爆炎が少しずつ収まると、その陰から――
「おっと、こいつは――」
そこから男がそう言いながら現れた。
「どうやらこいつはいきなりアタリを引いちまったようだな、だが――」
と、今度はカイルたちを眺めながら言った。
「まさか先客がいるとはな、まあいい――」
と言いつつ男は懐の銃を取り出すと――
「そっちから宝の匂いがするな、
さあ、命が惜しけりゃ持っているものをその場に置くんだ」
と、フレアに銃を向けるとそう言った、フレアが咄嗟に何かを隠そうとしたのを見抜いていたようだ、まさかこいつは――
「お前が海賊か」
フレアはそう言うと男はすんなりと「そうらしいな」と答えた。
それと同時に男の背後から2人が現れると、片方は小柄だが杖を携えており、もう片方は大きな槍を持ってどっしりと構えていた。
「お、お前!」
カイルは海賊に向かってそう叫ぶと男は言った。
「カイルか、こんなところで会うとは奇遇だな。
でも、悪りいがこちとら商売なんでな、今回ばかりは諦めてもらおうか」
まさか、カイルの知り合いの海賊なのか!? しかし、今回はどうやら巡り合わせが悪かったようだ。
しかし、今回の巡り合わせはとことん悪かったようで――
「どうやら夜行性の連中を起こしてしまったようだな」
と、フレア……カイルたちがやってきた通路から無数の足音が!
「逃げようよ!」
ザードは海賊たちの後ろに回り込むと、彼らが出てきた壁穴へと飛び込んだ!
「やれやれ、タイミングが悪りぃな、どうやらそこの小僧の言う通りにするしかなさそうだ――」
と、海賊もおもむろに壁穴へと引き返していった。
「フレア! 俺達も!」
「……選択としてはそっちが正解か――」
おやおや、何かありそうだ。
だが、その正解が何なのかはすぐにわかる。
「うわあもう! しつこいなあ!」
「ったく、今日はとんだ災難な日だな――」
「クソっ、マジか……」
「やれやれ、もう昼飯の時間なのか?」
ザード、海賊、カイル、フレアはそれぞれそう言った。
そう、外も大勢のコボルトに囲まれていたのだった――
「ワレワレノタカラヲ返シテモラオウカ!」
すると、海賊はおもむろに――
「ったく、まだ盗ってねぇんだけどな!」
といいつつ、何かを地面にたたきつけ――
「フレア! ザード! 伏せろ!」
閃光弾だ! カイルが言うとフレアも咄嗟に反応し、腕を使って目を塞いだ!
「わわわわわっ!」
だが、ザードは反応が遅れた――
「カイル! このまま北に走れ!」
海賊はそう言いつつ、他の2人を連れてコボルトたちを尻目にそのまま北へと走って行った。
「フレア! 俺達も行こう!」
カイルはそう言って促し、
フレアは閃光で目がくらんでしまっているザードを抱き上げるとそのまま2人は海賊を追って北へと走って行った。
コボルトたちは一歩出遅れてたものの、それでも彼らを執拗に追いかけてくる。
「そういえば北に向かったのはいいが、どうして北なのだ?」
フレアは疑問をぶつけた、言われてみれば……カイルも悩んでいた。
「見ろ、やつら来るぞ……」
と、海賊は促すと、そちらのほうからもコボルトたちが――
「集まってきているな……」
フレアは悩んでいた。