「ほら! これ!」
ミリエラはそう促した、そこにはティアエンメンバーの等身大パネルが!
「恥ずかしいけどな――」
エメルナは照れていた。
「ん? ”女神脚”?」
それはメロリンちゃんの等身大パネルで彼女の脚の左隣に”女神脚”とデカデカと書かれていた。
脚の右隣には”ドリーム・ワールド”と書かれており、彼女のスカートの下の部分をすべて指しているように見えた……
ずいぶんとサービス精神旺盛な娘なんだなぁ……。
「メロリア姉さんのスカート丈だけ特別短く作られているんです。
その効果でファンの間でまるで女神様みたいな御御足(おみあし)ということで”女神脚”、
転じてメロリンちゃんは女神様だってことでファンの間では神聖視されているんですよ♪」
ミリエラは楽しそうに言った、それはわかる気がする!
メロリンちゃんにメロメロリンされた側としてカイルは納得していた、
そしてその脚はまさに”ドリーム・ワールド”を支える綺麗な柱なんだな! カイルは興奮していた。
しかし、それにしても……等身大パネルをみてようやく気が付いたカイル、メロリンちゃんって身長177.7cmでIカップ……
大きなものをお持ちなのはなんとなくわかっていたが、思いのほか大きかったんだなと。
確かに大きいのはわかっていた、だが、それ以上に背が高いのか……今更になって気が付いたのであった。
だって、あのパティが161.1cm、イメージとしては同じぐらいの女子を考えていたのでものすごいギャップである。
「これで男でもできれば本当に言うことないんだけどねぇ、カイル……?」
と、エメルナは意地が悪そうに言った、やっぱり俺ですか――
「そうですよ、カイルさん!」
ミリエラもワクワクしていた。
ちなみに彼女は135.7cm、エメルナは165.2cm、そしてまだ会えていないレオーナが176.6cmと、
わずかだがそれでも”女神脚”のメロリンちゃんが一番背が高いらしい。
何もできないと思われがちなミリエラだが、メイク効果で大人っぽさがややアップ、
カイルと共にハンターとして、むしろ彼のアシスタントとしてここに採用されたということらしい。
そして話は戻り――
「ということで改めてよろしくね、カイルさん♪」
「ああ、よろしくな、ミリエ……いや、デミアさん!」
休憩時間空け、エメルナと別れ、カイルとミリエラは持ち場に戻った。
デミア……あえて偽名なのか。
ちなみに、エメルナもここでは”エナリア”という偽名を使ってここにいるという。
なんだか知らないが、シェルベリアの使いの人が来てからというものの、なんだか慌ただしい事態に発展していた。
「おい! そこの雇われ!」
なんだかいきなりずいぶんと乱暴な口ぶりだな、そう思いつつ、カイルは自分たちにそう言ってきた守衛の話を聞くことにした。
「今日のところは見回りはもういい!
終了時間までそっちを見張ってろ! いいな! わかったな!」
一体何がどうしたっていうんだ……まあ、これも契約だからな、従っておくか、カイルはそう思った。
「なんか、急に風向きが変わりましたね――」
ミリエラはなんだか呆れた様子でそういうとカイルは腕を組んで悩んでいた。
「一体何がどうしたっていうんだろうな、まさか本当に図星が効いているのだろうか――?
でも、それにしたっていくら何でも焦りすぎなんじゃ……」
なんだかよくわからず、そのまま終了時間を迎えていた2人。
「あと30分ってところだな」
「そうですね……周り、みんないなくなっちゃった……」
言われてみれば、守衛の類が数人程度いたはずだが誰もいなかった。
そのせいでちょっとした休憩もできず、この場でカンヅメ状態だった2人、
もうそろそろいいかと思ってただじっと言われた通りにアーティファクトを見張っているだけだった。
するとそこへ――
「カイルさん! デミアさん!」
アデラスが焦った様子でやってきた。
「ん? どうかしました?」
カイルは訊くとアデラスは話をし始めた。
「すみません、バタバタしておりまして。
もうじき、終了時間でしたよね?
確かにその通りだが――彼は話を続けた。
「その、申し訳ないのですが、今回の仕事の件、本日で契約終了ということでよろしいですか!?」
え、どうしてそんな急に――カイルは訊いた。
「どうしてですか? まあ……俺は全く構わないですが――」
ミリエラも頷いた。
「まあ……どうしてもとおっしゃるのなら――」
アデラスは頷いた。
「すみません、本当に。
理由は聞かないでください、御覧の通り、立て込んでいますので――」
むしろ忙しいというのであれば人手が必要そうなものだが――
そして、2人はそのまま屋敷を追い出されるように出ることとなった。
「やれやれ、天下のオデアス家も終わりだね」
ミリエラは呆れたように言った、そういう家だったのか、どういうことだろうか。
「昔はこのあたりでも名のある大地主の家として有名だったそうよ。
でも、アロザルト家の台頭で何もかも失ってしまったのよ、
莫大な富を利用し、そしてあの手この手で――」
それ、連中はシェルベリア家の話みたいに言っていたな。
「だけどオデアスとしては結局アロザルトにすがるしかなかった、
というのも、今のこの家の地位が保てているのもアロザルトのおかげ――
だからオデアスはアロザルトの言いなりってわけなのよ」
うーん、そういうのもなんだかなぁ……。
「でも、シェルベリアはアロザルトに屈しなかった?」
カイルは訊くとミリエラは首を振った。
「屈しなかったんじゃない、そもそも相手にしていないのよね」
どういうこと?
「オデアスの地位を失墜させるのに利用したのは文字通りの罠、
アロザルトは狡猾にもありもしない契約をオデアスに持ちかけたのだそうよ。
具体的な話はずいぶんと前の話らしいから私は知らないけど、それがすべての始まりだったみたい。
でも、シェルベリアはまったく相手にしなかった――
”大御所様”が”如何なるうまい話でもは一切乗っかるな”と指示したからね――」
お、大御所様……なんか、すごいやつがいるんだな――。
だが、それが明暗を分けたということらしいな。
「さてと、そうと決まったらもう帰りましょ」
と、後ろから急にエメルナが現れた!
「えぇっ!? いつの間に!?」
「何よ! 私がいたらいけないわけ!?」
め、滅相もない! カイルは焦っていた。
「エメルナ姉さんも暇に出されたの?」
ミリエラは訊くとエメルナは頷いた。
「ええまあ、そんなところよ。今、オデアスの家はほぼパニック状態だってさ。
とにかく、アデラスが人をリンブラールに寄こせって怒鳴り散らしている状態ね。
しかも、バックについているアロザルト家でも怒号が飛び交っているってレオーネから聞いたわ、
面白いことになってきたわね!」
面白いって……カイルは悩んでいた。