ラスト・プレリュード ~運命の黄昏 忘れられし物語~

第3章 真に邪悪なる存在

第30節 圧倒的な守りとそれを凌ぐ術

 ライズは真正面からテザンド相手に切り込んだ!
「うおおおおおおお!」
「ふっ、甘い、甘いぞ! このハンター風情が!」
 ライズの攻撃はくしくも弾かれてしまった!
「ぐはぁっ!」
「ライズ、退いて!」
 ライズは下がると、今度はフェリンの魔法がテザンドを貫く!
「くっ、ふふっ、ヴィラネシアとあろうものが、その程度かっ!」
 なんと、魔法まではじき返された!
「いやあっ!」
 多少は効き目がありそうだがこのままでは不利だ。 いや、単にフェリンの魔法の威力が高いからある程度貫通していて、残りが弾かれているだけという感じか、 いずれにせよ、あの頑丈さでは手も足も出せそうにない。
「どうなっているんだ! 全く歯が立たない!?」
 ライズは焦っているとフェリンは――
「あいつの周囲に強力な守護方陣が展開されているわね。 私の力ならって思ったけど、どうやらジェラレンドのやつがあいつの力を強化したからこの力では無理みたい」
 そう判断していた。
「そんな! だったらどうすれば!? そうだ!  ウロボロス・ドライブの時と同じように、俺を強化してくれれば!」
 ライズはそう言うが、フェリンは――
「ムダよ、あなたの攻撃がはじき返されるだけ。 幸い、守護方陣の副作用であいつの力は減衰しているようだから向こうからの攻撃を受けるだけならそんなに大したことはなさそうだけど」
 いくら敵の攻撃が弱くなったとしてもここままだとじり貧、 攻撃が通らないんじゃあ――通ったとしても、その分返されるのではさすがに――
「いいわ、だったらこうするまでよ――」
 するとフェリン、何を思ったか、自らの短いスカートの裾の部分を引きちぎると、そのままスカートはほどけ、さらに短いスカートになった!  そしてななななんと! 上半身のオフショルダーのシャツの一部がほどけ、胸や肩の部分がさらに露出!
「えっ!?」
 そして、ほどけた生地はそのまま一本のロープを形成した!? あれは鞭か!?
「うふふっ、これならもんくないでしょ♥」
 フェリンはすっかりヴィラネシア・モードに入っていた。

 鞭、殺傷能力はまずまずだがうまい使い手が振るえば非常に相手がガードしづらい武器、 そんな特性が功を奏して、フェリン……いや、ヴィラネシアの魔法を纏った鞭の打撃がテザンドへピンポイントに刺さった。
「ぐはっ! おのれ、キサマよくも!」
 すごい……やっぱりすごいぞフェリン!  ライズは感動していた、それはフェリンがテザンドに攻撃を平然と当てている様ではなく、 彼女の露出度が高くなった姿に見とれており、彼女の背後で興奮していた。
「そんなところで興奮していないで、攻撃に参加して!」
 するとフェリンは何を思ったか、その鞭でライズを思いっきり叩いた!
「痛っ――えっ、なんだこれは――」
 痛みはさほどではなく、これはむしろ――超気持ちいい――ライズは悦に浸っていた。
「私の愛の魔法ムチに叩かれると幸せになれるのよ。 もちろん、これもヴィラネシアならではの……というか妖魔の女がもちうる能力ね、 うまい具合に利用して!」
 それなら! ライズも変態モードに移行した!

 テザンドの最期は実にあっけない幕切れだった。 こいつはジェラレンドの守護方陣こそがすべてみたいなところがあり、それ以外は大したことがなかったのだ。 フェリンのガード実質無効の攻撃と変態ライズの攻撃……変態ライズの攻撃については例によって弾き返されるが、 それと同時にフェリンの癒しの鞭によって実質無傷、 そうなるとあとは時間の問題……意気込んで立ちはだかったわりには大したことのないやつだった。 ゆえにどんな強敵だったのかと思いきや、大して強い敵というほどでもなかった。
 ……ん? ライズはフェリンの姿に見とれながら鞭に打たれていて喜んでいただけのただの変態野郎じゃないかって!?  あ、やっぱりそう思いました? 少なくとも作者はそうだと思っている。 一応、彼のためのフォローしておくと、とりあえずきちんとマジメにテザンドを攻撃していたのは明らかである。 だから……フェリンのおっ○いや綺麗な脚が見えたのはただの偶然……ということにしておいてやろう。 それこそ鞭だって、叩かれれば一応痛いハズなので極力打たれないように工夫していたハズ……ということにしておく。
「見られてもいいし叩かれてもいいけど、 普通の魔法ムチと愛の魔法ムチと叩き分けるの大変なんだから次からちゃんと考えてやってくれる?」
 変態ライズはしっかりフェリンに注意された――フォローが台無しだなぁ。 魔法ムチは消え、フェリンの服装も元に戻っていた……が、 ライズとしてはそれでもいい眺……そろそろいい加減にしろ。
「さてと、それよりも――テザンドはこれでおしまいね」
 これでヴァルナジアの脅威は去った……でいいのだろうか。