運命の黄昏 ~エンド・オブ・フェルドゥーナ~

Unable to execute Memory-Auth

___

 フローナルはユグドラに飛び込むと、なんだか妙な空間へと放り出されていた。
「なんだここは!?」
 そこはどうやら惑星ランドグリスのような光景、 いや、それとも惑星UNP00002のほうだろうか、どちらとも言い難い場所だった。
 するとそこに――女性が一人、そこに立っていた。
「あの女、まさか!」
 フローナルはすぐに気が付いた、その女は紛れもない――
「ほう、貴様――つまりエターニスの精霊か……」
 と、いきなり背後から怪しい男が―― フローナルは慌てて後ろを振り向くと、そいつは惑星SSM-0XBA-50001の時にも出くわしたような感じの怪しい男がいた。
「貴様! どうしてここに……?」
 だが、フローナルは考え直した。
「そうか……記憶の空間だからいろんな記憶がごっちゃになっているのか――」
 すると――
「なんだか知らぬが貴様は邪魔だ、消え失せるがよい!」
 と、その時、怪しい男は強烈な闇の魔力を使って薙ぎ払ってきた!
「なっ!?」
 フローナルは剣を構えて立ち向かったが――
「脆い……」
 その場にフローナルの姿はその場から消え去ってしまった……。

 気が付いたフローナル、ユグドラの隣に倒れていたようだ。
「はっ!? くそっ、あいつめ……」
 彼は頭を抱えていた。するとそこへ――
「なるほどねえ、まさかユグドラそのものにティルフレイジアの指定があるなんて、考えたわね――」
 ティルフレイジアだと!? またあいつらっ! フローナルは落胆していた。
「まあまあそう言わないでよ、 ティルフレイジアはティルフレイジアでもメドーナ姉さんなんだから底意地の悪い156cmの男よりはだいぶマシよ。」
 メドーナ姉さん……? って、そういえばティルフレイジア家の女児って面識ない……どんなやつなんだろう?  フローナルは考えていた。

 とにかく、フローナルはユグドラの飛び込んだ時のことをシルグランディアに説明した。
「そっか、”葬られた害悪”……いい名前ね。」
 んなところに感心してる場合じゃねえ、フローナルは呆れていた。
「で、ティルフレイジアの指定ってなんだ?」
 フローナルは改めて訊くとシルグランディアは答えた。
「簡単に言えば、そいつを倒すためにロイドに覚醒しとかないとダメってことでしょ?  世界を復旧するのはいいけどそいつも一緒に復旧されるんだから、 復旧される前に除去するにせよ後に除去するにせよ先に倒せるように準備をしておかないと本末転倒―― そのためのセーフティが働いたと思えばいいんじゃないの?」
 マジかよ……フローナルは悩んでいた。
「でもな、この通り意識だけは大体覚醒しているんだ、あとは何が足りない?」
 シルグランディアは得意げに答えた。
「それはもちろん”力”よ。」

 力ったって――フローナルは悩んでいた。
「知っての通り、俺は精霊界に降りる際にその力を置いてきちまった、だが――」
 シルグランディアは頷いた。
「それには精霊界を復旧させないとダメってことね、ユグドラに飛び込んでそれを探し出したとて、 それはあくまで力だから自分の力を取り戻すためのカギにはならない―― それでティルフレイジアもユグドラに安全装置を仕掛けているってところか――」
 いずれにしてもダメってことじゃないか……フローナルは悩んでいると――
「いえ、方法はあるわね、こんなセーフティ仕掛けておくぐらいだもの、 手段は別に用意されているって理解でいいんじゃないかしら?」
 言われてみればそれもそうか、なんたってやったやつはティルフレイジア、 これぐらいのことを見越していてもおかしくはないか――フローナルは考えるとシルグランディアは思いついた。
「そうね、そう言われてみると心当たりはなくもないけど……問題はそれをお兄様がきちんと扱えるかどうかってところね。」
 だが、それにかけるしかない! フローナルはシルグランディアに訴えた。