ラスト・プレリュード ~運命の黄昏 忘れられし物語~

第3章 真に邪悪なる存在

第35節 邪悪なる闇

 ジェレランドは次々と闇の力を発揮し、3人をどんどん追い詰めていった――
「ぐはっ! なんのこれしき! この程度でやられる俺ではないわ!」
 クオラールはへろへろになりながらも、なんとかジェレランドに立ち向かっていた。
「……ふむ、時にキサマは何者だ?」
「忘れたとは言わせんぜ!」
「悪いがザコの名前はいちいち記憶しておらんのでな、まあ――そもそもヴィラネシアの手下に名前などあるハズはないが――」
「うるせえ! 俺がクオラールだ! 今日こそケリをつけてやる!」
 まさにクオラールとは深い因縁があることを思わせるようだ。 ただ、大勢が嫌な思いをしているということもあって、彼だけが特別というわけではないらしい。 無論、それだけジェラレンドを恨んでいる者は多いということでもあるが――
「ジェレランドぉー! くらえっ!」
 ライズもクオラールに続いてジェレランドに切り込んだ!
「2人とも、頑張って!」
 フェリンは2人の後ろからジェレランドに光の魔法を注いだ! だが――
「ククッ、この程度の力でこの私を倒そうなどとは! 笑わせるな!」
 ジェレランドはさらに闇の力を増幅し、3人を一斉に薙ぎ払った! これは流石に――

 フェリンはなんとかバリアを張っていたが、ライズはなんとか攻撃をかわしていた。 しかし、クオラールは倒れていた……。
「くっ、また力を増している、どうして――」
 フェリンはその様に圧倒されていた。
「それより、フェリンはテザンドの時みたく攻撃しないのか?」
「――それは」
 すると、ジェレランドが言った。
「ムリだろうな! 私にはもはや何人たりとも傷をつけることすら叶わぬのだ!」
 なんだって!?
「そんなこと、やってみなければわからねえだろ! はああああっ!」
 ライズは切りかかった! だが――
「フハハハハハ! さあ、やってみるがいい!」
 ジェラレンドは丸腰で攻撃を受けた! が――
「くっ!? なんだ!? まるで手ごたえがない!? どうして――」
 ジェレランドを切り裂いた感触がない――
「ならもう一度だ! おらあああ!」
「ふっ、何度やっても同じこと――気が済むまでやってみればよい! フハハハハハハハハ!」
 ど、どうしてなんだ! ライズは狼狽えていた。
「ククッ、絶望か? そうだろうなぁ! もはや手も足も出ないとわかれば――」
 ライズは小手先の魔法を発動! だが――
「絶望するしかあるまいな! フハハハハハハハハ!」
 なんと、魔法すら透過してしまった!
「うそ……だろ……!? どうなっているんだ!?」
 フェリンもまた圧倒されていた。
「どうして、どうしてこいつにこんな力が与えられているというの……!」

 フェリンは必死に魔法バリアを張り、3人の身を守っていた。
「フェリン、大丈夫か!?」
「まだ大丈夫! それよりもそっちは!?」
 ライズはなんとかクオラールを回復させていた。
「面目ない。それよりも、どうなっていやがるんだ!? なぜ攻撃が当たらない!?  それに以前よりも闇の力を増してやがる、どうなってんだこいつは――」
 すると、フェリンは気が付いた。
「そうか、こいつ自身が闇というのなら――きっと地上には出られないハズ!」
 なるほど、ということは――
「2人とも! スキをついて脱出するわよ!」
 フェリンはそう言った、だが――
「くくくっ、残念だがそうはいかぬ!  貴様らにはここで死んでもらうことにしたのだからな!」
 急に地鳴りがしだした! 今度は一体何が始まるというんだ!?
「さあ、出でよ!」
 すると、地面の中から何かが急に飛び出してきた!
「貴様らにはウロボロス・ドライブを滅ぼされてしまったがこいつはいわばその改良版というものだ!  その名もカオス・ドライブ! 貴様らを生贄として捧げることにしよう!」

 カオス・ドライブ、以前に対峙したウロボロス・ドライブに似たような魔物だった。 しかし、あいつの比ではないぐらい強大で恐ろしい蛇の生き物が3人に襲い掛かってきた!
「くっ! このままではいかん! ライズ、お嬢様をお連れして逃げるのだ!」
 クオラール!?
「俺のことはいい! それよりも、こいつは危険だ! 早く逃げるんだ!」
 そんな――
「バカめ――何人たりともここから逃がぬ! さあ、こいつのエサとなるがいい!」
 もはやここまでか――