっちに行ってから初めて知ったんだぞ?」
それに対してメロリンちゃんは悪びれた様子で答えた。
「ごめんなさい! きちんと言えばよかったね!
そうそう、私はカイルにアーティファクトの状態を見てきてもらいたかったんだ!」
様子を見てくるって? カイルは訊いた。
「うん! だって、アロザルト家はアーティファクトを持っているんだもん!
だけど、アロザルトはシェルベリアの行動に対して危機感を覚えオデアスに保護するよう頼んだ――
どうやら本当のことだったみたいだね!
だからそれで本当にそうなったかどうかをカイルにきちんと見てきてもらおうと思ってね!」
……あれ、なんか、話が妙な方向に――
「どういうことだ!?」
カイルは焦ってそう訊くとメロリンちゃんは答えた。
「うん! 私たちの狙い通りだったってわけだよ!
もっと言うとプロデューサーのお姉様の狙い通りなんだけどね♪
だからカイルには現状のアロザルトのアーティファクトの状態を見てきてもらおうっていうのが狙いだったんだ!」
なんだって!? カイルは驚いていた。
「いや、あの……というか、プロデューサーのお姉様って!?」
が、しかし――
「でも……カイルは私の言うことを聞いてもらうからね♪
だって言ったでしょカイル、私はアーティファクトがほしいって♥
あなたからアーティファクトを巻き上げたのもすべては私のため……
そう、カイル……あなたは私のためだったらなんでもするの、そうでしょ、カ・イ・ル♥」
そ、そういわれるとカイルは……何故だ、なんだか無性に――
カワイイ……メロリンちゃんはなんて可愛いんだ……メロリンちゃん……
カワイイ……とにかくカワイイ……すべてがカワイイ……最高だメロリンちゃん……
俺はメロリンちゃんのためだったらなんでも――
「お、俺は……」
「ねぇカイル♥ もうわかったでしょ?
さあ、わかったらさっさと行きなさい……あなたは私のために動くのよ、そうでしょ?」
揺れ動く短いスカート、それと連動しているカイルの心は彼女に無我夢中――
そして……カイルは気が付いた。
「はっ!? 俺は一体何を……」
だが、その手にはあの”水鏡の破片”が!
「なっ!? いつの間に!?」
しかし、隣にはエメルナが――
「よう! やったじゃないか!」
なっ!? いつの間に!? カイルはいきなりびっくりした。
だが、エメルナの恰好はメイド服ではなく、どこかのいいところのお嬢様のような装いで、
まるで見違えたようだった、その姿はディウラさんともいい勝負……
「言ったろ? オデアスの家は今はまさに手薄な状態なんだって。
もっとも、あんたはただメロリンちゃんの言うことだけを聞いていただけだからまったく気にしてねえかもしんねえけどな!
アハハハハハハ!」
そうだ! メロリンちゃん! 一体なんなんだ彼女は! カイルは焦っていた。
「メロリンちゃんはメロリンちゃんに決まってんだろ、私らティアエンのリーダーのメロリンちゃんだ」
「だけど彼女、何者かと結託して――」
しかし、エメルナは首を振った。
「んなことするわけないだろ、
もし彼女がそうだったら私ら全員がそうだってことになる、
つまり私にも喧嘩を売ってることになるんだぜ?」
えぇー!?