いろんな仕事がある……
ボディーガードやら魔物討伐といったシュリウスでもよく見るような内容はもちろんのこと、
失せ人失せ物なんでもござれ、そんな感じだった。
中には浮気調査の類とかそんなものまであるのか……。
とにかくいろいろと探しているカイル、どうしようか考えていた。
そもそも本来の目的もある、だからそれに即した内容だと一番いいんだが……
「ん? なんだって? 緊急?」
と、受付が何やら後ろを向いて話をしていた。
「ああ、実はちょうど緊急の依頼が入ってな、詳細は現地で確認してほしいということだ。
残念ながらここで渡せる報酬はないが、依頼完了次第ボーナスをつけるという話らしい。
どうだ? 受けてみないか?」
そういう類の内容はシュリウスでもあったりするがリスクもある、
ここは慎重にしないといけないところだが――
「幸いなことに定員は2人、
あんたはシュリウスから来たばかりだから、もう1人はこちらから手練れを1人用意するつもりだ。
どうだろうか? こっちを勉強するつもりで受けてみないか?」
まあ、それならそれでありか。
それこそ、シュリウスのやつだからやっぱりお高く留まってんなと言われるのも癪だし――
「よし、契約成立だな。じゃあ、しっかりとやれよ!」
ああ……ちゃんとそういって迎えてくれるところはシュリウスとは違う……
あっちはただ「さっさと行ってくれ」っていうだけだもんな……。
ということで、指定の場所で待つことにしたカイル。場所は公園の噴水の前である。
するとそこへ――
「お待たせー♪」
先ほどのギャルハンターのような装いの女子が現れた。
これが依頼主か――そう思ったのもつかの間、
「あなたがカイルね? 私はメロリアです! 一緒にお仕事頑張りましょうね♪」
め、メロリア!? ま、まさか――
「え、さっきギルドでメロリンとか言われていた人!?」
よく見たら同じようなどころかほぼ同じ服装なのでは!? 案外気が付かないものである。
「うふふっ、そうだよー♪ あの場にいたんだもんね♪」
まさかこの人と一緒に仕事をすることになろうとは。
しかし露出している胸の谷間に短いスカート姿……少々目のやり場に困る装いにカイルは少し参っていた、
胸が大きくて長くてか細い綺麗な足が何ともたまらん……
「ふふっ、それじゃあお仕事一緒にがんばろーね♪」
しかもこんなのが手練れ……本当か……? カイルは悩んでいた。
ギャルというかアイドルというか……彼女の髪型もまさにアイドルそのもの、
これがツーサイドアップという縛り方……その留め具としてピンクのリボンでさらにかわいさを演出していた。
「よ、よくそれでハンターしようと思ったね……」
カイルは率直な意見を申し上げた。
「ふふっ、まあねー♪ 言ってもこれはただの副業でしかないんだけどねー♪」
なるほど、それならそれでカイルは納得していた。
「いろんな依頼があるって言ってたしね、需要がいろいろとあるわけか。
そうなると、正規のハンターだけでは足らないってわけだな」
彼女は頷いた。
「そういうことだね!
言っても私、これでも結構魔物討伐とか頼まれるほうなんだ♪
もちろん、カイルみたいに魔物討伐専従なんかと比べられたら足元にも及ばないんけどねー♪」
だろうな、カイルはカッコつけていた。
「本業は……アイドルとかかな?」
カイルはそう訊くと彼女は答えた。
「うふふっ♪ まあねー、アイドルもしているんだけどねー♪
このあたりじゃあメロリンちゃんって言われて一部じゃあ有名になっているんだ私ー♪」
でも、そんなのがよくもまあ魔物討伐まで頼まれるとかすごいもんだな、カイルは感心していた。
「アイドル”も”ってことは、それも副業ってことか?」
「本業はヒミツでーす♪」
いろいろとありそうなお人だな。
「よぉーし! 早速仕事にいきましょう!
そして、カイルさんが私のファンになってくれるように頑張りまーす♪」
おおっと、そう来たか、だが実際には――
「あなたのハートをメロメロリン♥ メロリンちゃんをよろしくね♪」
と、なんともかわいげなポーズとウインクをキメられるとカイルは彼女に魅了されていた。
「あれぇー? もしかして、もうメロメロだったりしますかー?」
両腕を胸の上に抱えて上目遣い……カイル的に彼女の存在はむしろストライクゾーンのど真ん中にいる存在だった、
なんといってもまずカワイイし……見た目もしぐさも何もかもが全部……って、完全にメロメロじゃんか。
そして、彼女のそのアイドルたる姿勢は仕事にもしっかりと表れており、なんとも前向きで積極的だった。
「あなたが依頼者さんですね!」
メロリアはその人物にそう訊ねた、相手はなんとも厳つい顔をした男だったが……
「おおっ!? まさか、”ラヴリッシュ・ティアーズ・エンジェル”のメロリンちゃんが俺の依頼を引き受けてくれたっていうのか!?」
なんだその肩書は。
「そうでーす♥ ”ラヴリッシュ・ティアーズ・エンジェル”の中では戦える女であるこの私が引き受けましたー♪」
つまりユニット名……アイドル・ユニットだったのか。
「おおっ! なら安心だ! ところで、そっちの男は見ない顔だが……」
彼女は信頼されているんだな。
「この人は”ラヴリッシュ・ティアーズ・エンジェル”の隷でーす♪」
隷……もはや否定はしない。
「あははっ! そりゃそうだ!
ラヴリッシュ・ティアーズ・エンジェル・メロリンちゃんと一緒にいる男ならメロリンちゃんの虜に決まってるわな!
もちろん、俺もメロリンちゃん推しだ! いつも応援しているぜ!」
「まあ! ありがとうございまーす♪
お礼に……あなたのハートもメロメロリン♥」
「俺のハートはメロリンちゃんにメロメロリン♥ メロリンちゃん様に捧げた!」
メロリアは依頼者を魅了していた、まさにファンサービス……。
「俺のハートもメロリンちゃんにメロメロリン……かなわねぇ……」
カイルのハートもすでに彼女に捧げていた、いい子だし、なんといっても可愛すぎる……。