ラスト・プレリュード ~運命の黄昏 忘れられし物語~

第2章 妖艶なヴィラネシア

第13節 長き戦いの日々

 まだ倒したわけではない、油断は禁物である。
「かくなるうえは! これでも食らいなさい!」
 ヴィラネシアはさらに力を引き出した! これはやばい! やっぱりまだ力を隠していたのか!
 ところが――
「無駄だといっているでしょう――」
 フェリンは、ヴィラネシアのほうへと向かっていった。 そして、フェリンの中からさらに強大な魔力が発揮され、ヴィラネシアを完全に包み込んだ。
「あなたでは私たちを倒すことなんてできやしないわ――」
「なん……だと……」
 ヴィラネシアは力の中に閉じ込められた。そして、その中へとフェリンも入っていく――
「キサマ! 何者だ!?」
「私はただのお姫様よ、まあいいわ――」
 フェリンは両手を前に出し、そのまま祈りのポーズへ。 するとそのまま上空からヴィラネシアのもとへと何かが降り注ぐ!
「こっ、この力はあ! まさか! まさかあああ!!」
「さあ、そのままお眠りなさい――」
「うわああああああ!」
 ヴィラネシアはそのまま息絶えていった……

「ありがとう、あなたのおかげであの女にトドメをさすことができたわ!」
「いやいやいや! 何を言っているんだよ! ヴィラネシアを倒したのはフェリンだろう! 本当に、すごいじゃないか!」
 フェリンはお礼を言い、ライズは絶賛しているが、フェリンは――
「そもそもヴィラネシアは”七魔性聖”でも強いほう、この程度で倒せたら苦労しないでしょ?  だからあんなの、ヴィラネシアの一部でしかないハズよ――」
 と、彼女は冷静だった、一部って!? ま、まあ、言わんとしていることはわかる、要はそういうことか。 確かに、そもそもヴィラネシアってもっと強いハズだ、 だからこの程度で倒せたらわけない、フェリンの言う通りだ。

 しかしながら、ヴィラネシアを討伐したことは事実、一部でもヴィラネシアはヴィラネシアだからな。 だからやつの力をそいだことには変わりないってことだな! 前向きにとらえるとしたらそれが正解だろう、 ライズはそう考えた。
 その件に対し、再び例の大臣ルームでは――
「ヴィラネシアが倒されました、メレア姫によって――」
「一介の姫やハンター風情にヴィラネシアが倒せるわけなかろう」
「さようでございます、正確には一部であると、我が主であればご存じだったかと思っておりましたゆえ――」
「ふん。しかし、一部というのも腑に落ちんがな、まあいい、この際、捨て置くしかあるまいな――」
「ヴィラネシアの件はこれ以上は追わない、ということでしょうか」
「そうだ。目障りだから殺してやりたいのは山々だがそう簡単には尻尾を出さないということだろう。 だからこの際、やつのことは捨て置け。その代わり、元の計画のほうを進めるのだ。 今はどのような状況となっているのだ?」
「はっ、今は35%程度と言ったところでしょう。準備は着々と進んでおります」
「よろしい。では、そろそろ例の計画へと移行する時が来たようだな」
「さようでございますね。では、まずは進めてもらいましょうか――」

 今度は先ほどの大臣ルームとは異なる部屋である。その部屋は今はものすごい轟音が鳴り響いていた。
「なんだ、どうした? 何があったのだ?」
 先ほどの大臣が語りかけていた。
「ナムキアソが付近を回遊しているだけだ、それ以外は特に問題ない」
「ナムキアソ――忌々しい役立たずが……」
 大臣と先ほど話をしていた謎の存在は少々呆れ気味にそう言った。
「で、そちらの準備は?」
「こっちは特に問題なく事が進んでいる、一部を除いてな」
「なんだ、問題でもあるのか?」
「大アリだ。なんつったってここはヴァナスティア、問題がないわけなかろう」
「確かにそれはそうだが。では、それ以外に問題はないということでいいな?」
「テザンド、それ自身が問題だ、避けては通れん。 こっちはそちらと違って精霊共の土地と隣り合わせ、つまりやつらが目を光らせているからな、あれを何とかせねばなるまい――」
「なるほど、聖獣どもが邪魔をしているということだな。そうなると、すぐには行動できぬか――」
「そうだった、言われてみればそれもそうだな。我らが主よ、いかがいたしましょうか――」
「この際だ、ここで”やつ”を起動させるか……」
「我らが主よ、”やつ”とはいったいどのような?」
「クククッ、知りたいか? ”やつ”の力を。では見せてやろう、”やつ”の力を!」