ラスト・プレリュード ~運命の黄昏 忘れられし物語~

第2章 妖艶なヴィラネシア

第10節 男のサガ

 話はがらりと変わり、出航から約2日後、目的地である港へとついた、つまりは海を渡ったのである。 ここ、”グリンブズ”の港は”アルヴァーレム大陸”の南側にある非常に大きな港町で、 そこからさらに南にあるライズたちの拠点であるヴァルナジア大陸のトライトや、 近隣の島国とも交易が盛んにおこなわれている。
「さてと、ようやくついたな。で、”ハーハラル”に行くにはどこに行けばいいんだー?」
 旅の目的地はそういう名前の町である。そこがヴィラネシア発祥の地とされている。 しかし、問題はその”ハーハラル”の場所がイマイチわかっていないこと、こればっかりが悩ましいところだった。
「”ハーハラル”はここから北東のほうだよ。 ここから東に行くと”ヴィルスガント”という山岳地帯を通ることになるけれども、 遠回りになっちゃうから、まずは北にいって”リキュラリウム”、 そして、さらに北の”トレモア”、そこから東へ向かったほうがいいわ」
 フェリンは詳しかった。とりあえず、言われたとおりに進むことにした。

 リキュラリウムまでの道のりはさほど時間がかかるわけでもなく、1週間あれば着くことができた。 ちなみに、この都の名前の由来は”図書館”らしく、このあたりにかつて存在していた古の王国のことに関する文献などがあるらしい。 それだけにこの都は非常に大きく、多くの人々による賑わいを見せていた。 トライトなんかに比べるとはるかに大都会で、ライズたちは目が回りそうだった。
 また、それとは別に、以前はこの西あたりにある”アークゲイト”と呼ばれる町のあたりで この大陸を支配していた大帝国というのも存在していたようで、 人々の往来の多さからもなんだかわかるような光景だった。
「うっふふっ♪ ラーイズ♪」
 えっ、なっ、なんだよ。 フェリンはその町のホテルで、ライズが泊っている部屋へと押し掛けてきた。しかも妙に色っぽい。
「ハンターたちからあなたのことを聞いたのよ♪」
 聞いたって? 何を?
「ライズ♪ あなたってエッチなんですってね♪」
 えっ!? ちょっ!!? そっそれは――別に、そんな特別エッチなわけじゃあ!  第一、自分は男、男なんだからそれぐらいは当然! でも、別に、だからと言って特別エッチというわけじゃあ!  ライズはそう思いつつら焦っていた。
「だ、誰がそんなことを言ったんだ!?」
「ハンターたちよ、名前はわからないけれども―― あっ、そうだ! ガレイズやファザットもそうだって言ってたわ♪」
 あの2人め! 覚えてろよな! そんなライズの心の声が聞こえそうである。
「短いスカートの女の子の脚とか、大きな”おっ○い”の女の子の胸とかいつもじろじろ見ているんだってね?」
 あの2人め! マジで覚えてろよな! 改めて、そんなライズの心の声が聞こえそうである。
「短いスカートの女の子の脚とか、大きな”おっ○い”の女の子の胸――ほうほう、それってつまり、私だな?」
 ライズは冷や汗をかいていた、ほとんど図星だった。
「つまり、脚もじろじろ見られているし、胸が出るような服を着ているから、ガン見しているってわけだ!」
 ライズはさらに冷や汗をかいていた、当然、図星だった。
「うん、確かに、心当たりあるしなー!」
 というより、服装的に目のやり場に困るんだよ! ライズはしどろもどろだった。
「そっかぁー、ライズってば、この私に興味があるんだー♪」
 えっ、それは、そんなことは―― ライズはやはりしどろもどろだった。
「まあ、私としては、それでも全然いいんだけどねー♪」
 えっ? なんで? ライズは意表を突かれていた。
「なんでって? だって、あなたは私の白馬の騎士様なんですもの♪」
 白馬の騎士? ライズは改めて意表を突かれていた。
「あの時にこの私のことを、命を懸けて救ってくれた――ふふっ、あの時は本当にうれしかったわ。 やっぱり、つかまってみるものね」
 つかまってみるものねって、どういう感想だよ――ライズは困惑していた。
「そんな人が、別に少しぐらいエッチだって私は構わないわ。 だって、いざとなったら私を助けてくれるのですもの、だから私は気にしないわ!  本当にありがとう! それじゃあおやすみなさい!」
 おやすみ……って、そんなこと言うためだけに来たのかよ。 だけど、気があるというのは否定はしなかったライズ。 どう考えても普通の男だったら速攻で落ちそうなビジュアルだから、気にしないっていうのがムリだったようだ。 とにかく、とにかく美人だし、かわいすぎる。 ライズ的にはフェリンはストライクゾーンのど真ん中にいたようで、だから見た目がとにかくたまらん。
 ……というライズの本音が見えたところで、 とにかくセクシーなプリティガールのフェリンとドスケベ変態エロライズはその町で一晩を明かすことにしたのだ。

 そしてその朝、
「あら、おはよう♪」
 フェリンはライズが部屋から出てくるとそう言った。彼女は待っていたのだろうか。
「ちなみに昨日の話なんだけど――」
 ライズは頼むからやめてくれ――と思ったが、彼女が伝えたかったのは盛大なオチだった。
「言っとくけど、胸をチラチラ見た回数が多いのはファザットで、 ガレイズなんかはスカートの中を何度か覗こうとしていたんだからね、 あいつらのほうがよっぽどスケベよ」
 その情報は100万で買おう! ライズは興奮していた。
「――まあ、ライズは胸も脚も2人よりもはるかに見ている回数多いけど、 だいたい一緒にいることを考えると、あの2人よりも少ないといえるかな――」
 やっぱ俺最低――ドスケベ変態エロライズは冷や汗をかいていた。