運命の黄昏 ~エンド・オブ・フェルドゥーナ~

第5章 世界の終わりに

第117節 世界を脅かす者との邂逅

 数か月前の惑星SSM-0XBA-50001にて――
「探査艦”グローナシア”、惑星SSM-0XBA-50001に到着いたしました。 探索を開始します――」
 先んじてその惑星にやってきた降下部隊は報告すると、早速探査を開始していた。
「大気はあるようです、人体への影響もないように見受けられます!」
「そうか、でも慌てるな、一旦様子を見たほうがいい」
 ということで、探査部隊は探査を続行していた。 その星は大気があるということもあってかフェルドゥーナ星とは環境がよく似た星であり、 太陽が当たれば草木もちゃんと生えていた。するとそこに――
「あれはなんですかね?」
 そこにはなにやら家のようなものがあった。
「こんなところに人家? 一応、フェルドゥーナの文化にもあるらしいような家のようだが――」
 彼らは報告しつつ、そして調査を進めることにした。 すると、家の中から何者かが現れ――
「な、なんだこいつは!?」
 そいつは全身黒づくめでフードとマントを被った怪しげな存在だった。
「何をしても無駄なことだ――」
 なんだって!? 調査部隊は疑問に思っていた。
「お前は何者だ!」
 1人がそう訊ねるとそいつは答えた、声からすると少なくとも男のようだが――
「その質問は無駄だと言っている……だがそれを教えるのもまた余興―― 我はこの世界を脅かす者――」
 この世界を脅かす!? まさか――
「メテオ・ナイツの報告の……こいつが元凶か!?」
 1人が言うともう一人が問いただした。
「答えろ! 貴様! 何を知っている!」
 しかし、そいつは――
「そう、我は知っている、だが――我の理解を超えてしまっている…… ゆえに、我は何も知らぬというのが真実……そう、我は何も知らぬのだ――」
 なんだこいつ!
「貴様! まともに答えろ!」
 と、調査部隊は改めて銃口を向けると、怪しげな男は――
「そう、命のやり取りさえ無駄な行為なのだ――」
 と言いつつ、その場にいた調査部隊の足元から邪悪なオーラを発揮した!
「うわあああああ!」
「ぐわあああああ!」
「な、なんだこれはあああああ!」
 調査部隊はその場で死に絶えてしまった――。
「しかし我はこの世界を脅かす者、例え無駄であろうと役割をこなすのが道理――」
 怪しげな男はそう言い残してその場を去って行った。

 そして――その数か月後、メテオ・ナイツのクルーたちが降下してきた。 大気があるとはいえ、空は夜のようになっており、 その中でも日時は輝く星はおそらく太陽だろう、太陽から結構距離がある星であることに変わりはなさそうだ。
「いよいよ正念場というわけだな」
 フローナルはそう言うとアルドラスとカルディアスが言った。
「まさに、まさにってところだな、気を引き締めていこうぜ!」
「その通りだ、もしかしたらこの星に滅亡を防ぐための何かしらのヒントがあるかもしれないしな――」
 それに対し、降下したメンバーは全員頷いていた。

 そして、早速彼らは家を見つけた。
「なんだあの家……なんだか不自然な民家だな――」
 アルドラスが言うとフローナルは考えていた。
「確かに妙だな、ティルフレイジア星で見たような様相とはまるで違う感じがするな……」
 エターニスの精霊が言うのだからそれぐらい妙なのだろう、カルディアスは考えた。
「どうでしょう、入ってみるというのは――」
 フェルメリアが訊くとカルディアスは答えた。
「そうだな、これまでのことからするとそれがいい選択なのかもしれんな――」
 カルディアスは決断した。