運命の黄昏 ~エンド・オブ・フェルドゥーナ~

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「ほう、貴様――またエターニスの精霊が来たというのか、懲りぬやつだな――」
 再び戦いの火ぶたが切って降ろされる!
「悪いがお前のようなやつに用はないんだ、さっさと消え失せてくんないか?」
 ロイドは炎の剣を突き出しそう言い放った。
「ほう、そこまで言うか、面白い! ならばこの攻撃を受けてみるがいい!」
 が、しかし……
「どうせならもう少し準備してからのほうがよかったんじゃないか?  世界が消滅するからと高をくくって何も準備しなかったのが運の尽きだったな」
 と、葬られし害悪は真っ二つにされると文字通りそのまま葬られた――。
「ったく、筐体自体は大した奴じゃないんだけどな――」
 ロイドは呆れていた。

 とにかく、気を取り直して再びランドグリスのような場所にて。 そこには女性が立っているがどうも時間が止まっているらしく、全く微動だにしない。
「この女がアリフローラ=フェイテルだってか?  確かに、あのアリフローラ=フェイタリスにとてもよく似た女だな、まさに運命の精霊だから成せる業――」
 ロイドはその女性を見ながらそう考えていると――
「待てよ、言われてみれば俺も同じか、多分フローナルだろうがロイドだろうが外見は大体同じはず、 だからスクライトの野郎もフローナルを見てロイドと判断したんだろうな。 そうか、これは疑似転生ゆえの制約といったところだろうな――」
 と、そんなことを考えていると――気になっていたことが一つ。
「あれ、そう考えてみるとあの女、まさか――」
 フローナルは考えた、そう、あれだ――

 フローナルはそう考えた瞬間……
「お、おい! 大丈夫か!?」
 そこはまた別の森の中、その森が何のか瞬時に察したロイド、間違いなくここはフェルドゥーナの、しかも――
「シェリア! しっかりしろ!」
 彼女は気を失っていた、そう――ここはプリズム族が住まう森の中、そう、彼女はそこにいたのだ。
「そうだ、こいつを使えば……」
 ロイドは願いを込めてトリュオンを掲げた!
「彼女の記憶を! 頼むから維持していてくれ!」
 するとトリュオンの光はシェリアを照らし出した!
「う……うーん……もしかして、お姉様ですか……?」
 そう言われて悩んだ、どうしたもんだか――
「……え!? まさかフローナルさんですか!?」
「そう、俺だ、むしろ申し訳なかったな――」
 すると彼女はフローナルにしっかりと抱き着き――
「良かったです! 世界は消滅していないのですね!」
 と嬉しそうに言うが、どう説明したもんだか――フローナルは悩んでいた。

 精霊界にそのまま引き戻された2人、シルグランディアの元へとやってきた。
「フィレイナお姉様! そっか、魂だけの存在となって現れたのですね!」
 さて、どう説明したもんだか――フィレイナも悩んでいた。

 シェリアは改めて事の深刻さを目の当たりにしていた。
「ティルフレイジアの考えの元、 シルグランディアが構築したシステムが作動してなんとか消滅一歩手前の状態まで踏みとどまったということらしい――」
 フローナルはそう説明するとシルグランディアはさらに続けた。
「で、その際にトリュオンが周囲にある記憶をすべて回収し、 そのおかげであんたたちがとりあえずこうして実体を伴って生きていけるのよ、 トリュオンは実体の記憶ごと回収しているハズだからね。」
 ということでシェリアもまた助かったということである。
「ということは、他のみんなも?」
 シェリアは訊くとフローナルは頷いた。
「つまり、そう言うことになるな」
 するとシェリアは鋭い目つきをして言った。
「なら、まずはみなさんを助けましょう!」
 その時の彼女の貫禄に、2人はとても驚かされた。
「やっぱりそうだ、間違いない――」
 シルグランディアもすぐに気が付いた。
「ええ、この感じ、どうしてこんな娘がその記憶から想起されたのかと思えば―― この印象はまさしくアリフローラお姉様のそれを感じるわね……。」
 ゆえに、あのアリフローラ=フェイテルから想起した存在としてシェリルのもとに導かれたのである。