エンケラスの町――
「さて、問題はここだな」
町の入り口にて、フレアは一言そう言い放った、どういうことだろうか。
「第4級精霊の間で真っ先に目をつけているアーティファクトのある場所――」
エメローナはそう言った、町の中にあるというパターンか。
「町の中ということだからな、誰かの所有物という可能性も考えられうるが――
ともかく、発見次第、交渉の余地があるということになりそうだな」
バルファースはそういうとフレアは頷いた。
「カイルの時と違って一筋縄ではいかなそうだ」
カイルは訊いた。
「でも、全部じゃなくていいって――エターニスに行くんじゃなかったか?」
バルファースが言った。
「でも、すぐそこに見えている代物をただ見過ごしていくというのも癪だしな?」
フレアは頷いた。
「そういうことだな、それに人々の中心に力の渦たるそいつがどのように扱われているのか――」
ディウラが続けた。
「まさに世界のパワーバランスにどう影響を与えているのか、
上位の精霊たちが気にする要素だらけってことですね――」
なるほど、そういうことか。
とはいえ、現状は他人の所有物の可能性もあってか視察したいというだけの話だったようだ。
無論、取れるのなら取っていくわけなのだが、
それにしても世界を管理する側からしたら力の渦たる代物がどう扱われているか気にならないわけがない――
しかもその中でも第4級精霊の間では真っ先に目を付けたほどの代物なのだからどれほどの代物なのか確認しないわけにはいかないのである。
ということで翌朝――
「ったく、面倒なことになったもんだ――」
カイルはそう言いつつ話を振ろうとしたが――
「あ、そうだった、そういや自由行動にするって言ってたっけ――」
誰もいないことに気が付いた、アーティファクトがあることはわかっているが手掛かりがない、
町の中なのでそれぞれで手分けして探すことにしたのだった。
「人の流れで力も流れてアーティファクトの在り処も特定しづらいっつってたっけな、
だとしたら、フレアが俺のドラゴン・スレイヤーを探し当てられたのって結構奇跡に近い出来事だったんだろうな」
カイルはそう考えた、シュリウスもまたエンケラス同様に大きな都の町、
そんな中でドラゴン・スレイヤーを探し当てられたのだから確かに奇跡だったのかもしれない。
ハンターであるカイル、結局ハンターズ・ギルドへと掛け合うことにしたのだった。
「ほう、わざわざシュリウスからやってきたのか、遠いところからご苦労なことだな。で、何の用だ?」
うぐっ……シュリウス並みの塩対応……カイルは冷や汗をかいていた。
だが、それには裏があった。
「おはよう! メロリンちゃん! 今日もカワイイねぇ!」
隣の受付がそういうと――
「おはよー♪ うふふっ、ありがと♪」
と、何ともかわいらしい格好の女性が。
どこからどう見てもハンターというよりはギャルというようなその装い……
思いっきり肩から胸元まで出している薄いピンクのトップスと白の短いスカートで全体的にフリルでフリフリな服装……
そんな女性に周りの男たちはただひたすら見とれていた、
こんなのでもハンターやってんのか――カイルは悩んでいた、時代は変わったもんだ、
シュリウスではまずこんなやつはいないだろう。
「お前はシュリウスのハンターだからあんな感じの歓迎は期待しないことだな。
さて、さっさと要件を言ったらどうだ?」
と、カイルを対応している受付、なるほど、シュリウスのハンターだから塩対応なのね、
カイルはますます悩んでいた。
「でも、ああいう女性がどんな仕事をするのかちょっとだけ気になっているんだけどな」
カイルはそう訊いた。
「まあそうだな、どこかのお高く留まっているハンターズ・ギルドと違って仕事の内容は多種多様に用意しているからな、
言ってしまえばそういうことだな。
だから対応についてもそいつに併せてやるのがウチの決まりってことだな」
カイルはシュリウスのギルドに変わって反省していた。
「でも、流石にシュリウスのハンターには仕事を紹介しないってことは――」
「ああ、そいつは安心していい。
基本的には来るもの拒まず、
だからどこかのお高く留まっているハンターズ・ギルドの者だからって邪険に扱ったりしないし、
どこかのお高く留まっているハンターズ・ギルドのようにやたらとよそ者を邪険に扱ったりしないぜ」
本当にごめんなさい……カイルはますます悩んでいた。