ドラゴン・スレイヤー ~グローナシアの物語~

第4章 世界の綻び

第82節 団員続々

 カイルはアーティファクトの前までやってきた。 すると、そこには女性の後ろ姿が――
「ん? あれは――」
 しかし彼女は去ってしまった、服装の色は……紫色のような色だったかな?  もしかして……レオーネさんとかいう人かな!? そこへ入れ違いにアデラスがやってきた。
「おはようございます、カイルさん!  それでは、本日もよろしくお願いいたします!  それと、後ほど新メンバーをつけますのでお願いしますね!」
 新メンバー? だが、アデラスはそう言い残して去ってしまった。

 とりあえず、見回りを始める時間と思って動き出したカイル。 その場にいた守衛にその場を任せ、屋敷の中を歩き始めた。 するととある廊下にて、歩いていく方向にはアデラスの姿が――
「ああ、カイルさん、ちょうどよかったです、見回りですよね?」
「え? ええ、そうですけど――」
 すると、アデラスの隣にはまた可愛らしい姿をした女性が――
「彼女が新メンバーです、彼女もまたあなたと同じ、ハンターズ・ギルドで雇ったハンターの一人なんですよ。 まずは彼……シュリウスから来たというハンターのカイルさんです。 シュリウスのハンターというからには確かな仕事をしてくれることは間違いないでしょうな!」
 カイルが今回の件で雇われた主な理由はそこか。
「そして、彼女はデミアさん……地元ではそこそこに腕利きのハンターなんだそうです。 これでもハンター業界のことは疎いので申し訳ないのですが、 2人で頑張っていただければと思います! どうぞ、よろしくお願いいたしますね!」
 そういいつつ、アデラスはデミアをカイルに預けた。
「よろしくね、カイルさん!」
 デミアは元気にそういった。

 だが――
「さて――」
 デミアはそう言うと、とある部屋の前に立ち止まり、その扉をノックしていた。
「え、ちょっと――」
 カイルは焦っているが、部屋の中からある人物が現れた、エメルナだ。
「あら? ……さっさと入って!」
 エメルナは急かすように2人に言うと、2人は部屋の中へと入った。 すると、デミアが――
「エメルナ姉さん! ご無事で何よりです!」
 姉さん? どういうことだろうか、カイルは訊いた。
「何言ってんのよ、この私がこんなことでヘマするわけないでしょ?  ったく、ミリエラは本当に心配性なんだから――」
 ミリエラ? それが本当の名前ということは――
「キミも”ラヴリッシュ・ティアーズ・エンジェル”の1人ってこと?」
 ミリエラかわいげに答えた。
「そうでーす♪ ”ラヴリッシュ・ティアーズ・エンジェル”のミリエラちゃんとは私のことでーす♪」
 確かに可愛い……可愛いげな服装の理由はここにあったのか。 なんていうか、とにかく彼女は可愛いを全面に押し出している見た目だった。 その点はメロリンちゃんともいい勝負だが、彼女はとある問題を抱えていた、それは――
「ったく、私のこと姉さんって呼んでるけど、ミリエラのほうが年上なのよね――」
 と、エメルナは呆れていた、まさか――
「えへへ♪ そう、私のほうが年上なんだよねー♪」
 ミリエラはむしろ見るからに年端のいかない小娘という感じだった。 その点はメロリンちゃんも似たような背徳感を背負っているが、 彼女の場合はさらに深刻で、手を出したら250%捕まるだろうというぐらい幼い印象だった。
「こういう病気なんだよね、だからみんなから可愛いって言われても恋愛には絶対に発展しないし、 たとえ恋愛しても結婚なんてところまでは絶対に行かないんだよねぇ――」
 確かに結婚して子供ほしいってことになると男としては少々不安な見た目か……カイルは悩んでいた。
「でも、カイルはメロリンちゃんの彼氏なのよねぇ?」
 エメルナは意地が悪そうにそう言った……いや、それはその――カイルは焦っていた。
「えっ……本当に……? 素敵! カイルさん、絶対にメロリン姉さんのこと幸せにしてあげてくださいね!」
 目を潤ませつつ、嬉しそうにそう言うミリエラ、まだ決まってないから!  カイルは焦っていた、気があるのは確かだが。 しかしそれにしてもこのあどけなさ、本当に女子高生か女子中学生の女子のノリで言われている感じしかしないな……。

 ミリエラちゃんの服装はなんとなく子供服という感じだな、 メロリンちゃんの似たようなデザインのフリルのトップスとスカートだった。 そしてそのあどけなさゆえか、スカート丈は短くともメロリンちゃんのように短すぎるほどではなく、 さらに肩や胸の露出はほとんどなかった。 イメージカラーはイエローと聞いていたが、その際の服装の色はカーキである。