ドラゴン・スレイヤー ~グローナシアの物語~

第4章 世界の綻び

第75節 メロリンちゃんにメロメロリン

 しかし、それにしてもこの光景はほかの人に見せられないな、カイルはそう思った。 一応同じ仕事をしている立場とはいえ、地元アイドルの娘と一緒にいるというのは……。
「それでー、どんなご依頼内容ですかー?」
 メロリアは訊いた。
「おお、それもそうだな、いつまでも鼻の下伸ばしているわけにもいかねえな。 実はヴァナスティア千年祭の――」
 最近多い依頼内容か。 緊急とは大げさな気もするが、それでも例のクラック・アルコズの積み荷の件からもわかる通り、 贈り物をする側からすると悠長にしているわけにもいかず、 結局緊急性を担保しなければいけないということになりかねないのである。
「それでどの程度の品が取れるのかわからなくてな、 だからここは出来高制ということで頼まれてくんないだろうか?  もちろん、報酬にはちょいと色を付けてやるぜ、特にメロリンちゃんはかわいいから特別サービスだ!」
「まあ♥ ア・リ・ガ・ト♥」
 メロリンちゃんサービス精神旺盛だな、可愛げに振舞いウインクをキメて依頼者を魅了していた。 依頼者はあからさまに鼻の下を伸ばしつつ照れていた。
「ですって♪ だから一緒にがんばろうねカイル♥」
 と、彼女はカイルにも色っぽく話を振った、逆に女からは嫌われそうなぐらいサービス精神旺盛な気がするが構うもんか、 カイルはそう思った、カイルもまた依頼者同様に完全にメロリンちゃんの虜だった。

 彼女は戦闘服に着替えてくるというので今度は町の出入り口で待ち合わせすることにしたカイル。 彼女に魅了されていて話半分だったカイルだが、いわゆる素材採取系の仕事ということだけは理解していた。 だが……こんなアイドルみたいなかわいい子と一緒に仕事をするというのも悪くはない…… カイルはもはや満更でもない様子だった、男なので半分以上はスケベ心だが。
「お・ま・た・せ♥」
 彼女がやってきたようだ。 確かに、あんなアイドル全開なギャルチックな装いで戦うというのも無理があるというもの、 だったら戦闘服に着替えてくるというのは理にかなって――
「……え!?」
 カイルはそう思ったつかの間、むしろ先ほどの服装よりも際どい格好ではないか!  もはや戦闘服というのは男の心を取りに行くための戦闘服という意味なんじゃないかと言わしめるほどのエロチックさ全開な恰好だった。 簡単に言えばエロさ全開なピンクカラーのセーラー服のコスプレというものである。 肩の露出は抑えてあるが大きなバストは大きなリボンひとつで結んで抑えているだけで、 腹部は思いっきりへそを出しているというスタイル。 だが、問題はスカート丈であり、いわゆるマイクロミニのフレアスカートで、 これは完全に男の心を奪い取る気満々な装いをしていた。 言ってしまえばその装いは完全にどこぞの美少女戦士である。
「よ、よくそんな恰好で平気だな……」
 カイルはそう訊くと彼女はにっこりとしていた。
「うん! 全然へーき!  ほかのメンバーの子は嫌がるけど私は全然オッケー♪  裸じゃない限りは一通りの格好はだいたいこなしているんだー♪」
 すごい根性座っている娘だな……。
「さあカイル、行こ♪」
 彼女はそう言うと――
「うふふっ、そういえばカイルったら私にもう夢中なんだっけ♪  それじゃあ一緒に頑張ってくれるカイルには特別なことしてあげるネ♥」
 カイルの右腕に収まった……これはたまらん! もう完全にカノジョじゃないか!
「ねぇカイル、私のことちゃんと守ってオ・ネ・ガ・イ♥」
 さらに彼女は胸元を強調してカイルを悩殺…… カイルの視線は完全に彼女の大きなバストが形成している深い谷間……彼女にメロメロのデレデレだった。

 もはや完全にデート気分で素材を集めているカイル、メロリアに夢中だった。
「一通り集まった感じかな?」
 彼女はそう言うとカイルは答えた。
「ああ! なんとか集めたぞ! ほら、どうだ!」
 カイルは魔物を討伐してかき集めたいろいろな素材を見せていた。
「わあ! すごーい♪ 流石はカイル、強いのね♥」
 彼女のウインクにやられてカイルは鼻の下を伸ばして照れていた。
「はぁー、疲れたー! こっちで一緒に休もーよ!」
 そう言われてカイルは彼女の隣に座った。
「ところで、カイルって何しにエンケラスに来たの?」
 そう言われると、カイルはあっさりと旅の目的を話してしまった。
「アーティファクト?」
「ああ。それで、このエンケラスのどこかにそれがあるっていうことまではわかっているんだが、 それ以上のことはさっぱりわかんなくてな、どうしようか迷っていたところだったんだよな」
 そう言われて彼女は何やら考えていた。
「えっと、カイルが携えているその剣もそうなんだって?」
「ああ、”ドラゴン・スレイヤー”っていう代物なんだよ」
 ふーん……彼女は考えていた。
「そっか、でも……この町のアーティファクト、見つかるといいね!」
 ……いい娘だ!